10月20日、いたみホールで行われた『再稼働撤回・原発ゼロへ!1000人集会』
たくさんの市民団体のアピールより、2つめの団体の報告です。
②関西*母と科学者の会所属のお母さんより
発表されたのは、関東から関西へ避難してこられたお母さんです。
ディズニーランドから車で10分くらいのところに住んでいたそうですが、原発の事故の後、子供さんの体調が思わしくなく、関西へ避難してこられました。
「昨年3月11日の事故の直後、3月13日にいったん関西に避難しましたが、 5月の連休明けに自宅に戻りました。そうしたところ、娘が
「毎日誰かが鼻血を出したり、げぼ(嘔吐)したりするから、先生、たいへんなんだよー」
と幼稚園の様子を教えてくれました。
また引っ越しのため、7月にその幼稚園でお別れ会をしてくれたのですが、
そのときも半数の子どもが欠席、楽しみにしていた夏祭りでも年少さんは半数の子どもが欠席でした。
娘自身もリンパ節が腫れたり、生まれて初めて虫歯が一度に5本もできたり、下痢が続いたり、口内炎ができたり、咳が続いたりしました」
ディズニーランドの近くでこんな状態です。
福島原発にもっと近い地域では、いったい子供たちの体にどんな異変が起こって いたのでしょう?
そしてほとんどのマスコミはこのような事実をまったくと言っていいほど伝えていません。
「原発は多くのものを引き裂きます。
原発は地域を引き裂きます。
原発は子供たちの遺伝子を引き裂きます。
母親の母乳からもかつてないほどのセシウムが検出されています。
人間は、お母さんの子宮やおっぱいや卵子が傷つけられたり汚されたりしたら、 生きていくことができないのです。
滅亡するのです。
そして原発は家族も引き裂きます。
わたしは、夫を東京に残し、 子供を連れて関西へ避難してきました。
夫には1週間分のお弁当を作って、毎週末に送っています」
大切な家族がばらばらになってしまう、こんな辛い出来事も、残念なことに日本ではもう珍しいことではなくなってしまいました。
心に重く響くお話でした。
ブログに掲載させていただくにあたり、内容に間違いがないかどうかご本人に確認の連絡をとったところ、関西への避難にはさらなる紆余曲折があったころを教えていただきました。
「実は、昨年7月に夫の両親が住む長野市内の実家に引っ越しました。
しかし、そこでも子どもの様子はよくならず、喘息を生まれて初めて発症するなどしたため 庭の土壌を測ったところ、キログラムあたり400ベクレル(26000Bq/㎡)(参考1の*1参照)も検出されてしまったので、 また関西へ2度目の引っ越しをすることになったのです。
5センチの深さで掘って、400ベクレルというのは、放射線管理区域の3分の2くらいにあたります。
その後、何度か長野に行きましたが、そのたびに娘のリンパ節が腫れるので、もうおばあちゃんたちのうちに行くことさえ厳しいかもしれません。」
原発から遠く離れた長野でもこんなことが起こっているのです。
[参考1]
日本ではおおよそ4万Bq/㎡を超える地域は放射線管理区域です。
チェルノブイリでは 3万7000Bq/㎡以上が放射線管理区域に指定されています。
京都大学原子炉実験所の小出先生は、1万Bq/㎡を超える場所には、自分なら足を踏み入れたくないと発言しています。
東京都江戸川区東葛西(江戸川を挟んでちょうどディズニーランドの向かい側)、臨海町の線量
http://doc.radiationdefense.jp/dojyou1.pdf
(Cs=セシウム)
採取日 採取場所 採取住所 Cs134 Cs137 Cs合計 Cs合計
(Bq/kg) (Bq/㎡)*1
2011.06.14 植え込み 江戸川区東葛西 334 397 731 47,515
2011.06.03 植え込み 江戸川区臨海町 1,571 2,122 3,693 240,045
*1 原子力安全委員会によると、Bq/kgからBq/㎡に換算するには、65をかける
東京ディズニーランドのある千葉県浦安市の線量
http://www.bq-check.jp/各地の土壌測定結果/
土の測定結果一覧(単位:Bq/kg) Cs137 Cs134 合計
当代島 公園 1,096 648 1,744
弁天 4丁目 弁天ふれあいの森公園 1,094 719 1,813
堀江 5丁目 ロケット公園(表土2cm) 236 148 384
堀江 5丁目 弁財公園(表土2cm) 1,364 898 2,262
堀江 5丁目 一区公園/砂場(表土2cm) 400 246 646
堀江 ロケット公園 873 571 1,444
堀江 一区児童公園 1,037 704 1,741
弁天ふれあいの森(砂) 23 ND<8.9 30
墓地公園植込み 1,880 1,193 3,073
(×65=19万9745Bq/㎡)
北栄第二児童公園植込み 18,385 11,072 29,457
(×65=191万4705Bq/㎡)
高洲中央公園植込み 531 335 866
堀江 5丁目 民家(表土2cm) 239 187 426
[参考2]
チェルノブイリの区分
148万Bq/㎡ 以上 強制避難区域 直ちに強制避難、立ち入り禁止
55万5000Bq/㎡以上 一時移住区域 義務的移住区域
18万5000Bq/㎡以上 希望移住区域 移住の権利が認められる
3万7000Bq/㎡以上 放射線管理区域 不必要な被ばくを防止するために設けられる区域
[参考3]
上のデータでもおわかりのように、放射能汚染はまだら状にひろがり、測定する場所によりムラがあります。
次に紹介するのは同じ千葉県内や茨城県で確認された汚染ですが、一点測定ではなく、かなり多くの測定ポイント設け、その統計を出しています*2。
千葉や茨城県でも場所によりものすごい汚染が広がっていることがよくわかります。
*2 調査方法
市町を1km四方のメッシュで区分けします。
各メッシュから1ヶ所土壌を採取し、セシウムの沈着量を調査します。
※同じメッシュ内でも、土壌を採取する場所によってセシウムの沈着量は変わってきます。
調査結果は、あくまでも目安としてお考えください。
常総生活協同組合 土壌沈着量調査結果(驚くべき深刻な汚染です。ぜひご覧ください)
http://www.coop-joso.jp/radioactivity/result_soil.html#result
たとえば、千葉県流山市の場合
総メッシュ数 検査済メッシュ数 検査率 4万bq/m²以上 4万bq/m²以上の%
81 64 79.0% 53メッシュ 82.8%
検査済み測定ポイント64か所のうち、53か所で4万bq/m²を超えており(!)、その比率は82.8%にあたるということです。
地図で見ると、赤(15万bq/m²超え(!))やピンク(10万bq/m²超え)の地域が数多く点在しています。
http://www.coop-joso.jp/radioactivity/result_soil.html#nagareyama