こちらは、NHKスペシャル「人類誕生」の書籍バージョンです。

三部作はDVDを借りて家族みんなで見ました。

小5の息子は、続きを早く見たいとせがむほど、
興味深く見ました。





DVD1巻では、男性側の進化の過程が描かれていました。

女性の妊娠・出産・育児をどう考えていたのか、
描かれていなくて、ちょっと不満。


子育てして子孫を残さないと、当然ながら、人類の種としてこの先が繋がらないじゃないか~

と思いながら、見ていました。


歴史はいつだって、男性が動かすものだって描きかたが不満えー



とはいえ、短いスペシャル版なので、色々詰め込めないのはわかるので、それは後程の宿題としよう。




こちらの本は、日本人がどこから来たのか、までがまとめられています。

縄文人と弥生人の混血の果てに、現代日本人か形成されました。

これはDVDと同じですね。



そして、DVDの不満が、第1章のタイトルで解消されました。


「二足歩行は妻子のためだった」


あれ?

もしかしたらDVDでも描かれていた?

記憶があやしい、、、。



ともあれ、樹から降りて、直立二足歩行の開始され、両手を使えるようになったことが進化の始まりです。



食糧調達能力の高いオスが、メスや子どもを養えるとされ、モテるようになり、子孫を残せる。


アウストラロピテクス・アファレンシスの化石人類「ルーシー」が女性の化石として有名です。


骨盤がほぼ垂直に保たれて幅広く、足には土踏まずがあることから、ラミダス猿人よりも上手に二足歩行かできたと推測されます。


人類は狩られる側から、狩る側になり、動物の死肉も食べるようになりました。

そこで、骨髄を食すようになります。

骨髄は、脂肪が豊富で、栄養価が高いため、現在もオッソ・ブーコという料理もありますし、骨付き肉のスープはお出汁がでて美味しいです。



食生活の改善により、脳容積の増加がありました。

○アウストラロピテクス・アファレンシスは350-500ml

○ホモ・ハビリスは600-700ml

○ホモ・エレクトスは700-1200ml

○ホモ・サピエンスは1400ml


脳の容積が増えたため、仲間と連携がとれて、さらに進化します。

エレクトスの進化が凄まじい。



肉は消化しやすいため、植物生の食生活より腸が短くなり、さらに消化に使っていたエネルギーも脳に回せるようになりました。


人間の進化の弊害もあります。


ホモ・エレクトスは積極的に狩りを行ったため、肉食獣が絶滅に追いやられてしまったこともあります。



また、脳が大きくなりすぎると産道を通れなくなるため、人間の子どもは他の動物に比べると未熟な状態で産まれてきます。


そのため、成長するまでは母親が子育てに専念しなくてはなりません。

その負担を軽減しようと、人類は家族を中心に協力しあって生きるようになっていきます。

これによって、人類の脳をさらに進化させることになっていきます。







なぜ、多種多様化した人類がいて、残ったのが、ホモ・サピエンスなのか。

ネアンデルタール人は、北方で生きていくために肌は白く、紅毛碧眼、筋肉質、言葉も操り、死者を埋葬したり、芸術性もありました。

脳の容積は現代人よりも大きくて、1500ml。



狩りの方法が明暗をわけたそうです。


ホモ・サピエンスは協力し、集団の力を結集しないと生き残れませんでした。


また、飛び道具を発明し、怪我のリスクも減りました。


サピエンスは、弱さを補いあい、知恵を働かせて、厳しい生存競争を勝ち抜いた、ということです。






約19万~13万年前、地球は過酷な氷河期を迎えていました。

その影響か、気候が変動し、短期間に激しい寒冷化と乾燥化が進みました。


極度の食料難に見舞われたホモ・サピエンスは、急速に人口を減らし、ついには一万人以下になったそうです。




遺伝子の多様性が絞られてしまい(ボトルネック現象)、その後、急激に人口が増えて個体数は回復しましたが、遺伝子の多様性は回復しません。





様々な要因が絡んで、生き残ったのは、ホモ・サピエンスですが、交配により、他の人類の遺伝子をしっかりと受け継いでいます。


現代人のネアンデルタール人の遺伝子は2%前後を受け継いでいるそうです。


それがわかりやすいのは、皮膚の色素遺伝子MC1Rです。

つまり、肌の白さと、紅毛碧眼はネアンデルタールの名残です。


多様性を持ち合わせている私たち。




日本人は、およそ4万年前以降、アジアの各地から森と海の豊かな日本列島にやってきました。


そして、自然と共存しながら、身の丈サイズの暮らしを守って進化してきました。


人類の進化が何を自然選択していくかは、後世の人が研究していくことだと思います。


今を生きている私たちは、世界に広がったウィルスに怯えて暮らしています。






今、強者の論理を掲げていますが、この辺で、大昔の祖先たちが築いてくれた「共感能力」をさらに高め、「思いやりの心」の対象を孫や曾孫、22世紀のひとにまで広げてみよう、

と、まとめてあります。

さらに、世界の人にも目を向けてみよう。


人類は、協力しないと生きていけないのだから。


数年という単位ではなく、何万年何億年という単位で、この先も地球はあるのだから。