13回目 3相発電機ベクトル の説明

「単相回路の概略は理解出来た事と思います。イヤまだだ!!
とおっしゃるなら、1回目から順番に12回目まで再度確認下さい」

「今回から3相回路の考察に入ります。単相回路が理解できれば
3相回路は特に難しい事はありません。ゆっくり少しずつ・・」
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3相交流回路のおけるベクトルを理解する為の図です。

最大値E(V) の3相交流発電機があります。回転子のコイル
の3個は120°ずつずれて スリップリングとブラシで常時電
気的に接続され外部の負荷に接続されています。(画面
のとうりです)

老いぼれ親父の電気工学

今磁界(N-S極)の中に発電機コイルが置かれて負荷、抵
抗Rが接続されています。(1図)

コイルが点Oを中心に矢印のように左回転するとします。
コイルの点Aは30度、60度と回転に伴い発電機の電圧が
上昇していくと考えます。例えば 現在位置から
60度回転した位置の、点Aと水平ライン(黒色)との
距離がそのときにおける電圧と考えます。従って、
現在位置が0V、90度位置が最大電圧、180度
位置が0V で、180度を越えると点Aの位置は
黒色ラインより下側になりマイナス(ー)になります。
270度ではーの最大電圧です。このマイナス(ー)は
電圧の向きが変わるということを意味して、それに
伴い電流の向きも図とは逆となります。ひと回り
すると(360度回転)再び現在の図の位置となります。

 同時にコイルの点B,Cでも同じ事が言えます

* 上記、必要あれば、1相発電機の項を再読されたし
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図式化したもの(ベクトルと言います)を描いてあります。
(2図)
* 上記、必要あれば、1相発電機の項を再読されたし
2図で
1相分の起電力 Ea,Eb,Ec はそれぞれ 発電機コイルと同
じように120°ずつずれています。負荷がRのみですので 
線電流Ia,Ib,ICは各起電力(相電圧)と同相となります。
これが 3相回路の最も基本的な回路(Y-Y回路)です。

通常は 3相回路での計算(考察)は1相分(a相)を抜
き出して(3図)単相回路として計算してから、3相回路に
当てはめるのが常道かと考えます。
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では まず
相電圧、最大値 E=200V で R=20Ω として
60度、240度での eとiの値を計算してみましょう。
E=IR(Z) から I=10A(最大値)となります。
------通常瞬時値は小文字e,i,で表します。ーーー
60度では → →  瞬時値ですヨ
Ea=200*SIN(60)度=173V
Eb=200*SIN(60+240)度=ー173V
Ec=200*sIN(60+120)度=0V
ia=10*SIN(60)度=8.7A
ib=10*SIN(60+240)度=ー8.7A
ic=10*SIN(60+120)度=0A
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240度では → →  瞬時値ですヨ
Ea=200*(SIN240)度=ー173V
Eb=200*(SIN240+240)度=173V
Ec=200*(SIN240+120)度=0V
ia=10*(SIN240)=ー8.7A
ib=10*(SIN240+240)度=8.7A
ic=10*(SIN240+120)度=0A

※ それぞれの 電圧と電流の合計は0Aになるでしょ
う・・
 いろんな角度で確認してみて下さい。上記の結果
になるはずです
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3相3W平衡電源回路では
各起電力(電源)のベクトル和及び線電流のベクトル和は0
 となります。またその瞬時値もそれぞれ0となります
(3相3W平衡電源回路で、上記の一端が証明した事とな
りましようか??)
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ところで 発電機コイル本体の回転速度は???50HZでは
1秒当たり50回転します。(但しこの発電機の場合)
当然ベクトルも同じだけ回転すると考えます。
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注意:ベクトルは瞬時値の認識で表していますが通常は実効値で記述
する約束になっています又電圧、電流等もことわりがない限り
実効値を表します。これは約束です。

次に続く・・・・