人が亡くなると逸失利益が認められますが、そのままの額が認められるわけではありません
生活費控除率
共働き夫婦の夫が亡くなった場合、将来の収入の補償から引かれる生活費の割合は何パーセントか。
ご相談の内用
夫は工員、私は公務員で、子供はいません。先月、夫が交通事故で亡くなりました。加害者側の保険会社は、死亡による逸失利益から、夫の生活費分として50パーセント差し引くと言っています。そもそも差し引く意味も分かりませんし、どう対応すればよいでしょうか。なお、年収は、夫より私の方が高収入です。
ご説明します。
事故で人が死亡した場合や、後遺症が残った場合、将来得られた収入が得られなくなります。これを「逸失利益」と言います。死亡の場合は死亡による逸失利益、後遺症による場合は後遺症による逸失利益と言います。
死亡による逸失利益を賠償してもらう場合、他方で、将来の生活費が不要になった利益があるので、これを差し引くことになります。これを「生活費控除」と言います。
裁判所や、弁護士が使用している交通事故の損害賠償算定基準では、「生活費控除率」を、被害者が「一家の支柱」の場合、扶養家族1名のとき40パーセント、2名以上の場合は30パーセント、女性の場合は30パーセント、独身男性は50パーセントとしています。
この基準は、昭和40年頃に出来たもので、夫が働き、妻は専業主婦で、子供が数人いるという、サザエさんのような家庭
を念頭におき、独身男性は生活費50パーセント、父親は扶養者の数に応じて、生活費を切り詰めるので40パーセントないし30パーセントとします。女性が30パーセントなのは男女の収入格差を考慮したものです。
昭和40年代には、しっくりしたのかと思いますが、夫婦共働きが8割近い現在には、まったく整合していません。
ひとつの考え方として、生活費とは何かに遡って考えるというのもあるかもしれませんが、生活費が何かは単純には決められない難問と言えます。
20年位前に、裁判所の時代遅れの基準は近いうちに変わるはずだと言った裁判官がいました。しかし、20年経過した今も変わらないのは、とても残念なことです。
さて、そうすると、現在の基準のなかにある考え方をベースとして、対応を考えるしかないと思います。
まず、基本的に、あなたの夫は「独身男性」ではありませんから、独身男性の50パーセントの基準を当てはめるのはおかしいと言えます。
もし、相手方が、収入で考えると言うなら、「女性」の30パーセントの基準にすべきことになります。
そこで解決ですが、夫婦の家計は一つです、あなたの夫の収入があなたの収入より少ないということは、夫の生活費は独身男性よりも少ないはずです。
このように考えた場合、生活費控除率は40パーセントでよいのではないでしょうか。
難しい問題です。ご自分で解決するのが無理であれば、弁護士に依頼することをお勧めします。
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