4月19日の大規模プロミネンスについて、時間を追って撮影したので掲示します。
後段には、PSTによるお気軽撮影について記しました。
最初に大きなプロミネンスを目撃して、慌てて撮影を開始してから、約2時間半おきに3枚の画像をえました。
規模が大きいだけに、激しい変化を示しました。
偶然目撃でき、よい記憶として残せたかと思います。
4月19日の太陽(Hα光による):大きなプロミネンス出現(10:33)
2024年4月19日10:33コロナドPST(口径40㎜:f10) Celestron8-24㎜(12㎜)zoomアイピースによるコリメート canon PowerShot S120 ISO800 1/13秒 10mm(35㎜換算46mm)f3.5 固定撮影(スコープテック・アトラス用経緯台) Microsoft フォトで調整・トリミング
4月19日の太陽(Hα光による):大きなプロミネンス出現(12:59 約2時間半後)
2024年4月19日12:59 コロナドPST(口径40㎜:f10) Celestron8-24㎜(12㎜)zoomアイピースによるコリメート canon PowerShot S120 ISO800 1/13秒 11mm(35㎜換算50mm)f3.5 固定撮影(スコープテック・アトラス用経緯台) Microsoft フォトで調整・トリミング
4月19日の太陽(Hα光による):大きなプロミネンス出現(15:45 約5時間後)
2024年4月19日15:45 コロナドPST(口径40㎜:f10) Celestron8-24㎜(12㎜)zoomアイピースによるコリメート canon PowerShot S120 ISO800 1/10秒 11mm(35㎜換算50mm)f3.5 固定撮影(スコープテック・アトラス用経緯台) Microsoft フォトで調整・トリミング
上記撮影画像の調整バランスを変えた4月19日の太陽(10:33)
上記撮影画像の調整バランスを変えた4月19日の太陽(12:59)
上記撮影画像の調整バランスを変えた4月19日の太陽(15:45)
黒点記録は、最後の時間帯に撮影した1枚を掲載します。
PSTの透過光幅を調整し撮影した「黒点」(15:50)
2024年4月19日15:50 コロナドPST(口径40㎜:f10) Celestron8-24㎜(12㎜)zoomアイピースによるコリメート canon PowerShot S120 ISO800 1/15秒 11mm(35㎜換算50mm)f3.5 固定撮影(スコープテック・アトラス用経緯台) Microsoft フォトで調整・トリミング
ここまで枚数が増えるとお気軽を超えてしまい、多少疲れてきました。
拡大撮影を楽しんだ画像は後日また。
お気軽な撮影方法について記します。
うまくは撮影できてはいませんが、レベルは低くとも自分なりに楽しく続けられているところが、良いところだと思っています。
現在の撮影法はルーチン化していて、望遠鏡の設置から画像処理まで雲がなく早くすませば数分、遅くても30分もあれば終わらせることができます。
ゆっくり眼視を楽しむと30分を超えることもありますが、これからの季節は雲がなければ眼視も数分が限界です。
※眼視にもコツがあり、初めてPSTを覗いてもがっかりされるかと思います。
お気軽撮影の代表格のスマホ撮影について、過去に接眼部に当てて撮影してみたのですが、なかなかうまくは行きませんでした。
偶然でしか良像が得られず、モヤモヤするのが落ちでした。
動画を撮影してその中から一部をキャプチャーする方が、すこしは良い感じもありましたが、楽しいとは感じることができませんでした。
ということで私には、スマホで撮影するのは無理というのが結論でした。
というのも、接眼鏡をカメラで覗かせるコリメート撮影は光軸にうるさく、少しでもズレるとうまく写らないようです。
これを手持ちのスマホで行うのは至難の業です。
お手軽撮影には、スマホよりデジカメの方が適していると思われます。
※お気軽かは別として太陽用の白黒CMOSカメラならなおさら好適でしょう。
しっかりしたアダプターを介して、デジカメとPST+アイピースの光軸を一致させて撮影する必要があります。
スマホ用のアダプターも販売されていますが、作りが良くなければ相当難しいのではないかというのが感想です。
この撮影で使用しているズームアイピースは、ゴム製の目当を外すとT2ネジが切ってありますので、これを利用してカメラと接続する方法が手軽で確実でした。
また、PSTとアイピースの相性、デジカメでも機種によりHα領域のセンサー感度(赤外カットフィルターの特性)の違いなどもあり、これも実績のあるものでないとうまく撮像できない場合があるかとおもいます。
なお、PSTの性能にも当たり外れが相当あるようです。
私は同じデジカメ機種を2台中古購入してみましたが、有名メーカーでもデジカメ自体に光軸のズレがある場合(一般撮影には支障ないですが、トリミングされていないRAW画像を比較すると気づいたりします)もあり、太陽の位置を中心から少しずらして撮像することで不均質性を極力排除する方法に自然と行きつきました。
(※キヤノンS120は、過去に構造的な不具合が見つかっており、電源が落ちるなどの不具合のある製造番号のものがあるようです)
これはPSTの波長調整のしくみやブロッキングフィルターの直径が小さいことにも起因するのではないかと思われます。
光学機器の光軸にずれがないとして、視野の中心近くに適当な倍率で太陽を置いて撮影し、その結果で試行錯誤するほかないかと思われます。
それほどに、PST/コリメート撮影(望遠鏡+アイピース+カメラ)には相性と癖があると思います。
※したがって、拡大撮影による視野全体の良像は期待できない。→太陽の全体像は適度な倍率で撮影する必要がある。
※アイピースの焦点距離をいつも12mmにしているのも試行錯誤の結果で、拡大はカメラ側のズーム機能を使用したほうがよい画像が得られると経験的に得ました。
この辺の試行錯誤を探るのも面白いといえば、面白いのかもしれません。
他に重要な点として、露出とピントですが、露出は何回か経験を踏めば感がつかめます。
問題はピントで、小口径なので仕方ないですが、デジカメの液晶に写ったぼやけた画像をめいっぱい拡大し、そのうえでルーペを使用して合わせますが、山がつかみづらく最後は感と度胸です。
ピントを変えて撮像するほど面倒なことはしたくないので、ピンボケ画像がいまだに良く発生します。
小口径といえどシーイングにも左右されますので、数枚以上撮影してよいものを選びますが、相手は太陽ですからそれも数分以内で終わります。
なお、経験では数分でも後の方が落ち着いた画像を得られることが多く、もしかしたらシーイングよりも温度順応があるのではないかとかなり感じています。
しかしながらそれは面倒と感じますので、そこまでは詰めずにそこは無視しています。
画像処理もWindowsに付属している無料ソフトを使用して調整しているのみなので、何ら特別な技もなく短時間で終了です。
※レジスタック6で処理してみることもありますが、解像度コントラストは上がりますが、不自然な感じで面倒なのでやめました。
PSTはそもそもがお気軽観望用ですので、突き詰めるのであればPSTを厳密に追及するより上位機種、上位設備に移行する方が賢明かとも思っています。
PSTの性能を引き出そうとすれば、自動追尾のがっしりした赤道儀に同架し、月・太陽撮影用のCMOSカメラで動画を撮影して画像処理するとPSTでも眼視以上のコントラストや解像度が得られるかと思います。
施設を固定設置できれば、この方法が理想ですが、観望の度に準備・撤収に時間がかかれば苦痛になりかねません。
※現在は片手で持てる軽量の経緯台による固定撮影ですので、日周運動や低速度シャッターでのブレが避けられません。
予算と時間が許せば、ステップアップしたいとこではありますが、現在のお気楽撮影は苦しみなく楽しみであり、続けるにはこの程度が自分には、今のところちょうどいいようです。
趣味に良い悪いはないので、各人に適した撮影や観望、機材などをそれぞれのレベルで楽しみ、お互いにそれを認め合えるとよいと思っています。
皆さんのレベルが高く、いつも勉強になることばかりです。