澤田瞳子さん、好きなんですよね~。
奈良時代も面白くて好きです。
なにより、一般庶民の暮らしぶりが、とっても丁寧に書かれています。
奈良時代や平安時代なんて、たいてい貴族や一部の人の暮らしぶりしか描かれませんが。
庶民だって、ちゃんと生きている。
こちらの本は、インパクトのあるタイトル通り、
重くのしかかる内容です。
今のコロナウイルス時代には、響くものがありますね。
時は、首天皇(聖武天皇)。
天平二年に設立された、
施薬院という、京内の病人の収容・治療を行う施設が舞台です。
遣新羅使により、天然痘がもちこまれます。
朝廷は、威信に関わるために、新羅から伝わったことはひた隠します。
そこで活躍するのは、施薬院で働く、篤志の町医者なんです。
初動が大事なのに、
後手にまわって気づいた時には既に遅い。
生きるも死ぬも、現代よりは生活の近くにある時代です。
だけど、疫病で死ぬのは真っ平ごめん。
しかも、天然痘は、痘痕が酷くて、生き残れたとしても、その後の人生に大きく爪痕を残します。
天然痘は、今は根絶しましたが、各国ではもし流行った時にワクチンを作れるように、保管しているそうですよ。
調べてみるとなにやら怖いことも出てきたので、これ以上はスルーしますが、ホント、天然痘は恐ろしい
澤田瞳子さんの作品は、歴史の表舞台に出てこない人にスポットをあてています。
今年の直木賞を受賞された時に、
『゛何者にもならない゛人を書きたい』
と仰ってました。
私も、
何者にもならないひとの話を読みたい。
よろしければ、ご一読くださいませ。