風起花抄~宮廷に咲く琉璃色の恋~

 

 

 

第16話 皇太子の賭け
阿碧と刺繍の腕前を勝負することになった豆子。皆が注目する中、豆子はなかなか針を動かそうとしない。阿碧が完成させた花の刺繍は実物かと見まごうほどの見事な出来ばえだった。感嘆する宮女たちは、豆子の完成させた刺繍を見て更に驚く。ある日、市場で糸を買う役目を与えられた豆子は皇宮を出る。『安宅』で、久しぶりの再会を喜ぶ豆子と阿霓。豆子は美しく装いを凝らし、裴行倹に対する《訴状》を撤回するために、『四門学』へ向かう。

第17話 笑顔の仮面
皇太子に甲冑の運搬を知られたことに気づいた曹王は、ひそかに積荷の中身を入れ替え、皇太子が手配したかのように偽装する。皇太子は罪を着せられようとしていることを知らないまま、皇帝に甲冑の存在を奏上しようとするが、ただならぬ空気を感じ取った武媚娘に制止される。なんとしても皇太子を排除したい曹王は、皇太子を鹿狩りに誘う。身の危険を感じた皇太子は、裴行倹に同行を依頼。狩り場では案の定、罠が仕掛けられていて…。

第18話 正体のない毒
命は助かったものの、皇太子は曹王の策略で深手を負った。曹王の息がかかる『太医院』の医師は信用できないが、治療は必要だ。武才人が信頼できる医師を皇宮外から呼び寄せ、矢に毒は使われていないことが分かった。しかし、傷は薬でいったん回復し始めたものの、数日で悪化し癒える気配がない。矢に毒はなかったはずだが、その症状は毒によるもののように見える。原因を突き止めるため、裴行倹らが直接傷に触れる薬や紗布を調べると…。

第19話 東宮での腕比べ
武才人と豆子と裴行倹の連携で皇太子の傷は徐々に癒え、体力も回復してきた。しかし、再び曹王に命を狙われることのないよう、回復は内密にし、重体を装い続ける。腕比べで裴行倹が勝利を収めさえすれば、皇太子の身辺も多少安全になるはずだ。曹王が東宮に送り込もうとしている蒲巴弩は、武術の実力においては裴行倹の敵ではないが、東宮に間者を送り込む機会を曹王がみすみす手放すわけがない。腕比べは裴行倹の優勢で進んでいったが…。

第20話 惹かれ合う心
蒲巴弩との力比べに勝利した裴行倹だったが、傷を負ってしまい床につく。もうろうとした意識の中、玉児のことを心配し、彼女の名を呼び続ける裴行倹。一方、豆子(玉児)は負傷した裴行倹の無事を祈り、彼そっくりの人形を相手に自分の想いを語りかけていた。“盂蘭盆会”を控え、妃嬪たちは当日に着る衣づくりに忙しい。卓錦娘は楊妃に図案を提示するが、楊妃はどれも気に入らない。一方、武才人は自分の衣の担当者に豆子を指名する。

第21話 再会のよろこび
皇太子と酒を酌み交わして泥酔した豆子。裴行倹は介抱しながら、男女は距離を保てと説く。さらに豆子を助けるため、部下に庫狄延忠と宮中との関係を探らせる。その頃、“盂蘭盆会”で楊妃が着る衣の図柄に頭を悩ませている卓錦娘に、豆子は“百鳥朝鳳”の図を献上。それは『後宮』において楊妃が皇后と同等の地位にある存在だと誇示する意味を持つ絵柄だった。一方、武才人には花の王である牡丹の柄を提案。そのやり取りを、楊妃の間者が盗み見ていた。

第22話 百鳥朝鳳の礼服
“盂蘭盆会”の日、皆が甘露之殿に集まる中、楊妃と武才人はまだ姿を見せない。楊妃は用意した豪華な礼服を身にまとい、わざと遅れて登場することで、皇后も同然の自分の地位を皆に誇示しようと考えていた。しかし、皇帝は現れた楊妃の姿を見ると表情を険しくする。思惑は外れ、仏事に鳥の羽根を織り込んだ華美な衣で臨んだことで立場が悪くなった楊妃は、武才人も豪華な礼服を用意したことを訴え、皇帝を待たせていることを非難するが…。

第23話 皇太子の噂
“盂蘭盆会”で打撃を受けた楊妃は皇太子を倒す覚悟を新たにし、その身辺を探らせた。皇太子が豆子を特にかわいがっていることを知った楊妃は、宮中に皇太子は男色だとの噂を流す。噂を耳にした武才人や裴行倹は、豆子との接触を控えるよう忠告するが、皇太子は「やましいことは何もない」と聞く耳を持たない。今日も豆子を東宮に召すが、曹王が送り込んだ内侍は皇太子と豆子が2人きりとなる『嘉徳之殿』の香炉に何やら怪しい香を仕込んでいた。

第24話 守りたい人
裏庭で養蚕の作業をしていた皇太子。皇帝はその姿に感心し、織物の技を教えた豆子に褒賞を賜った。機嫌をよくした皇帝が楊妃や武媚娘を伴い東宮の宮殿に入ると、妙な香りが漂っている。部屋で催淫効果のある迷情香がたかれていたのだ。それを知り皇帝は激怒、皇太子を問い詰める。身に覚えがないと、弁明する皇太子。楊妃と曹王は「皇太子には男色の噂がある」と言い、迷情香をたいていたのは噂が真実である証拠だと主張する。

第25話 早朝の猫捜し
長孫皇后のために作った衣に、うっかり安氏の絶技である双面繍を施してしまった豆子。これに気がついた卓錦娘に問い詰められた豆子は、まずは命を守るため「夢の中で仙女に教わった」と言い訳をし、習った技法を卓錦娘にも教えると苦し紛れの約束をする。その頃、裴行倹への疑惑を強めた孫徳成が、豆子のために始末しようと考えていた。小順子に勧められて毒入りの汁物を飲んだ裴行倹は、体に力が入らなくなったところで、何者かに拉致されてしまう。

第26話 えき心宮での弔い
「夢で仙女に刺繍を習った」という話を聞いても半信半疑だった卓錦娘だが、豆子から「新たな刺繍を習った」と『尚服局』では教えていない技法を見せられ、「もしや」と思い始める。ある夜のこと、夢に安氏が現れてうなされた卓錦娘。おりしもその日は安氏の命日だ。豆子の話が一気に信憑性を帯び、安氏が自分を恨んでいると恐れた卓錦娘は霊がいるというえき心宮へ弔いに出かける。しかし、その時、えき心宮では豆子が好物をそなえて母を弔っていた。

第27話 “天下第一針”を懸けた戦い
“金針”を手に入れた卓錦娘は儀式を執り行い、“天下第一針”の称号を名乗ろうとした。納得がいかない豆子は、「金針を持つ者が“天下第一針”を名乗るのではなく、一番の腕を持つ者が金針と称号を得るべきだ」と卓錦娘に腕比べを挑み、金針を取り戻そうとする。第1戦の染めのお題は「赤」だ。しかし卓錦娘が手を回したため、豆子が材料庫で受け取った紫膠は、しけっていて鮮やかな色が出ず、在庫はないという。そこで、豆子は東宮に向かうと…。

第28話8 哀しき代償
楊妃と曹王の指示を裏で受けた純陽散人が、皇帝・李世民の前で唐の未来を占う。神からのお告げは「唐は3代続いたのち、武氏の女が主となる」というものだった。その内容に衝撃を受ける皇帝。武媚娘は、皇帝が自分を亡き者にするだろうと予測する。それを知った裴行倹は、武媚娘の命を救うため、ある策を授けるが…。一方、豆子と卓錦娘は、腕比べの第2戦に向けて準備をしていた。卓錦娘は豆子がどんな裙子を作るか探ろうとする。

第29話 恩人への誓い
豆子と卓錦娘との腕試し第2戦当日。豆子は阿碧たちによって部屋に閉じ込められ、会場に行くことができずに負けてしまう。何とか抜け出した豆子は、命を守るために出家の道を選んだ武媚娘に会うため『咸池殿』へ向かう。生きていることが幸せだと語る武媚娘は、自分に仕えて『咸池殿』で穏やかな日々を送ろうと豆子を誘う。しかし豆子は、母親の敵を討つため、憎き卓錦娘を負かさなければいけないと決意を語る。そして腕比べの第3戦に臨むが…。

第30話 奪われた称号
鄧七娘は豆子が閉じ込められた密室を発見し救い出そうとするが、豆子はかたくなに逃げないと言い張る。豆子の身を案じる鄧七娘に、「ここにいても卓錦娘を負かすことができる」と豆子は、ある物を用意させるが…。一方、皇帝の命がもう長くないと知った曹王は焦っていた。このまま皇帝が崩御すれば皇太子の李治が即位し、敵対していた自分を生かしておくとは思えない。瀬戸際に立った曹王は、皇帝を毒殺し、その罪を皇太子に着せようと考える。


 

参考

キヤスト
あらすじ1 第1話~第15話
あらすじ2 第16話~第30話
あらすじ3 第31話~最終話