SES契約やSES相当の派遣契約の場合は、通常月額単価+上下時間幅が設定されます。
上下時間内なら月額単価のまま、下回ったら精算(減額)され、上回ったら超過(増額)されるという形です。
時間外の単価割増等は、雇用されている側の企業での負担となっていて、実際に作業従事している企業側からは払われないケースが多いです。
そのため、派遣やSESで来た人に、時間いっぱい働かせないと損だと考えるアホな人が多いことも現実です。
派遣元から考えると、時間外割増等もあるので基本的には定時勤務が望ましく、上限時間を超過して欲しくないのが正直なところです。
また有給休暇等で、下限時間が下回ってしまうことも派遣元からすると望ましくないのが正直なところです。
昔は少しでも超過してもらって売上増やす話もあったかもしれませんが、従業員の体調管理等厳しくなってきている昨今では、時間内で収めて欲しいという形になってきているとは思います。
働く人からすれば、残業して少しでも賃金増やしたい人もいれば、通常勤務のみで残業なしにしたい人と、どちらもあるでしょう。
閑話休題
基準時間の一般的な時間幅は、140-180時間です。
1日の勤務時間は、概ね7.5~8時間です。
20日/月相当を基準に多少前後幅を持たせているという形です。
超過精算の時間単価は、上下割という、超過は上限時間基準で低い単価で、精算は下限時間基準で高い単価で、となることが多いです。稀に中間の160を利用する均等割もありますが、ここ数年見かけたことはないです。
契約先によっては、下限は140-150、上限は180-200位の幅を取ることはあります。
また、超過精算なし(固定)という契約形態もあります。
固定は、減額もないことになりますので、コンサルティングとか上流工程で時間の管理は任せて成果だけを期待する場合は、働き易い形とも言えます。しかし、テスターやプログラマー等の開発以降の工程が主となる場合は、時間管理の自由幅が少ないので、単に残業代払わないブラックな契約形態であることが多いです。
上限を180以外にする場合も残業代は払いたくないという依頼元の意図が強いです。
稼働が安定しているなら、180でも問題ないので、そういった理由は建前上のものだけでしょう。ただ単価を通常より高めにするので上限を高めにして欲しいという調整はあります。
下限が140より多くなる場合も残業する前提である依頼元の意図が強いです。昨今、祝日や連休が増えていますし、有給取得の強制等休む機会が増えています。年末年始やGW、夏季休暇等がある月は、毎日定時勤務でも150下回ってしまう場合があります。つまりは、下限150の場合は、どこかで残業しないと、150満たせなくなるわけです。
上下時間幅が、140-180以外の場合は、微妙な案件であるケースが多いので、可能なら、なるべく140-180幅の案件を選択することを推奨します。そして発注する側の方も、基本的には140-180で提示するようにして欲しいです。また固定の場合も残業多くてもいいではなく、より少ない時間で成果出してくれれば良いという考えでいてくれると嬉しいですし、プロジェクトの品質も高まると思います。
ブラックな会社は別として、残業がないとか有給とるのが多いと、あいつは仕事しないと判断する人がまだ多くいるのが悲しい現実です。残業だらけで実際の生産性は0.5人月位とか下手したら他人の足を引っ張ってる人が、時間内で適切に休みを取得して残業0で生産性が1人月以上の人よりも評価が悪くなる場合が実際にあります。時間内なのに、担当者から、勤務時間が少ないのでは?と言われるようであれば、その担当者は生産性が何か理解していないと見たほうが良いです。※会議を対した理由なく休むとか遅刻が多いとかは別の話です。
システム開発の現場では、生産性という判断は客観的なものがなく、結構難しいのですが、少なくともスケジュールは残業なし前提で組むべき(ほぼ必須)なので、残業が多いとか休出や深夜勤務が多い人には、なにか本人か現場の体制で問題が発生していないか確認する位の進め方でいった方が良いでしょう。
まぁ従業員出す側は、通常立場が弱く、依頼元では古い考え方の人が多いので、現実としては難しい場面が大半なのが、零細企業の悲しい現実です。