風起花抄~宮廷に咲く琉璃色の恋~

 


宮廷ラブ史劇! 

唐の第2代皇帝・李世民の時代、かつて宮廷で刺繍と服作りの匠として活躍した安氏は名声を隠して、街でひっそりと娘の琉璃と暮らしていた。 しかし、昔の弟子に謀られ、琉璃を宮中の旧友に預け、自ら死を選ぶことに…。

第1話 金針の因縁
唐の貞観11年、宮中では楊妃が新皇后に封ぜられるという噂が流れていた。これまで楊妃を軽んじてきた林尚服は『尚服局』への風当たりが強くなることを恐れて頭を痛めていた。卓錦娘は林尚服に、皇后の冊封の儀の際に着用する褘衣を贈って楊妃に取り入れば過去の無礼も帳消しになると進言するが、楊妃の歓心を買えるほどの褘衣を作れる者は今の『尚服局』にはいなかった。卓錦娘は林尚服に命じられ、師匠であり刺繍の達人である安氏の元を訪れるが…。

第2話 母娘の別れ
安氏は約束どおり褘衣の刺繍を直して卓錦娘に手渡した。見事なキ衣を手にした卓錦娘と林尚服は意気揚々と楊妃の元を訪れ、尚服局からの贈り物として褘衣を楊妃に献上しようとする。しかし、そこへ皇帝・李世民が現れた。皇后に冊封するとの《聖旨》も下されぬうちに、楊妃が皇后の褘衣を作らせていたと誤解した皇帝は憤り、楊妃は誤解を晴らすために自害しようとする。責任を追及された卓錦娘は苦し紛れに、褘衣を作らせたのは安氏だと嘘をつく。

第3話 欲望の成就
安氏は娘の琉璃を孫徳成に託し、娘や孫徳成らを守るため自分は自害した。琉璃は豆子と名を変えて素性や性別を隠し、宮中の『不禄院』で孫徳成の弟子として暮らす。防疫のため骸の消毒をする医官として働く豆子は、母の死の事情を知らず、母譲りの刺繍と裁縫の腕前を見せては孫徳成に注意される日々だった。ある日、豆子が落とした安氏の形見の巾着を『尚服局』の鄧七娘が拾う。卓錦娘は弟子の鄧七娘が美しい巾着を持っているのを見ると、出どころを追及し始めて…。

第4話 皇宮からの逃走
武才人の協力を得て、巾着の件は何とかごまかすことができたと思ったのもつかの間、豆子が狄才人に死に装束を贈った話を聞いた卓錦娘は、豆子と武才人が口裏を合わせたのではと疑うと同時に、豆子は裁縫が得意なことを知ってしまう。素性を探るため、卓錦娘は豆子を『不禄院』から『尚服局』に引き抜こうとする。危険を感じた孫徳成は、「琉璃が18歳になったら皇宮を出す」という安氏との約束を繰り上げて、豆子を『皇宮』から逃がそうとするが…。

第5話 再会の光と影
11年ぶりにあった父親に親子の名乗りを拒絶された琉璃は、客のふりをして『如意衣装店』を訪れた。伯父に迷惑をかけないよう名乗らず店を去る琉璃だったが、安四郎は客が琉璃だと気づくと急いで後を追う。再会を心から喜ぶ安四郎は一緒に暮らそうと言うが、伯父を罪人である自分の巻き添えにすることを恐れた琉璃は、母の遺言どおり【西州】に行くことを望む。【西州】に行くめどが立つまでは玉児と名を変えて、店を預かる阿霓と暮らすことになった。

第6話 失われた財物
琉璃は紛失した包みを『四門学』へ受け取りに行くが、包みを持って出てきたのは河東公の世子の友人の1人だった。嫌がらせをして返してくれないだろうと考えた琉璃は、とっさの機転で顔を隠して無事につつみを受け取る。しかし、包みを開くと中身は石ころだった。裴行倹が中身をすり替えたのだと考え、『四門学』に引き返えした琉璃。しかし、裴行倹は罪を認めようとはせず、逆に琉璃こそが因縁をつけて自分に銭をたかろうとしていると主張する。

第7話 予期せぬ求婚劇
玉児は『如意衣装店』の絵師として“花闘宴”に出かけた。しかし、そこで顔を合わせた庫狄珊瑚が着ていたのは、なんと玉児が『都尉府』の女主人・崔氏に作ったのとうり二つの衣装だった。玉児の機転で気まずい空気は解消されたが、恥をかかされたうえに縁談の望みが消えたと感じた珊瑚は玉児が側室に選ばれないよう、わざと転ばせて嫌がらせをする。玉の輿の夢が消えて、不機嫌に家に戻る珊瑚。しかし、『庫狄宅』には思いもかけない縁談が持ち込まれていた。

第8話 結納合戦
『庫狄家』に申し込まれた縁談の相手が実は『如意衣装店』の絵師で琉璃だと知った曹氏は店に乗り込むと琉璃に散々悪態をつく。曹氏の理不尽な言い分や脅しに怒りを覚えながらも、琉璃は家族として問題の解決を約束する。解決法を考える琉璃は、偶然店に居合わせた裴行倹が「頼みがあるなら屋敷まで来い」と言って去ったことから、裴行倹は裴炎と裴如琢の友人であることに思い至った。その夜、『裴宅』を訪ねた琉璃は、ある取り引きを持ちかける。

第9話 善なる謀
瑠璃と阿霓の『如意衣装店』、曹氏と珊瑚の『曹記衣装店』。2つの店の対立が明確になった。どちらの店も“胡商大会”での優勝を目指す。曹氏の甥・曹吾は阿霓に首ったけで、商売敵の『如意衣裳店』に味方しようとする。『宮廷』では皇帝の体調が回復したものの、皇帝と皇太子の関係は冷え切ったままだった。曹王は好機とばかり、皇帝と皇太子を離反させようとする。皇太子への不信感を深める皇帝は、皇太子を召喚する。武媚娘は、参内する皇太子に策を授ける。

第10話 『曹記衣裳店』の策略
『四門学』の倉庫に荷が運び込まれた。ただの《巻紙》を兵部が護送するというものものしさはかつてない。“科挙改革”を阻止しようとする曹王が陰で動いていると考えた裴行倹は、荷の中に何かあると見て探り始める。一方、縁談の解決と引き換えに《狩猟図》を完成させた玉児は、改めて裴行倹に財物を返せと要求するが、裴行倹は「とっていない物は返せない」の一点張りだ。そこで琉璃は裴行倹が盗みを働いたとの《訴状》を書いて、『四門学』の助教に裁きを訴える。

第11話 忍び寄る謀反の影
裴行倹が衣を取り戻してくれたおかげで、『如意衣装店』は無事に衣を“胡商大会”に出品し一等を獲得できた。裴行倹に感謝しつつも、「とられた財物は改めて取り戻す」といきまく琉璃。しかし内心では、もしかすると裴行倹に濡れ衣を着せているのではと不安になり始めている。一方、宮中では卓錦娘の指示により小順子が厳しい拷問を受けていた。水も睡眠時間も与えられず心身共に衰弱しきった小順子は、ついに豆子が皇宮の外に出たことを明かしてしまう。

第12話 知られた秘密
“豆子”の手配書が街中に貼られた。玉児は医官姿で、裴行倹と『楼閣』で話していた。「皇宮へ入るため、腰牌を貸してほしい」と言う裴行倹。そこへ“豆子”を捕らえに来た捕吏たちがやってくる。絶体絶命の玉児に対し、裴行倹は「腰牌を貸すなら、脱出を助けよう」と言う。やむなく、取り引きに応じる玉児。裴行倹は玉児を抱え、馬に乗って逃げる。無事に逃走できたものの、玉児は自分の体に触れた裴行倹に、女であることを知られてしまう。

第13話 師匠の思い
孫内侍と小順子を救うため、玉児は豆医官の衣に着替えて自首する。捕らわれた玉児のもとに卓錦娘がやってきて、裁縫と刺繍の技を誰から習ったのか聞き出そうとするが、正体を明かせない玉児は、《奇書》の絵柄から学んだとはぐらかす。釈放されて『不禄院』に戻った小順子は、孫内侍と口を利こうとしない。見捨てられたと思い込んでいる小順子の心を開こうとする孫内侍だが…。その頃、裴行倹と阿霓は、玉児を救い出すため、ある者に目をつけていた。

第14話 刺繍に隠された文字
武才人は腰当てを『尚服局』に作らせ、刺繍は豆医官を指名したが、豆子は『掖庭』に捕らわれている。『掖庭』の豆子は早く皇太子に身の危険を伝えなければと焦っていた。鄧七娘に協力を頼むが、鄧七娘も皇太子に直接伝えるすべはなかった。そこで鄧七娘は腰当ての仕事を卓錦娘から引き受けると、『掖庭』の豆子に仕上げさせて、完成品を武才人に届けた。出来栄えに満足した武才人に豆子の作であることを伝える鄧七娘。改めて武才人が刺繍をよく見ると、そこには…。

第15話 『尚服局』へ
魏林は卓錦娘の命を受けて、『掖庭』の豆子に毒入りの桂花コウを届けた。しかし、桂花コウを預かった獄卒は豆子に渡さず食べてしまう。豆子が命をも顧みず我が身の危険を知らせてくれたと知った皇太子は、掖庭へ豆子を救い出しにやってくるが、その折りに桂花コウを盗み食いした獄卒が急死してしまった。差し入れをした者が明らかになるのは時間の問題だ。豆子の毒殺を命じたことが発覚するのを恐れた卓錦娘は、魏林を連れて潘秦海の元へ向かうと…。

 

参考

キヤスト
あらすじ1 第1話~第15話
あらすじ2 第16話~第30話
あらすじ3 第31話~最終話