交通事故の過失割合はどうやって決まるのか                        

 

        過失割合 

 

  交通事故ではどちらにも過失がある場合がほとんどです。その場合のお互いの過失の割合はどうやって決まるのでしょ

 うか。

 

         ご相談の内用           

先日、勤務先に向かうため歩道を自転車で走っていました。小さな交差点に差しかかり、歩道の切れ目に入りました。前方からも自転車が走ってきており、どちらに避けようか迷っている間に接触してしまいました。双方とも怪我はしましたが、大きな怪我ではありません。相手は大学生で、法律の勉強をしているとのことでした。彼が言うには、私は右側通行しているので、私の方が8割の過失だと言います。歩道を走っていたのですから、そう言われても私には、さっぱり分かりません。

なお、接触した場所は交差点の角の角切りの部分で、信号も、横断歩道もありません。   

 ご説明します。

 

交通事故では、どちらか一方だけに過失があるという場合はほとんどありません。

お互いに過失がある場合の責任の大小の問題が過失割合です。裁判所も関与して、弁護士会で作成し公刊している過失相殺基準の本がありますが、すべての事故がこれにぴったり当てはまるわけでもありません。

過失割合の本質は、当事者間の公平です。そこで、まず双方の法令違反の程度が問題となります。法令違反の程度が大きい方が重い負担をするのが公平だからです。これを修正するのが、弱者の保護です。車に対する幼児や高齢者、四輪車との関係での単車、四輪車との関係での自転車といった関係です。

普通、歩道を走行している自転車が右側走行だから違反になるということはありません。

しかし、今回の事故は、交差点の角切り部分で発生しています。歩道が交差点の角で円くカーブしている部分を角切りと言います。交差点から5メートルは駐車禁止ですが、駐車違反は、角切りが終わって直線になったところから測ります。言い換えると、角切り部分は交差点の中になるというのが警察の取り扱いです。刑事裁判でも、これが定着しています。

そうすると、今回は交差点内の事故となり、あなたは交差点内で左側通行の原則に反して、逆走していたことになります。大学生の方は、よく知っておられると思います。

冒頭の過失相殺基準では、自転車同士の事故の過失割合の基本は50:50です。右側通行の修正は、10%程度と思います。

しかし、交差点の角切りが交差点内になって、逆走したことになることを知っている人はほとんどいないと思います。

たとえは悪いのですが、自転車で右側通行しているケースもよく見かけます。

あなたの過失が多少大きくても、55:45程度ではないかと思います。

 

 

 

 

 

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   斉田顕彰法律事務所  担当:斉田、森田

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                使用貸借による権利は中途半端な権利です                        

 

        使用貸借 

 

 親の土地の上に親の好意で家を建てさせてもらうような場合、敷地の利用権は、使用貸借契約に基づく使用借権となりますが、使用借権は敷地の利用権としては中途半端な権利と言わざるを得ません。

 

         ご相談の内用           

父は、男ばかりの3人兄弟の長男で、亡くなった祖父の家業を引き継いで現在に至っています。父の自宅は、亡くなった祖父の所有地の上に建っており、祖父が生前、父が、自宅を建てる際に無償で貸してくれたものです。

20年前祖父が亡くなったため、土地の名義は、現在、兄弟3人の共有となっています。

先日、父の一番下の弟が亡くなり、共有持分は弟の妻が相続しました。

父も高齢となりました。もし父が亡くなった場合、父の自宅はどのようになるのでしょうか。

  

 ご説明します。

 

不動産でも、動産でも、無償で借りて使い終わったら返還するという契約を「使用貸借契約」と言います。土地の使用貸借が発生するのは、今回のように親が子供の自宅建築に際して、無償で使ってよいとして土地を提供するようなケースがほとんどだと思います。

土地の使用貸借に基づく使用借権は、借地権と比較した場合、弱い権利です。弱いというのは、土地の所有者が、土地を第三者に売却すると、第三者に対して権利の主張が出来ず、土地を明け渡さなければならなくなります。

また、使用借主が亡くなると使用借権は消滅することになっています。

ただ、使用貸主が亡くなった場合は、相続人が使用貸主の地位を引き継ぐこととなっています。現状は、貴方のお祖父様が亡くなり、使用貸主の地位を貴方のお父様とご兄弟とが引き継いだ状況にあります。

お父様が高齢とのことでしたが、もし亡くなられると使用借権は消滅します。土地を使う権利はないので、そうなると建物を壊して土地を明け渡さなければならなくなります。

他の兄弟に相続が起きたりすると、土地を売却して分配したいので建物を壊して明け渡してくれというシビアな話が持ち上がる可能性もあります。

現状では、使用借権があります。使用借権があることで土地の価格は2割程度は下がります。

お父様が存命のうちに、他の兄弟から共有持分を買い取るのがベストと思います。

 

 

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                こんなことでも消滅時効を争えます                        

 

        債務の承認 

 

  債務を承認すると消滅時効の更新(改正前の「中断」)が起き、消滅時効完成後は時効の援用が出来なくなります。

 

         ご相談の内用           

昨年、夫がなくなりました。生前、夫は兄の会社で役員をしており、会社の株を持っていました。税理士に相続税の申告をお願いしたところ、株価の計算に必要なので、会社の申告書・決算書の写しを2年分、会社から貰ってほしいと言われました。義兄に話すと、申告書・決算書2年分を貸してくれました。数日後、税理士さんから、決算書に、故人は会社に数百万円貸し付けていたことになっていると言われました。

義兄にそのことを話すと、10年前のことで時効だと言われましたが、納得がいきません。

   

 ご説明します。

 

お金を借りている人を債務者と言います。今回は会社が債務者です。債務者が、お金を借りていること(債務)を認めると消滅時効期間が最初に戻って数え直しになります。平成3年の改正前の民法では、これを「時効の中断」と呼んでいましたが、改正後は「時効の更新」と呼ぶことになりました。最初から数え直すのですから、「中断」より、「更新」の方が分かりやすいという考えです。

また、消滅時効の完成後でも、債務を承認すると、信義則上、時効の主張は出来ないというのが判例です(「時効援用権の喪失」と言います)。

債務の承認は、普通に考えると、お金を借りていることを認めることですが、法律的に言うと、権利の存在を知っていることを表示するということであり、これを「観念の通知」と言います。権利の存在を知っていることを表示するだけですから、支払う意思があるかどうかは問題となりません。

会社が、申告書・決算書を債権者に交付し、決算書の中に借入金の記載がある場合は、権利の存在を知っていることを会社があなたに表示したことになり、債務の承認になります。

今回の場合、消滅時効はすでに完成しているので、時効の更新はないのですが、承認したことで、信義則上、時効の主張が出来なくなる時効援用権の喪失が生じます。

もう一度、義兄に話してみてはどうですか。話し合いが難しければ、弁護士に相談することをお勧めします。

 

 

 

 

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