こちらは、今日も変わらない朝でした。
ロッジの窓から見える森は、
薄い光の中で、ゆっくりと目を覚ましています。
遠くの尾根は、少しだけ霞んでいて、
それでもそこにあることは分かる。
見えにくいだけで、
なくなったわけではない。
海外で暮らしていると、
人のことも、出来事も、
少し距離をもって眺めるようになります。
近すぎると見えないものが、
離れると、やわらかく輪郭を持つことがある。
最近、ふと考えました。
人の気持ちは、
必ずしも言葉にならなくてもいいのかもしれない、と。
伝えられなかったことも、
うまく届かなかったことも、
それでも確かに、その人の時間だったはずだから。
ロッジでは、
今日も同じようにコーヒーを淹れ、
同じように扉を開けます。
特別なことは起きません。
でも、
誰かがここで少し肩の力を抜けるなら、
それで十分な気がしています。
日本では、いま何時でしょう。
同じ日曜でも、
違う景色、違う温度、違う気持ち。
それでも、
どこかで誰かが静かに一日を終えるなら、
それだけで、世界は少し整うのかもしれません。
こちらは、
ただの穏やかな日曜です。
けれど、
穏やかであることも、
きっと小さな出来事のひとつ。
そんなことを思いながら、
森の奥を眺めていました。
