図書館で貸出の多い本、2冊。
ジェーン・スーさんです。
フェミニズム、リベラルな同世代くらいの人かな、というイメージ。
『これでもいいのだ!』
はエッセイで面白く読めました。
中野信子さんの著書は何冊か読みました。
脳科学者で、脳がみせる錯覚の話や、脳の仕組みが書いてあって、興味深い内容でした。
『女に生まれてモヤってる!』
は、お二人の対談形式となっており、女として生きる私たちのモヤっとすることが言語化されています。
やっぱり、頭のいいお二人。
頭がいいから、女のクセに的な扱いが多かったのでしょうね。
女であることのメリット、デメリットがまとめられています。
妊娠・出産できる人もいる、その身体的負荷が大きい、期待度が低いため自由度が高い、肉体の弱さ、生殖可能な時期が男性より短い、等。
性差があるのは当然だから、無理をして頑張らなくても、お互いに生きやすいようにフォローできる世の中になればいいと思います。
とはいえ、女はサポートする側になることが求められる世の中。
渦中の森会長は、
「女性理事を選ぶというのは、日本は文科省がうるさく言うんですよね。だけど女性がたくさん入っている理事会は、理事会の会議は時間がかかります。女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手を挙げて言うと、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね」
と述べて、世界から総すかんを喰らっています。
森会長のことではありませんが、女性の発言についても書いてあります。
意見が対立した時に互いの利益を減じない方法を採用するのは、男性が得意だそうです。
女性は、全体の利益を重んじる以上に、仲間外れを恐れての抑圧があります。
「男児は小さい頃から個人の利益より集団の利益を重んじるゲームに親しんでおり、それは協調性を重んじる女児の遊びと大きく異なる」
ベティ・L・ハラガン
女性は、ちょっと前までは爪弾きにされたら一人では生きていけなかったから。
だから、周りを見るし、コミュニケーションも取るし、サポートに回り、意見を合わせる。
女性は意見があっても抑えられてきたものが、発言の機会があれば、発言しなくては、と思う傾向はあると思います。
そして、社会全体に、同調圧力が強く働いているのが今の世の中。
会議の落とし所を見つける、予定の結果を最速で導くことも必要なことも分かります。
森会長の言わんとしている所も分かりますが、女性を見下している発言はまずいですね
私が気になっている進化の話。
生物の進化基準に記述した46億年の地球史を地質年代といいますが、これでいうと、今は「人新世」という学説が検討されているそうです。
かつて恐竜がいた頃は、中世代。
今は、本当は、新生代の中の、第四紀の完新世と言われています。
恐竜は滅びて、人類が地球を席巻しました。
今また、地球の環境を大きく変えようとしています。
人類の知恵と技術を駆使して環境を自分たちに適したものに変えていくことが産業革命以降主流になりつつあります。
女の戦略も同様に変わっていくなら、知恵と技術を駆使して、今ある男たちを自分たちに適したものに変えていこう、となっても不思議ではありません。
力仕事はロボット、子育ては理想的な父親のあり方を学習したAIで充分、精子バンクの優秀な遺伝子があれば充分。
そんな時代になるのだろうか、なりそうな気がするなぁ、と中野信子さん。
男性と対立することは得ではないと思いますが、あまりにも差別してるといつかしっぺ返しをくらうんじゃないか、と思います。
おわりに、でありますが、
人類の進化はほとんど終わっていると言われているそうです。
迷い、間違え、正しい答えを選べない個体が多数派なのは、想定外であったり、失敗のように見える結果の中に、新しい喜びや未来があるから。
人類は、最適解を選ばないことが繁栄の鍵であったからこそ、人類は海や氷河を越えて新天地を夢みて、食せるものも増えて、地球の環境をも変える存在になったのだと思います。
失敗は成功の母、と言われますね。
『正解を誰よりも早く選ぶ努力なんて、もうやめにしませんか。』
迷い、選んで、発見して、そんな中、後世の人からみて、一本に道がつながっている地質年代が存在しているんだと思います。