臣の不信は、これ足下の福(さいわい)なり『戦国策』 | 日日是好日のブログ

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団塊世代、毎日が日曜日となり晴耕雨読の生活に入ったのを機に、学びは生涯現役でありたいと始めたもので、生活の一部を切り取っていきたい。

 臣の不信は、これ足下の福(さいわい)なり『戦国策』

 弁舌ひとつで大物政治家にのしあがった蘇秦が、中傷を信じてかれを遠ざけようとした王に向かっていったことば、「わたしが信用ならぬ男だからこそ、あなたにとっては好都合な存在なのだ」というのである。居直りとも受け取られかねないところだが、一面の真実をついている。つまり、曲者といわれるぐらいのほうが仕事ができる、というのが蘇秦のいいぶんなのである。いかに品行方正な人格者でも、仕事の能力がゼロとでは、戦国の乱世を乗り切ることはできない。蘇秦は、無能な側近たちが王に中傷したさいのセリフを逆手にとって切り返したのであった。(丹羽 隼兵著「中国古典の名言」より)