〈 勁くなったよ⑦ 〉
世界がわたしに恋している
世界がわたしを愛している
わたしは欠けることのない幸せそのもの
今朝、早い時間からナミさんのセッションを受けていた。
新年の運気読みリーディングを含めて、フリーセッションをお願いした。
スミスが結婚してくれないのが明らかになって、けっこうショボンとしている話をした。
「真紀子さんは、どうしてそんなに結婚したいの?」
正直、よくわからない。
好きな人とは一緒にいたい。
毎朝、同じベッドで目を覚まして、一緒にコーヒーを飲んでから出勤して、帰宅するときに駅で待ち合わせをして、イオンで夕飯の支度を買い物したい。
イオンが萌えポイントで、明治屋とか成城石井じゃない。
一緒に夜ご飯をたべて、お風呂にゆっくり浸かって、各々好きなことを少ししてから、同じベッドでまた眠りたい。
一緒に公共料金を払いたい。
一緒に税金を払いたい。
パンいちでうろつくスミスを、目の端しっこにいれて暮らしたい。
一緒に海外旅行に行きたい。
モナコに行きたい。
病気になったら、入院や手術の同意書を書きたい。
死ぬときには、そばについていてあげたい。
葬式には喪主として、セレモニーを企画したい。
いまのままじゃ、わたし、隠された存在で、彼の死に際に、誰からも教えてもらえない(スミスは死にかけたら連絡する、って言っていたけど、イキナリ死んだら連絡したくても無理でしょ)。
ブツブツ言っていたら、
「真紀子さんの持って生まれた、根っこにあたる星は、五黄土星って言ってね。
ゼロか100かの人だから、全てを手にいれたいひとなんだよね。
生涯にわたり価値あるものとしての結婚を望むのは、仕方がないところなんだよね」
「だから、セカンド扱いとかいやなんだよね」
ん。
セカンド扱いはイヤなの。
セカンド扱いは、絶対に我慢ができないのおおおおおお!!
いままで、蓋をして見てみないふりをしてきた本音が、ドバーっと出てきて、泣いた。
泣いてしまった。
スミスにはセカンド扱いしているつもりはなくても、結婚が出来ないって現状で、すぐにセカンド扱いされてる...って、わたしが思ってしまう。
精神的に満たされてはいても、現実的な生活が一緒ではないし、これから先も結婚が出来ないってわかって、それも仕方がないのかな、って。
お互いの家庭生活を守りながら、愛情を深く育みあっている不倫カポーは大勢いるけど、わたしには、そこまでの度量がないみたい。
※不倫つう言葉がマジでいやだ。
自分自身に嘘をついて暮らす方が、よほど不倫じゃないのか。
スミスに奥さんとわたしとの2択を迫りたくない。
だって、本当はわたしを選んで欲しいんだもん。
やっぱり、早く別れた方が、お互いに良いのかな?って。
この間は「絶対に別れない、別れたくない」って思ったのに。
一緒にいると、幸せなのに、同じくらい悲しい。
ベソベソ泣いていたら、ナミさんに、
「そういう思いを、全部スミスさんに伝える必要はないです。伝えたとしても、『スミスさんと結婚したら、ハッピーな気持ちになれるだろうな~💓』って、言いっぱなしでいいですよ」
言いっぱなしでいいんですよ。
それで、向こうが勝手に動いてくれます。
スミスさんと一緒にいて、幸せな気持ちになること、いつも思い出せるでしょう?
思い出すのが難しくても、何度も繰り返し「スミスさんと一緒のときの、幸せな気持ち」を思い出すことに慣れることですよ。
筋トレと一緒。
そういう気持ちでいれば、現実が変わってきますよ。
って、言ってくれました。
おとこの人は、自分の本当の気持ちが分からないから、そうやって女が教えてあげなきゃならないですよ。
もしも、おとこのひとが、自分の本当の気持ちに気がついたら、それは、ひたすら「女のひとを愛したい。幸せにしてあげたい」ってことだけに、行き着くと思いますよ。
夕方、スミスが電話をくれた。
わたしはスミスとの旅行の写真を見ていた。
「ねぇねぇ、キスしているときのスミス、ホンの少し目を開いて、いつも真紀子のこと、優しい顔して見つめてるんだね」
そうだよー、いつもみているよ。
「久しぶりに、写真をみて気がついたけど、スミスの愛情がたくさん写っているね。真紀子のこと、こんなにたくさん愛してくれていたんだね。
真紀子はいつも、少しでも身体が離れてしまうと、愛情をかけられていることを全部忘れちゃうみたい。
ちょっとバカなんだよ。
でも、写真を見ると、思い出すね。
いっぱい愛されているね😃💓」
まきちゃんは、バカじゃないよ。
しっかりした良いこだよ。
スミスの優しい声が、耳から頭に流れて、全身に行き渡る。
「ねぇ、いま、したくなっちゃった」
ん、したいね。
「ひとりで、していてもいい?スミスの声を聞かせて」
わたしは、スミスの返事を待たずに、ひとりで始めた。
スミスの写真をみながら、スミスの声を聞いていると、安心して、よくなれる。
スミスは、街中のカフェで仕事をしていたみたいだけど、
わたしの呼吸とあえぎに合わせて、一緒に喘いでくれていた。
ごめんね、スミス。
公共の場所で、恥ずかしいことをさせて。
わたしに、そこまでして付き合ってくれて嬉しい。
気持ちいいのが、止まらない。
スミスはいつもキスをしているときに、目をつむっていたのに、
わたしの知らないところで、じっとわたしのことを見つめて、その姿がカメラにいくつも切り取られている。
喜びや悲しみを肌に刻み込んでいるときに、
わたしの肌からあふれ出た血を吸いとるようにして、
自分の肌に染み込ませてくれていたのは、スミスだった。
スミスの呼吸にのっかって、どんどん高まる。
香りを思い出す。
粘る液体を自分になすったときに、走る電流を思い出す。
まきちゃんに入りたいよ、ぐりぐりしたいよ、って言われて、
「早くきてよ」
って、小さく叫んで、軽くいった。
スミスが、よしよし、まきちゃん、可愛いよ、可愛いよ、大好きだよ、愛してるよ、って、
蜜のように甘い言葉を、たらたらと耳に垂らしてくれて、
わたしは一瞬、眠りに落ちた。