14回目  3相 YーY回路

3相平衡電源に3相平衡Y負荷Zを接
続した回路です (今回はとりあえず解いてみましょう)
ーーーーーーーーーーーーーー
1図で 相電圧 115V、Z=17+j30(Ω)の時の
考察をします。(相順はabcでの各値、ベクトルを考察します)
(3相回路は1相を抜き出して単相として考えま
    す:3図参照)
ーーーーー
2図参照
z=34Ω すなわち Z=17+j30=34(Ω)となります
力率 17/34=50%(60°) 遅れ力率(虚数部
が+であるので遅れとなる)

老いぼれ親父の電気工学

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
用語:虚数部とは(2図:ベクトルを見ながら確認して下さい)
インピーダンス Z=17+j30=34(Ω)で 
17を実数部という。この場合は R=17Ωの意味です
+j30 を虚数部と言う。符号がプラス(+)であるので
 XL=30Ω (符号がプラス(+):コイルの負荷と認識し
 ます)の意味です
又 符号がマイナス(-)の時は XC=30Ω(符号がマイナス
(ー):コンデンサの負荷と認識します)の意味である
 「Z=17-j30=34(Ω)の場合は R=17Ωと
XC=30Ωのコンデンサの直列回路です」でインピーダンス34Ω
(絶対値)です。>>2図を参照
ーーーーーXLとXCを以下のとうり定義しますーーー
XLを +j と定義します。
XCを ーj と定義します。 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
線電流(相電流)は(Ia)はあくまでも 相電圧に対
しての値である。
ポイントです(注意:線間電圧に対しての値ではありません)
=========
3図にて、電流Iaの値は3.4Aとなります(E=IZより
115v=Ia*ZΩ ですので Z=34Ωから
115v=Ia*34Ω すなわち Ia=3.4A)
そのベクトル図が4図になります。電圧115vを60度で
挟んでZとIaが表示されています。
5図が、回路、1図のベクトル図です。
相電圧Ea,Eb,Ecは120度ずつ位相がずれています。
線間電圧Vab,Vbc,Vcaの値は相電圧の関係から求めま
す。はじめに Vabを求めます。Vab=Ea-Ebですので
ベクトルEbと反対(180度逆)に描きーEbとします。
そこからEaとーEbのベクトルで平行四辺形を作成しその値
(ベクトル)をVabとします(5図を確認の要)。
結果としてVab=Ea-Ebとなり200vになります(ここらは
じっくり作図して確認下さい)
 同様にして、Vbc,Vcaを求めると5図のようになります。
 電流Iaは相電圧Eaから60度遅れ(4図参照)になっ
ていますので、4図を基に5図でIaを描きます。
同様にして、Ib,Icも描きます。Ia=3.4<ー60度(A)
、Ib=3.4<180度(A)、Ic=3.4<60度(A)
となります。
=========
用語の確認
1 相電圧とは電源コイルの部分の電圧で、Ea,Eb,Ecの赤◯の
  部分です。ここが115vと言うことです。
2 又線間電圧とはVab,Vbc,Vcaの部分の電圧で、配線a,b,c
  間の電圧で 相電圧の√3倍が線間電圧になります。
3 相電流とは電源コイルの部分に流れる電流です。 
4 線電流とは配線a,b,cに流れる電流です。(Y電源回路では
  相電流と線電流は同じです:回路を見れば一目瞭然ですヨネ!)

ー下記値はベクトルから求まります(複素数での計算でもOKですが)ー
Ea=115+j0=115(v)
Eb=-57.5-j100=115(v)
Ec=ー57.5+j100=115(v)

Z=17-j30=34(Ω)

Ia=1.7-J3=3.4(A) 
Ib=-3.4+j0(A)=3.4(A) 
Ic=1.7+J3=3.4(A)

Vab=173+j100=200(v)
Vbc=0-j200=200(V)
Vca=-173+J100=200(V)
となります。
ベクトルを見ながらベクトルのイメージができればOKです。
**************************
ポイントです(ベクトルをジックリ確認の事)
線電流(相電流)は(Ia)はあくまでも 相電圧に対
しての値(位相)である。注意:線間電圧に対しての値ではあ
りません
**************************
次は この回路の素朴な疑問(なぜ? なぜ?)につい
・・・研究してみたいと思います。

つづく















今回は息抜きにと・・・
もう 
13回目までこぎ着けるまでになりましたが・・・
ーーーー
思うように画面を構成できなかったり、また説明が不十分
だったりで反省する事、しきりです。
 まだ「ブロブ」は初心者の域を脱出できていないんでしょう・・・
 
今回は息抜きにと思い一息、電気とは無関係に近況を・・・

 青森のドいなかの当地ではここ毎日冷凍庫の中での生活
を余儀なくされ寒さで震えている状況です。
 山陰の方では大雪で交通が麻痺して日常の生活に支障が
でているとの事、幸いにも当地では寒さは厳しいので
すが例年に比べて雪の量は少なく除雪作業では助かって
います。
しかし今の所の話しですので今後2月、3月にかけての
大雪は覚悟しなくてはいけないと思っています。

老いぼれ親父の電気工学

 以前住んでいた所の近くの「龍飛崎」です。津軽半島の
先端に位置し対岸には北海道が見える所です。
観光地になっていますが冬季は訪れる人はまばら
ですので、最果てを感じ入るには格好の季節と思
います。また春から夏、秋にかけての「パノマラ」はなん
と言っても「サイコウ」です。宿は近くに民宿(ホテルも)があ
ります。

老いぼれ親父の電気工学

ーーーーーーーーーーー
  その他の見どころ
1階段国道(車は通行できません) 
2龍飛崎灯台 
3最果ての気分に浸ることができます。傷心旅行の方に!!!
 お勧めですが・・・難点は交通が不便の事です
   青森駅>JR>三厩駅>バス>龍飛 
  交通が不便のため、龍飛崎付近の民宿で一泊がお勧めです
4宿泊    
  民宿 竜飛津軽屋  ℡ 0174-38-2435
  民宿 なりとみ  ℡ 0174-38-2506
  ホテル龍飛   TEL 0174-38-2011(代)

 

以上












 13回目 3相発電機ベクトル の説明

「単相回路の概略は理解出来た事と思います。イヤまだだ!!
とおっしゃるなら、1回目から順番に12回目まで再度確認下さい」

「今回から3相回路の考察に入ります。単相回路が理解できれば
3相回路は特に難しい事はありません。ゆっくり少しずつ・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3相交流回路のおけるベクトルを理解する為の図です。

最大値E(V) の3相交流発電機があります。回転子のコイル
の3個は120°ずつずれて スリップリングとブラシで常時電
気的に接続され外部の負荷に接続されています。(画面
のとうりです)

老いぼれ親父の電気工学

今磁界(N-S極)の中に発電機コイルが置かれて負荷、抵
抗Rが接続されています。(1図)

コイルが点Oを中心に矢印のように左回転するとします。
コイルの点Aは30度、60度と回転に伴い発電機の電圧が
上昇していくと考えます。例えば 現在位置から
60度回転した位置の、点Aと水平ライン(黒色)との
距離がそのときにおける電圧と考えます。従って、
現在位置が0V、90度位置が最大電圧、180度
位置が0V で、180度を越えると点Aの位置は
黒色ラインより下側になりマイナス(ー)になります。
270度ではーの最大電圧です。このマイナス(ー)は
電圧の向きが変わるということを意味して、それに
伴い電流の向きも図とは逆となります。ひと回り
すると(360度回転)再び現在の図の位置となります。

 同時にコイルの点B,Cでも同じ事が言えます

* 上記、必要あれば、1相発電機の項を再読されたし
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
図式化したもの(ベクトルと言います)を描いてあります。
(2図)
* 上記、必要あれば、1相発電機の項を再読されたし
2図で
1相分の起電力 Ea,Eb,Ec はそれぞれ 発電機コイルと同
じように120°ずつずれています。負荷がRのみですので 
線電流Ia,Ib,ICは各起電力(相電圧)と同相となります。
これが 3相回路の最も基本的な回路(Y-Y回路)です。

通常は 3相回路での計算(考察)は1相分(a相)を抜
き出して(3図)単相回路として計算してから、3相回路に
当てはめるのが常道かと考えます。
ーーーーーーーーーー
では まず
相電圧、最大値 E=200V で R=20Ω として
60度、240度での eとiの値を計算してみましょう。
E=IR(Z) から I=10A(最大値)となります。
------通常瞬時値は小文字e,i,で表します。ーーー
60度では → →  瞬時値ですヨ
Ea=200*SIN(60)度=173V
Eb=200*SIN(60+240)度=ー173V
Ec=200*sIN(60+120)度=0V
ia=10*SIN(60)度=8.7A
ib=10*SIN(60+240)度=ー8.7A
ic=10*SIN(60+120)度=0A
ーーー
240度では → →  瞬時値ですヨ
Ea=200*(SIN240)度=ー173V
Eb=200*(SIN240+240)度=173V
Ec=200*(SIN240+120)度=0V
ia=10*(SIN240)=ー8.7A
ib=10*(SIN240+240)度=8.7A
ic=10*(SIN240+120)度=0A

※ それぞれの 電圧と電流の合計は0Aになるでしょ
う・・
 いろんな角度で確認してみて下さい。上記の結果
になるはずです
ーーーーーーーーーーーーーー
3相3W平衡電源回路では
各起電力(電源)のベクトル和及び線電流のベクトル和は0
 となります。またその瞬時値もそれぞれ0となります
(3相3W平衡電源回路で、上記の一端が証明した事とな
りましようか??)
ーーーーーーーーーーーーーーー
ところで 発電機コイル本体の回転速度は???50HZでは
1秒当たり50回転します。(但しこの発電機の場合)
当然ベクトルも同じだけ回転すると考えます。
ーーーーーーーーーーーーー
注意:ベクトルは瞬時値の認識で表していますが通常は実効値で記述
する約束になっています又電圧、電流等もことわりがない限り
実効値を表します。これは約束です。

次に続く・・・・