「がんばれ!!タブチくん!!」における"ヤスダ君"とは? | VBCテレビブログ放送

「がんばれ!!タブチくん!!」における"ヤスダ君"とは?

去る2月20日、元・プロ野球選手(投手)の安田猛さんが旅立たれました・・・(享年73)。

数年前から胃がんを患い、余命宣告までされるも最後迄母校・小倉高校の投手コーチを務める等精力的に活動されておりましたが・・・。

プロ野球選手としては、'72年にヤクルトに入団。技巧派左腕としてプレーし入団1~2年はいきなり『2年連続リーグ最多登板』にして『2年連続最優秀防御率』のタイトルを獲得!更に『81イニング連続無四球』という、未だ破られていない記録の保持者でもあります。『ペンギン投法』と呼ばれた独特の投球フォームからクセのある投球を展開し、『王貞治キラー』としても名の知れた存在でした。

'75~'78年までは、4年連続二桁勝利!しかし膝を痛めた'79年以降は成績が低迷し、'81年で現役引退。'72~'81年の現役生活9年間で93勝17セーブを挙げました。現役引退後は、投手コーチ、スカウト、スコアラーを担当し、特にスコアラー時代は辛口の野村克也監督(故人)から高く評価されていたという。

'19年に行われたヤクルト球団設立50周年を記念して開催されたOB戦では、僅か2球ながら見事なピッチングを披露しましたが、その後は病気療養に専念。「爆報!THE フライデー」(TBS系)でも闘病ぶりが取り上げられましたが・・・。

『ヤクルトのヤスダ』というと、いしいひさいち原作の大ヒットマンガ「がんばれ!!タブチくん!!」の印象も大変強かったと思います。'79~'80年に掛けて3度もアニメ映画化され空前の大ヒットをマークしたのも印象強かったと思いますが、マンガの"ヤスダ"は現実とは割と違っていましたね・・・。

"魔球"の使い手で、試合中には『徹夜でオイチョカブ』していたことから、こともあろうにイニングチェンジの際に相手ベンチに『間違って』座り、自軍のベンチ目掛けて口汚くヤジを飛ばしたり・・・。

副業として"行商"し、他チームの選手に日用品を高値で売りつけることも。『ごまかし専門のピッチャー』(ヒロオカ談)という描かれ方でした。

タブチくんとはライバルという描かれ方でしたが、現役時代の安田投手が'73年に打ち立てた『81イニング連続無四球』も、モトをたどれば当時阪神に在籍していた田淵幸一選手への敬遠四球のあとで始まり、同じ田淵幸一選手への敬遠四球で終わったことから、少なからずご縁があったということなのでしょう。

だいぶ脚色されていたものでしたが、現役のプロ野球選手を徹底的にパロディー化していたという、今だと有り得ない描写かもしれませんね。尚、現役時代に安田投手は『マンガ出演の見返り』として『映画のチケットと映画のビデオ』を貰っただけだったとか。


安田猛さん、そして同時期('71~'80年)にチームメイトだった投手・会田照夫さんも後を追う様に22日に旅立たれてしまいました(享年73)。'70年代のヤクルトの屋台骨を支えた2人の投手のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。






かつてはゼンマイ仕掛けのオモチャも出ていたという位、人気のあった"ヤスダ"投手。「がんばれ!!タブチくん!!」は、テレビアニメ化の構想もあったという。/(C)双葉社