小学生の少女が、祖父母のいる瀬戸内海の島に、一人で向かう場面から始まります。
両親から離れて、見ず知らずの土地に行き、新しい学校に通う。
それは、自分の意思ではなく。
ひとまず、預けられた、と。
迎えにきてくれる可能性も低い、ということがわかってしまう。
そして、なんと閉鎖的な島。
濃密な人間関係に、ついてけなくなる。
そんな中、同い年の少女と出会い、仲を深めていくんです。
良かった、心の支えができた。
『ひきなみ』
というタイトルから、この二人の関係が寄せたり、引いたり、引力のような話なのかな、
と思っていました。
ですが、女性という性の差別や、
犯罪加害者なのか、被害者なのか、
歴史の闇を背負わされて、
重苦しいものを内包しています。
女性として見下されて、それが、孫子の代まで伝わるのって、
なんで差別したくてたまらないのかな、人間って。
だけど!
問題が解決したわけではないけど。
ラストは、
これからは良くなるよ、
という期待と、祈る気持ちがわいてきました。
よろしければ、ご一読くださいませ。