帚木蓬生さんの作品、久しぶりに読みました。


一番好きな本は


『国銅』です。


大仏作りの裏の、庶民の苦労と生活の苦しさ、大事業に関わる高揚感、

役人と支配者階級の思惑と現実と、

内部をえぐってくる対比が、

とんでもなく上手くて。


好きですねぇ。


他には、


『天に星地に花 』

『水神』


を拝読しました。




今回は、『ソルハ』です。



小学舘児童出版文化賞受賞。


児童本です。



こちらは、

アフガン政権崩壊から、タリバンの支配、圧政から、「9,11」を経て、アメリカによる爆撃によってタリバン支配が終わるところまで描かれています。


主人公のビビは、5歳から15歳に成長していきます。




児童本だけあって、読みやすくて、背景、描写がわかりやすいですね。



元々、イスラム教は馴染みがないし、そもそもいい大人になったとはいえ、アフガニスタンやアラブや中東情勢は難しい、、、。




ですが、やはり、物語の力は大きい。



生活していて、爆撃にあったり、大事な人が亡くなってしまったり。


処刑が見せしめの為行われていて、目撃するはめになったり。



女性の人権が丸無視なことや、ブブカによる個人の抹消を求められたり。


歌や躍り、勉強の不要性を唱えられたり。




何故、民族や宗教の違いでここまで争うのか、

人間はなんと愚かなのか、


と思いながら読み進めました。



ただ、若い兵士は、なにも分からないまま洗脳されていたり、生きていくためだったり、利用されているんですよね。




その為にも、教育は不要で、個人の意見はきかない、支配者には都合いいことだらけ。





でも、そんな中でも、主人公少女の透明な、真っ直ぐな成長が眩しくて。



傷ついて、傷ついて、


優しくて強く賢く育っていく。



見守ってくれる家族たちの想いを、

感謝や素直な気持ちで受け入れられるから。



勉強の中でも、一万時間の法則は、素晴らしいですね。



10年間、毎日3時間の勉強を続ければ、その道の一流になれるという法則です。


365×3×10=10950時間


語学や、スポーツでも、なんでも。



続けることができたら、何者かになれる力がつきますね。







コーランの教えは、中間人は存在しないと言うことに驚きました。


牧師や、神主、お坊様、いないそうです。



アッラーと個人個人が結びついているそうです。



なら、歪めて解釈していることは大罪なのではないでしょうか。





様々な想いが巡りましたが、読了感は爽やかでした。


ありがとうございました。