久しぶりなので何か書いてみる。うまく書けてるか心配。
さびしい
さびしい
さびしい


「はい、息を大きく吸い込んで、そうそう。
そこで一時止める」
「ガシャ」
「はい、もう吐いて楽にしてえ」
何のこっちゃと思うだろが、梅小路さんは今病院に来て検査受けてるとこ。
胸のレントゲンを今撮ったとこ、さっきは採血に頭のMRI なんかもしたな。
どっか悪いのか、と思うなかれだ。
あまりにしつこくあの蹴上さんあたりが私のことロボット呼ばわりするから、
白黒付けようと人間ドックなるものを受けたわけだ。
何かいきなりオバサンになったような気分。
少なくとも今のところ私がロボみたいなもんである可能性は低かろう。でもなぜこんなけったいな視野が見えてるのかは謎のまんま。

「はい、問診も終わりました。では結果が出るまでしばらく待合室に戻ってて下さい」
はあい。やっと終わった。まあなんだこの診断書みたいなもの学校で公開すりゃ、私の勝訴?ってわけだ。ふぁぁっ、何か疲れて眠くなったぞ、ムニャ。

「診断の結果ですけどね。えと何だったっけ、自分が人間である事の確証が欲しいって、何だそりゃ。
明らかに人間以外のなにもんでもないだろ、その点だけは安心して頂きたい。
ただ
その視覚の中にコンピュータ画面みたいなものが見える件だけど。

アンドロイドって知ってるよね。最近かなり精巧なやつがお目見えしてるけど、
あれってつまりロボットが人間を真似て作られてるわけだね。
これはあくまでも私の仮説なんだが、
逆に人間がロボットを真似るとどうなるんだろ。
つまり人間そのものの脳も高度な情報処理能力が備わってるんだから、
コンピュータがやってることを真似出来てもおかしくない。
そう思わないかね?」

ああ来るんじゃなかった。
なんやねその診断結果て。いちお、診断書はごく普通の健康の証明するだけの内容になってるみたいやけど、
視覚の異常な理由は私がロボットを真似てるからやと?
そんなアホな、下らないくそ小説みたいなオチやね。
いくら下手ぴーな小説家でも思い付かん思うわ。
おらおら
・・・
orz
まずは私のテレポーテーションについて。
数年前だったか滋賀県の方でも私と同じような、テレポーテーション能力を持つ子供が見つけられていたそうな。
そちらは隠れた場所、視覚が遮られる所には転移出来なかったらしい。
私の場合いくらでも隠れた所にも飛べる。
ただしテレポーテーション前が移動中だったら、
なぜか知らんけど転移後もその移動速度なり加速度が残ったままになる。
つまり走ってる電車の中にはテレポーテーションは出来ないし、
走ってる電車の中から外にテレポーテーションするのも危険極まりない。
テレポーテーション先がどうなってるかは、
私の特別な視界の中で、
ポップアップウィンドウみたいなのが出てきてそこに表示される。
私がスマホなど持ってないのは、こんなけったいな視界があるからで、
あたかも目の前にヘッドアップディスプレイをつけたような表示があれこれと勝手に出てきてしまう。
たとえば道歩いてて前から車が走ってきたら、
その車のスピードやら車のメーカー、種類などの情報が視界内に現れてしまう。
夜空の星を眺めたら勝手にプラネタリウムみたいな、星座の線がつながって表示されたり、
最大200倍まで視覚がズームするみたいで、望遠鏡なくても、月のクレーターが見えたり、
木星の衛星なんかも見えたりする。
そんな奇特な能力の事がうっかりうわさに流されてしまうと、
例の「ロボット疑惑の渦中の人」である、蹴上さんあたりから、ロボ呼ばわりを受けてたりする。
彼女もかわいそうだとは思う。
ロボットパーティ中一番の謎のロボットである、
遠い未来から来たと言う、ピラミッド型のロボットから、「ファイナル」と呼ばれてるから。
このファイナルなる、未来の人型アンドロイドの最終型と言われるのが、
あの蹴上みちよさんだと勝手に決めつけてるようだ。
明らかに彼女は人間以外に思えないのだが、未来から来たらしい、いつも空中をふわふわ浮いている四角垂型ロボットにはロボットと間違える何かがあるんだか、知らない。