広島被服支廠は、大正3年(1914年)に建設された施設で、陸軍兵士の軍服や軍靴などの製造と貯蔵を担うものでした。被爆直後は被爆者の臨時救護所として使用され、多くの方が亡くなりました。戦後は学校の教室や運送会社の倉庫として活用されました。この建物は、現存する国内最大級の被爆建物であり、鉄筋コンクリート造とレンガ造が複合する構造を持つ希少な建築物です。爆風により変形した鉄扉など、被爆の痕跡が残っており、広島の近代史を象徴する存在とされています。この度、国の重要文化財に指定され、秋から4棟すべての耐震工事が始まります。