「THE TIME,」をズバッ斬り! | VBCテレビブログ放送

「THE TIME,」をズバッ斬り!

在京民放キー局では久し振りの平日早朝5~7時台の生帯ワイドショーの新番組となった「THE TIME,」(TBS系/月~金05:20~08:00)。

TBSにとっては『伝家の宝刀』安住紳一郎アナウンサーを前面に立てた大型番組で、安住アナウンサーたっての希望で『地方系列局からの生中継』を盛り込んだ、かつての人気ワイドショー番組「ズームイン!!朝!」(日本テレビ系/'79~'01年)を彷彿とさせる演出が最大のポイントでしたが、今回は10月1日(金)から放送開始された同番組のレビューをお送りします。

どうしても前番組の「あさチャン!」('14~'21年)との比較になってしまいますが、まず

『落ち着きが無さ過ぎ!』

「あさチャン!」よりは一回り大きくなった印象を抱く大型のスタジオセット内には、イベントホールに居る様な様々なテナント的なセットが用意されており、安住アナウンサーと金曜日のメイン司会を務める俳優の香川照之さんがスタジオ内を移動しながら番組を進行させておりました。

コーナーが変わる度にカメラアングルとMCがいちいち動きまくるという、目まぐるしい番組だなぁ・・・というのが第一印象でした。朝はタダでさえ落ち着きが無いので、テレビの画面の中も慌ただしい動きがあると益々煽られる様な感じになりかねません。

安住アナウンサーの進行ぶりの上手さは言うに及ばず・・・なので割愛しますが、背広に小さな"初心者マーク"を点けていた香川照之さんは早速"不安"な立ち上がりでした。

初回放送の進行はほぼ安住アナウンサーが務めていたのですが、本来は月~木曜日までの出演で金曜日は"休養日"。10月1日は初回放送ということからの"特別出演"だったのでしょうが、香川照之さんは自ら進んで喋る機会は希薄で『安住アナウンサーのオマケ』の域を出ませんでした。

初MCなので致し方ありませんが、この調子だと単独での司会進行はかなり厳しいモノがあるのかもしれません。10月8日(金)以降は安住アナウンサーは出られないでしょうから、よっぽど周囲のアナウンサーが盛り立てないとダダッ広い上、複雑なスタジオセット内の移動にも一苦労しかねないかもしれません。

落ち着きが無いのは一つ々々のコーナーもしかりで、コーナーの尺が総じて短く目まぐるしく変わり続けていたのも印象的でした。バタバタした朝だと、むしろ尺が長くてもゆっくりと観ている余裕が無いものですが、かといって短すぎても違和感を抱きます。番組最大の売りだった『地方系列局からの生中継』も、尺が短くて物足りないと感じました。

「あさチャン!」の時に設定されていたコメンテーターの出演が全く無かったのも特徴的でしたが、大型ニュースが発生した時の対応が心配です。特に香川照之さんがメイン司会の時だと特に不安です。

登板過多ぶりが懸念される江藤愛アナウンサーも心配なのですが、「あさチャン!」からの続投組となった宇賀神メグアナウンサーと篠原梨菜アナウンサーは明暗が分かれました。

スタジオ内で進行役を務めたのは宇賀神アナウンサーでしたが、やはり「あさチャン!」とは勝手が違ったようで"目が泳ぐ"場面も。「あさチャン!」で、毎回『ワタクシ、篠原が』と主張して名を売っていた篠原アナウンサーは台風で大荒れの外からズブ濡れになりながらマスク姿で中継レポーターを務めており、「あさチャン!」からのポジションの落差ぶりは気の毒に感じました。

朝のワイドショーにしては珍しく"音楽"に拘ったのも特徴的でしたが、午前7時ちょうどに番組のテーマソングを流すくだりがありましたが、別に要らなかったんじゃないかなぁ?

数少ない?安心した点としては「朝ズバッ!」('05~'14年)を想起させる、主なニュースの見出しを大文字で見せるパネルは良かったですね。


TBSきっての人気長寿バラエティー番組だった「ぴったんこカン・カン」('03~'21年)を終わらせてまで始まった「THE TIME,」。TBS最大のエースアナウンサーを投入してコケるようだととてつもない大ダメージになってしまいますが、今後色々と手は入れられると思います。どうなっていくのか?当局も、TIME(時間)を掛けて見守っていきたいと思います・・・と言いますか、「あさチャン!」のメイン司会者だけ変えて番組そのものは継続していた方が良かったなぁ・・・。






「THE TIME,」の一場面より。コーナーによってスタジオ内に複数設けられた店舗の様なセットから番組が放送されておりました。/(C)1995-2021, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.