必殺仕置人 大悪党のニセ涙(弐)仙八役森次浩司の名演 | 俺の命はウルトラ・アイ

必殺仕置人 大悪党のニセ涙(弐)仙八役森次浩司の名演

『必殺仕置人』第十六話「大悪党のニセ涙」

 

 放映日 昭和四十八年(1973年)八月四日

 

 のさばる悪をなんとする
 

 天の裁きは待ってはおれぬ

 

 この世の正義もあてにはならぬ

 

 闇に裁いて仕置する

 

 南無阿弥陀仏


 

 

 

 夜。

 

 祭が盛大に行われている。

 

 豪商三国屋が笑顔を浮かべている。

 

 ひょっとこの面をかぶった男が三国屋に近づく。

 

 男が三国屋を背後から刺殺した。

 

 「俺じゃねえ!」

 

 板前仙八は、役人・捕手に追求されて逃るが、捕えら

れる。

 

 同心は、仙八を拷問にかけて、三国屋殺しの犯行を

追求し、下手人として糾弾する。

 

 水責めの拷問に遭って、仙八は必死に無実を訴え

る。

 

 

 仙八は光明寺の境内で寝ていたと証言する。

 

 「何の証拠があって、あっしが殺ったって言うんす」と彼

が訴えると、同心は役人と御用提灯を見て逃げたことを

抑える。

 

 役人に見つけられて逃げたのは、博奕での前科があり

怖かったたからだと弁明するが、同心は彼を下手人と見な

して、厳しく拷問を続けた。

 

 仙八「人違いだ!俺は殺っちゃいねえんだ!」

 

 牢内で仙八は、囚人仲間の政吉達から看護を受ける。

 

 牢名主天神の小六は仙八の澄んだ瞳を見て、その真

っ直ぐな気持ちに心を打たれる。

 

  小六「仙八とか言ったな。こないだからおめえは三国屋

      を殺っちゃいねえと言ってるが、本当だな?」


 

  仙八「本当に殺っちゃいねえんです。」


 

  政吉「このまま三国屋殺しをおっ被せられて

      良くて遠島、悪く行って死罪だぜ」

 

  仙八「そいつはあんまりだ。牢名主様、そりゃ、あっしは、

      他人様に迷惑ばかりかけているろくでなしです。で

      も博奕は打っても、人殺しはしねえ。

      それにあっしには病気のおふくろがいるんです。そ

      のおふくろ明日をも知れねえ命なんです。

      牢名主様、どうか、あっしをこの牢から出してやって

      おくんなせえ!

      あっしは牢の中で見ていた。牢名主様は何時でも

      自由に出たり入ったりしていなさる。それには何か

      良い手蔓がお有りなんだと思います。その手蔓に

     縋らせてやっておくんなせえ。あっしには何一つ身の

      証の立てようがありません。お願いでございます。」

 

 仙八は二両出し、「後生一生のお願いでございます」と懇願

する。


 

 鉄・錠・主水が語り合う。

 

 「一目おふくろに会いたい」という仙八の気持ちを思い、錠は

出してやるべきだと語るが、主水は「そうはいかねえ」と奉行所

の厳しさを強調する。

 

 仙八が無実を主張しても、「殺っちゃいねえ」という証拠もな

いことも抑える。

 

 三国屋と仲間が頼母子講をしていたことを仙八が覗いていた

光景を目撃した者もいる。

 

 だが、ひょっとこの面も凶器の匕首も発見されていない。

 

 鉄「ああ嫌だ、嫌だ。奉行所はすぐに無実の者を咎人に仕立

   てやがる」


 

 主水「いい風が出た。もっと吹け、もっと吹け!」

 

 主水は風を実感してにやりと微笑む。

 

 牢内において小六は、仙八の一途な願いに応え

たいと望み、出してやると気持ちを語った。

森次さん

  

 

 仙八「本当でございますか?」

 

 小六「だが、巧く行くかはこの風次第だ。」

 

 小六は仙八だけでなく、囚人全員の解き放しを為すと宣言する。

 

 牢番に届けさせた桶を解体し、布団から綿を取り出し、「赤猫招

き」の棒を作る。

 

 中村家では、りつが知人の仲間の着物を縫って、内職している

ことの厳しさを主水に当たり散らす。

 

 牢内で小六は明暦の大火で囚人が解き放たれたことを確認し、

火事の火の粉を、「赤猫招き」の棒に当てて、牢内に火が飛び火

した事実を作り出すことが大事だと述べる。

 

 

 小六「てめえ達が出られるか、仙八がおふくろに会えるかどう

     かの瀬戸際だ!」

 

 鉄と半次は仙八の老母みつを見舞う。仙八の弟分で親友の

万造形とその妻おしずがみつの介護を献身的に為していた。


 

 みつ「仙八はどうしているでしょうか?あんな極道な息子で

    も、私にとってはたった一人の可愛い子供でございま

    す。人を殺めるなんて、あたしにはどうしても信じるこ

    とが出来ないんでございます。」

 

 半次「いや、まだ仙八さんが殺ったと決まった訳じゃない

    ですからね。」


 

 火事の火の粉は牢内に飛んできた。

 

 囚人たちは、「神様・仏様・赤猫様」と必死に火の粉を招き

棒に呼び寄せる。

 

 遂に綿に火の粉が当たり、火が点いた!

 

 囚人達は牢内に火が点いた事実を成り立たせた。

 

 

 小六「牢番!牢に火が入った!出せ!出してくれ!」

 

 主水と仲間の同心が現れる。

 

 同心は奉行の御達しとして、火事の為、囚人を三日の間

解き放ち、回向院の境内に三日後帰ってきた者には罪一等

を減じ、帰って来れなかった者は死罪に処すと宣言する。

 

 主水「よし、出ませい!」

 

 囚人達は驚喜して牢内から出た!

 

 主水「上手くいったな?」

 

 小六「あんたの悪智恵にも恐れいったぜ」

 

 主水「あそこに居る奴よりもっと悪いことしてる奴が娑婆に

    はもっとゴマンと居るんだ。」

 

 小六は仙八を追う。

 

 仙八は冷静に走り去って行く。

 

 遊里井筒において鉄と半次は遊んでいたが、囚人達のお解

放しで店終いになり、叩き出される。

 

 鉄「畜生!俺を誰だと思ってやがる!念仏の鉄を知らねえ

   な!」


 

 政吉達囚人は、仙八を追うやくざ音松の追求をかわし、井筒

を襲撃し、女郎達を襲う。

 

 勿論、無銭の遊びであり、乱暴狼藉である。

 

 遊里でも囚人達に払える金が無いことは承知しており、暗黙の

事柄として、短期間の傷として辛抱している訳だ。

 

 仙八は光明寺の墓地で土を掘り返し、壺を見つけるが中が空

であることに怒りを覚える。

 

 「畜生、万造の奴」

 

 仙八は、知人おりんから万造夫婦が自身の母みつを連れて

引っ越したことを知らされる。

 

 小六は、鉄・錠・主水の隠れ家で仙八への想いを語る。

 

 小六「俺は仙八が三国屋殺しの下手人だ思いたくねえんだ。

    餓鬼っぽい事を言うようだがな、俺は野郎を信じたいん

    だ。野郎は三国屋殺しをやっていねえ。それどころじゃ

    ねえ。一目だけでいいからおふくろに会いてえ。

    せめて半日でもいいから出して欲しいって言うんだ。

    それが嘘だったら俺が仙八を許しちゃおかねえ。」

 

 万造は風鈴売りの商売をしながら妻しずと共におみつの世話を

していた。


 

 おみつ「実の息子の仙八が極道ばっかりしているのに、あんた

      達他人がすまないねえ。」


 

 万造が表で風鈴を見て家に入った。

 

 

 ☆森次浩司の仙八役 名演☆☆


 

 第十六話「大悪党のニセ涙」は国弘威雄の脚本、森次浩司

の芸、工藤栄一の演出が輝いている。

 

 冒頭の祭の夜。

 

 三国屋の背後に近づくひょっとこ面の男が為す凶行を工藤

演出は映す。

 

 「ひょっとこの面の男の体型から見て、演じている人は森次

浩司のようだ。すると下手人は仙八なのか?」

 

 この問いを森次浩司の映像を見ているファンに投げつけて

その心を離さない。「下手人役者は森次浩司に似てる」とい

うことを冒頭三国屋殺しのシーンで見せつつ、ひょっとこの面

を付けている人物は誰かはわからないままミスリアスにドラマ

歩む。

 

 演出には粘り強さと吸引力がある。

 

 工藤栄一は昭和四年(1929年)七月十七日北海道生まれ。

 昭和三十八年十二月七日に公開された東映京都制作の映

画『十三人の刺客』は集団抗争時代劇の大傑作であり、暗殺

者の行為が虐げられた者達の恨みを晴らすという物語を明か

した。

 

 

 『光と影 映画監督工藤栄一』(インタビュアーダーティ工藤

平成十四年五月一日発行 ワイズ出版)における工藤栄一が

讃えた名画と『必殺仕置人』についての方針を尋ねたい。

 

 

    エリッヒ・フォン・シュトロハイムが出演していた『大いなる

  幻影』(’37ジャン・ルノワール)なんかよかったな(44頁)

 

  当時は殺しの場面とかの表現規制もそんなにうるさくな  

  かったから、俺は好き勝手にやってたね(163頁)

 

 国境を越えた友情や恋を引き裂く戦争を悲しみ永遠平和

を願う『大いなる幻影』を讃えている。

 

 工藤栄一にとっては「好き勝手にやっ」た『必殺仕置人』は

視聴者にとっては命を熱くしてくれるドラマである。

 

 監督、カッコいい。大傑作を探求し演出発表しても驕らず

「好き勝手」にやったと語る。粋だねえ。

 

 ゲストの森次浩司は放映時三十歳の若さであった。

 

 森次は昭和十八年(1943年)三月十五日北海道滝川氏に

生まれた。本名を森次浩三と申し上げる。

 

 昭和四十二年(1967年)十月一日から四十三年(1968年)九

月八日にTBS系で放送された円谷プロ制作のドラマ『ウルトラ

セブン』全四十九話において主人公モロボシ・ダン・薩摩次郎

(第十七話)・ウルトラセブンの声を熱演してスターになった。

 

 山内久司はダンの繊細で暖かく優しいイメージに着目し森

次浩司を抜擢したのであろう。


 

 北海道出身の監督・ゲスト名優が組んだ不滅の傑作が本第

十六話である。

 

 『必殺仕置人』の主役・主演は勿論念仏の鉄役山﨑努であ

る。

 第十六話はその鉄が注意した若者仙八の存在感が大きく、

ドラマは彼を軸に展開する。

 

 仙八が御用提灯を見て逃げ取り押さえられる場面のアク

ション演出は凄まじい。

  

 伊藤大輔監督の無声映画のように誤用提灯が威圧感を

以て迫ってくる。

 

 牢内で同心が仙八を水責めの拷問にかけるシーンで、ス

ローモーションのキャメラワークで工藤演出は物語を語る。

 

 ゆっくりとしたキャメラの動きで、残酷な拷問のシーンが静

かに語られる。視聴者は仙八の痛みを思い同情する。

 

 

 「仙八は無実の罪なのではないか?」という思いが抑え難

い。

 

 厳しい同心役を演じる方は、アメーバブロガーの名優森章

二である。

 

 牢内で小六に哀願する仙八の言葉には真実の叫びと思

える程の迫力がある。

 

 小六にとって、心の琴線に触れるものがあり、仙八の「母に

会いたい」という涙ながらの訴えに応えたいという気持ちに、

視聴者の胸も熱くなる。

 

 囚人仲間が仙八を支え励まして絆が熱くなっていく過程も

感動的だ。

 

 仙八が格子から娑婆を思い、おみねの病床が映る。

 

 母子の心と心が呼応して篤い絆がある。

 

 工藤演出は繊細である。

 

 三田一枝は工藤栄一監督テレビドラマ『大岡越前』「天一坊

事件 後篇」(昭和四十五年九月二十一日放送 脚本加藤泰)

において老女お三役で重厚な存在感を示された。

 

 宝沢少年に甘えられて思わず「いやらしい」と突き放し、逆

上された宝沢少年に絞殺されてしまう。宝沢後の天一坊は徳

川吉宗の実子ではないという設定なのだが、吉宗の側室の母

であったお三ばあさんに宝沢少年は本能的に祖母と感じた。

 このエピソードは宝沢が祖母と感じたお三を自ら殺してしまう

という残酷なものだが、「宝沢は吉宗の御落胤かもしれない」と

いう視聴者の問いを決定付けている。

 

 工藤栄一監督はピンク色にフィルムを染色したのだろうか?

妖しさいっぱいの名場面である。

 

 宝沢を演じた人は、後に『必殺仕掛人』で櫓の万吉を演じる

太田博之である。

 

 孫かもしれない宝沢に絞殺されるお三ばあさんの悲劇を演じ

た三田一枝は、今回愛息仙八の非道に泣かされる母を熱演す

る。

 

 鉄が井筒で遊んでいて、追い出されるシーンも印象的だ。

 

 「念仏の鉄を知らねえな!」の激怒の声も迫力がある。

 

 生き甲斐を奪われた鉄の怒りである。

 

 こうした「笑い」の探求に、初期「必殺」の脚本・演出の鋭さが

光っている。


 

 政吉達囚人が井筒を急襲して女郎達に襲いかかるシーンに

工藤演出の群衆の激動を見つめる視座があると思う。

 

 惨たらしい乱暴狼藉だが、本能に帰って生きる人間の赤裸々

な姿を見つめるリアル感がある。

 

 

 西田良が女郎を押し倒してしがみつくシーンで政吉の本能の

凄まじさを熱く表す。

 

 ウィキペディアには、西田良は令和二年(2020年)一月二日

に八十歳で亡くなったという訃報が載っている。ツィッターにお

いても西田良の訃報が書かれている。

 

 日本映画・テレビにおいて重厚な存在感を示された大名優

である。

 

 政吉は仲間仙八には優しいが暴れ者の囚人である。女郎

を押し倒すシーンの満面の笑顔が忘れられない。

 

 

 夜の光明寺の仙八の怒りに、視聴者は、「ひょっとして」という

思いを感じる。

 

 

 万造は優しくおしずを介護し、風鈴の商売をしている。

 

 津坂浩史は津坂匡章後の秋野太作の実弟である。生真面目

で繊細な万造の魅力を鮮やかに伝えてくれた。

 

 『大悪党のニセ涙』は津坂兄弟出演の貴重な回である。

 

 風鈴の音の後に、万造が何者かに背後から蹴られる。

 

 『必殺シリーズ』において風鈴は詩情のように響く。

 

 万造を蹴った人物は誰か?

 

 BS朝日での再放送が近いのでこの記事では秘める。

 

 

必殺仕置人 大悪党のニセ涙

 (こちらの記事では結末迄言及しています。未見の方は当記

事はともかくリンク先記事は、本篇視聴前には読まないで下さ

い。本篇をご覧になってからご一読頂きますよう重ねてお願い

申し上げます。)

 

 森次浩司の仙八役は強烈な印象を与えてくれる。当時視聴

した少年たちは驚きの余り泣いた。

 

 子供達の涙を呼んだということで、森次浩司は視聴者の児

童が見る時間帯でどのような役を勤めるか慎重に検討する

ようになったという。

 

 翌年(1974年)四月十二日スタートのTBS・円谷プロダクシ

ョン製作のテレビドラマ『ウルトラマンレオ』において主人公

おゝとりげ(おおとりげん)を鍛えるMAC隊長川上鉄太郎役

でオファーを受けたが、森次晃嗣はモロボシ・ダン以外の役

に出演することに悩み、円谷プロダクションはダン役でオファ

ーを為した。

 双子怪獣レッドギラス・ブラックギラス・マグマ星人に虐待

され変身能力を失うという設定になり、第一話タイトルは「セ

ブンが死ぬ時!東京は沈没する!」と決まった。当時の児童

対象雑誌でもウルトラセブンは倒され、モロボシ・ダンは変身

能力のない隊長として登場するということは伝えられていた。

 当時六歳だったわたくしは深い悲しみを覚え、人目も顧みず

号泣してしまった。

 子供心に『ウルトラマンレオ』脚本の強引とも言える急転開

と暗いムードに乗れなかった。

 

 昭和四十五年(1970年)に第一期ウルトラシリーズの再放

送を見て、流れを学び、昭和四十六年(1971年)『帰ってきた

ウルトラマン』からリアルタイムで視聴していた私は児童で

あったものの、第一期ウルトラシリーズの熱きドラマのファン

だった。

 第二期ウルトラシリーズも勿論ファンではあったが、『ウルト

ラマンレオ』第四十話「恐怖の円盤シリーズ!MAC全滅!

円盤は生物だった!」においてモロボシ・ダンが生死不明に

なるドラマの落胆した。この時は挫折感のような気持ちはあ

ったが涙はなく空しさが残った。

 最終回までウルトラセブンの復活は無かった。資料によっ

ては、第四十話でダンは死亡したのではないかとする表記

も当時あったのである。

 

 今にして思えば、『ウルトラマンレオ』の残酷なドラマは、

幼いわたくしに「思い通りにならないこと」があることを教

えてくれた。当時は児童で分からなかった。

 

 時しも川上哲治監督率いる読売ジャイアンツが完全優

勝日本一九年連続を達成していた。

 川上鉄太郎の役名は川上哲治監督(当時)を意識した

ものだろう。

 その設定に難色を示してでも、森次晃嗣はダンを演じる

ことに燃えていた。

 

 今ではその気持ちを想像するが、1974年当時は当方

児童でヒステリーを起こし、セブンが双子怪獣・マグマ

星人に嬲り物にされるドラマを描く漫画を破るという荒っ

ぽいことしかできなかった。

 

 今日初めて皆様に申し上げるが、『ザ☆ウルトラマン』

『ウルトラマン80』に対して自分は燃えるものが無かった。

 スタッフ・キャストに対して、失礼だったと思う。

 

 だが、「モロボシ・ダン/ウルトラセブンは『ウルトマンレ

オ』で死んだ(当時はそう見た雑誌意見は多かった)」と

いうことは、「ウルトラの新作はもういいです」という嘆き

まで私の胸に呼び起こしたのである。

 

 森次晃嗣のダン役への愛着が分かっていなかった

わたくしは自棄のような気持ちになっていたのかもし

れない。

 

 『ウルトラマンレオ』ダン設定についての意見が多くな

ったので話題を元に戻そう。

 

 工藤栄一監督の演出は心に残るカットが多い。

 

 牢屋の炎は鮮烈だった。囚人達の抱えるストレスに

対する怒りや抵抗とも呼応する。

 

 朝日は仙八や老母おみつや友万造の緊張感と照応

している。

 

 回向院の囚人集結シーンは夏の季節と思われるが、

静かな境内に荒くれ男達がアクションを繰り広げる。

 

 このコントラストは絶妙である。

 

 母みつや友万造との再会を果たした仙八と小六親分

の再会シーンも忘れられない。

 

 森次晃嗣はその後も児童達の視聴時間を考慮に入

れながら慎重に役を選んだ。

 

 多彩な役柄に挑戦し豊かな芸を示された。

 

 偉大な芸道において仙八役の存在感は圧巻である。

 

 映画『仁義なき戦い 広島死闘篇』(昭和四十八年四

月二十八日公開)の千葉真一(JJサニー千葉 和千永

倫道)の大友勝利。

 

 『必殺仕置人』「人間のクズやお払い」の黒沢年男後の

黒沢年雄の政五郎。

 

 当時のヒーロースタアたちは挑戦し新たな当たり役を発表

した。

 

 近くは上林成浩役で鈴木亮平が凄まじさを見せ観客を

驚嘆させた。

 

 森次浩司の仙八役は昭和四十八年(1973年)同時代・

令和三年(2021年)現代の名優と共に日本映像史に刻ま

れる名演である。

 

 ◎

 本日令和三年(2021年)九月二十三日十六時

 時代劇専門チャンネルは『新必殺仕置人』第十

九話「元締無用」(脚本村尾昭 監督工藤栄一)を

放送した

 仕置人弥八と娘おしんと元締虎三者の絆を語

る大傑作である。

 本日工藤栄一監督の大傑作を放送した時代劇

専門チャンネルに敬意を表します。

 ◎

 森次浩司後の森次晃嗣主演『ウルトラセブン』第

二十八話「サイボーグ作戦」は二十六日午前八時

NHKBSプレミアムにおいて放送されます。

 ◎

 

 ほんくげぬま

jjori シャポー

jori chapeau

                            

                            文中敬称略

 キャスト
 

 山崎努(念仏の鉄)

 

 

 沖雅也(棺桶の錠)


 

 白木万理(中村りつ)


 

 森次浩司(仙八)


 

 津坂浩史(万造)


 

 西田良(政吉)

 伝法三千雄(源太)

 千代田進一(貞次郎)

 

 

 津坂匡章(おひろめの半次)

 

 

 京春上(おしず)

 香月京子(おりん)

 三田一枝(みつ)

 

 森章二(同心)

 芦田鉄雄(音松)

 徳田実(伝七)

 

 岩田正(三国屋)

 三ツ屋東美(仲居)

 高木峯子(遣り手婆)

 

 

 高松英郎(天神の小六)

 

 

 藤田まこと(中村主水)



 

 スタッフ

 

 制作      山内久司

          仲川利久

          桜井洋三

 

 脚本      國弘威雄

 

 音楽      平尾昌晃

 撮影      小辻昭三

 

 美術      倉橋利韶

 照明      中島利男

 録音      二見貞行

 調音      本田文人

 編集      園井弘一

 

 助監督    高坂幸光

 装飾     稲川兼三

 記録     野口多喜子

 進行     黒田満重

 特技     宍戸大全

 

 装置     新映美術工芸

 床山結髪  八木かつら

 衣装     松竹衣装

 現像     東洋現像所

 

 制作主任  渡辺寿男

 殺陣     美山晋八

 題字     糸見溪南

 

 

 ナレーター  芥川隆行

 

 オープニングナレーション作 早坂暁

 エンディングナレーション作 野上龍雄

 予告篇ナレーション      野島一郎

 

 制作協力   京都映画株式会社

 

 

 主題歌 「やがて愛の日が」

 作詞   茜まさお

 作曲   平尾昌晃

 編曲   竜崎孝路

 唄    三井由美子

 ビクターレコード

 

 

 ナレーター  芥川隆行

 

 監督      工藤栄一

 

 制作      朝日放送

          松竹株式会社

 

 ☆

 山崎努=山﨑努

 

 

 白木万理=松島恭子=白木マリ

 

 

 森次浩司→森次晃嗣

 

 津坂匡章=津坂まさあき→秋野太作

 

 平尾昌晃=平尾昌章

 

 

 高坂幸光→高坂光幸の誤記と思われる

 

 

 早坂暁・野上龍雄・野島一郎はノークレジット

 ☆


 画像出典     『必殺仕置人』DVD vol.5
 

                   文中敬称略

              

         

 

                  南無阿弥陀仏

 

 

藤田主水