職場の方に、竹宮惠子さんの『少年の名はジルベール』の本を貸して頂いたのですが、
「どちらの言い分も聞かないと公平じゃないし、知りたい。だから、両方読んでみて。」
ホントに、その通りです。
今回は、『一度きりの大泉の話』です。
萩尾望都さんは、見たものを絵に描ける才能があるそうです。
絵が上手だし、独特の世界観をもっています。
性格も竹宮惠子さんとも対極にあるように感じました。
言うなれば、天才。
感性の人。
表現者。
だけど、自尊心が他者から見るより低くて、マイペースな方なんだろうな、
文中にもありましたが、鈍いところがあったのでは、と思いました。
なんというか、タイプ的に、似ている友人がいて、妙に納得してしまいました。
その友人は、人間関係でうまくいかなくなったら、
「待って、説明させて!」
と追いかけていって話してたそうです。
けれど、「もう、やめたの。去る人には、私の何かが気に障ってたのかもしれないけど、そこまでの関係だったと考えることにした。」
と、話してました。
『覆水盆に還らず』
人間関係は難しいですね。
ただ、竹宮惠子さんと増山さんの関係について、他者から見ると結びつきが強くて、そこまで、と驚きました。
読んでいくと、大泉の話は、もう掘り起こしてほしくなくて。
とっても辛くて、眼病も患って、鬱状態になっていたそうですね。
そんな萩尾望都さんには、やはり、作品を楽しんで読むことが一番のエールなのかと思いました。
『ポーの一族』はまだ続いているそうですし、舞台もかかっています。
なんだか、書きたくないことを書いてもらって、申し訳ない気持ちになりました。
あとは、もう、時代ですね。
今は、空気が読める子どもが多数で、そのまま大人になるし、20代まで、もっと伸びやかに、言いたいこと言えばいいとも思うのですが。
この1970年前後、
言いたいこと、良いことも良くないことも、その人の為になるって思っていたんですよね。
逆に、言わなくちゃ、親友として!
くらいの。
少女漫画でも、よく描かれてました。
それを乗り越えてこそ、関係性が深まる、とか。
今は、スルー力というか、波風たたせないことに重きを置いて、大人の対応、と言いますね。
なにがいいのかな。
個人の尊重が大事かな、とも思いますが。
才能がある人同士が共同生活はやめたほうがいい、と編集者。
それよね、と思いました。
両者の気持ちが分かって、なんとなく、スッキリはしないですが、うーん、
読んで良かったです。
ありがとうございました。