フジテレビでは、今春の改編で金曜深夜0時55分から2時間に及ぶ生放送のバラエティー番組「オールナイトフジコ」が始まります。番組タイトルが示す通り、'83~'91年に掛けて土曜深夜に放送された伝説のバラエティー番組「オールナイトフジ」のリメイク版です。
今回の総合プロデューサーは秋元康氏が務め、メインの司会者は、元テレビ東京の社員で演出家・プロデューサーの佐久間宣行氏で、お笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介と、さらば青春の光の森田哲矢が脇を固めます。
「オールナイトフジ」は当時『楽しくなければテレビじゃない』を旗印に掲げたフジテレビらしいライトな番組作りが当時の若者に絶大な人気を博し、現役女子大学生らが出演したことでも話題を呼びましたが、良くも悪くも深夜番組ライクなやや過激な番組内容が当時の中曽根康弘政権に問題視され、郵政省(現・総務省)を通じて過激な深夜番組自粛を通告される事態に発展。
結果、番組内容を変更せざるを得なくなった経緯もあった程の社会現象にまで発展した『伝説の番組』でもありました。最近話題になっている、安倍晋三政権時代に「サンデーモーニング」(TBS系)の番組内容に総務省側から物言いがあったの無かったのというくだりが、中曽根政権時代にも既に存在していたというのも考えさせられるものがありますね・・・。何時の時代も、『やり過ぎ』ると時の政権側から目を付けられるということです。
フジテレビ編成制作局編成センター局長職兼室長兼編成部長の中村百合子氏は、番組復活の狙いを問われ『収録のスタイルのバラエティーなどがある中で、生放送のバラエティー、リアルタイムで"今この瞬間、目が離せない"っていうようなバラエティーを作っていきたい、打ち出していきたい。
視聴者と時間の共有をしていきたいというコンセントでこの企画が成り立っている。制作者、出演者、視聴者の皆さまにもワクワクしていただきたいという思いで、今回の番組のスタートに至っている。
しっかりと腰を据えて、金曜日の夜はオールナイトフジコを見るんだというような、深夜の夜更かしの視聴週間をつけられるくらい踏ん張っていきたい』と意気込みを語りましたが、懸念されるのはハナから『関東ローカル』だと断っている事ですね・・・。
かつての「オールナイトフジ」は一部のフジテレビ系列局でも同時ネットされましたが、今度の「オールナイトフジコ」は地方では視聴出来ないと・・・ネットワークセールス扱いに出来る程、キチンとしたスポンサーでも付けば話は別だったのでしょうが、改めてフジテレビ及び地方のフジテレビ系列局における営業力の弱体化をも痛感させられます。
かつての「オールナイトフジ」は噂が噂を呼び地方系列局にもジワジワとネット局が拡大していきましたが、「オールナイトフジコ」も同じ様な系譜を辿れるかどうか?当局的には金曜深夜の生バラエティーというと、むしろ「いきなり!フライデーナイト」('86~'89年)の印象が強いですけどね。

大量の現役女子大学生が出演していたのも特徴的だった「オールナイトフジ」では生々しい『えっちな話』も展開されましたが、今の放送倫理規定ではNGだろうな。/(C)Fuji Television Network, Inc.