奇蹟・鬼籍の名俳優~遠藤康子 | VBCテレビブログ放送

奇蹟・鬼籍の名俳優~遠藤康子

当局がリスペクトしている俳優を語るシリーズ。今回は・・・重たいよ。何せ、人気絶頂期に飛び降り自 殺されてしまったから・・・17歳という若さで。

モトをたどれば'83年、15歳でモデルデビュー。スカウトされた所属事務所(ボックスコーポレーション)にはアノ"ミポリン"こと中山美穂さんも在籍しており、とても仲が良かったという。

数々のテレビコマーシャルに出演し場数を踏んだ末、長谷川博己さんや工藤夕貴さんらが所属しているヒラタオフィスに移籍。早速、女優デビューを飾り「スケバン刑事」(フジテレビ系/'85年)で、斉藤由貴さん演じる主人公・麻宮サキを苦しめる"悪役"、海槌亜悠巳役でブレイク!

初登場時から、甲高い高笑いで登場するという激的デビュー!憎たらしいまでの悪役ぶりは、『本人の性格が滲み出ているのか?』と思える位、猛烈にピッタリハマっておりました!

強い目力と高飛車な態度、麻宮サキを殺すべく次から次へと悪だくみを繰り広げるさまは凄まじかったものです。『悪女』という言葉がピッタリきました。

'86年5月にはレコードデビューも飾る予定で、プロデューサーはナンと橋幸夫さん!ところが・・・レコードデビューする2ヶ月前、実母と事務所のマネージャーと(実母が経営していた)喫茶店で打ち合わせした直後に、飛び降り自 殺・・・。

実は兆候があったそうで、自 殺する1ヶ月前からこれまで読んだことの無いハードボイルド小説にハマりだした上、死をほのめかす発言を繰り返していたという。

今だとこの手の症状に強い心療内科もありますが、当時はまだ『心の病』に対する認知度が一般的では無かった時代。休みも取れずに仕事のプレッシャーに押し潰されてしまったのでは?と推測されておりますが、まさかとは思いますが麻宮サキ役の斉藤由貴さんのファンから、心ない『嫌がらせ』を受けたのではないかと?

いや・・・『嫌がらせ』されても致し方ないと思える程、憎たらしいぐらいの悪役ぶりだったんですよ・・・「スケバン刑事」では。カミソリの10枚や20枚送り付けられてもおかしくない位の名悪役ぶりでした。

これは『役者』としては大成功だったのですが、『17歳の一人の乙女』としては相当葛藤があったのではないかと思いました。


大変惜しい人材が失われていたんですね・・・バブル経済最盛期は。今でもご存命だったら、良い女優さんになっていたと思います・・・。






「スケバン刑事」で主人公・麻宮サキを苦しめる悪役を好演した遠藤康子さん。終始、キツイ目付きでしたが、素顔は全く違っていたようで・・・。/(C)和田慎二・東映