心のケア:過去を乗り越えるためのアドバイス
夢の中の不快な記憶
読者様から、夜ごとの夢に昔の不愉快な出来事が現れ、現実のように感じられるというご相談をいただきました。
そのような夢が頻繁に見られる場合、心理的なクリーニングが必要かもしれません。しかしながら、日々の生活の中で辛い経験を手放す努力をすることで、夢に見る悪い記憶を軽減できるかもしれません(これが私の願いです)。
専門家の助けを借りる
記事では自分自身で行える方法を中心にお話ししますが、問題が重大である場合には専門の支援を求めることが大切です。
心に深い傷を抱えていたり、PTSDが心配される時は、専門家への相談をお勧めします。
精神科医や心理カウンセラー、セラピストによる認知行動療法を受けることを検討してみてください。この治療法は薬を使用しないため、副作用の懸念がありません。
自分でできる心のケア
専門家の助けを求めずに自分で対処したい場合は、以下の7つの方法を試してみてください。
- 日記をつける:感じたことや考えたことを書き留めることで、気持ちの整理ができます。
- 運動をする:体を動かすことで心もリフレッシュします。
- 趣味を見つける:好きなことをする時間を作ることで、心の負担を軽減します。
- 呼吸法を学ぶ:深呼吸などのリラクゼーション技法で、心を落ち着かせます。
- ポジティブな人と過ごす:前向きな人との交流で、自分もポジティブになれます。
- 感謝の習慣をつける:毎日の小さな幸せを見つけて感謝することで、心が豊かになります。
- プロフェッショナルのサポートを受ける:根深い問題に対しては、専門家の支援を受けることも一つの手段です。
以上の方法を試すことで、過去の嫌な記憶との向き合い方が変わり、より良い未来へと進むことができるでしょう。
現状の認識
現在の重要性
過去の出来事から目を背けたくなる気持ちは理解できますが、その方法が功を奏しないのは、過去ではなく現在にその影響が残っているからです。
過去に起こった不愉快な出来事は、今の私たちを悩ませています。確かに過去も苦痛だったかもしれませんが、現在の心情に重きを置くべきです。「問題は過去に存在するのではなく、現在にある」との視点で物事を考えれば、過去の出来事に対して必要以上に固執することなく、前に進めるかもしれません。
過去を変えることはできませんが、現在、この時を変えることは可能です。今、過去の出来事に思い悩んでいるからこそ、不幸に感じているのです。
自分の現在の感情を管理することに集中しましょう。
自己解釈の力
私たちが経験する出来事に対して、「嫌な出来事だ」「大したことではない」「仕方がなかった」などといった様々な意味を自らが与えています。
出来事そのものに価値の良し悪しは存在しません。
こう述べると、「東日本大震災で大きな損害を受けた私は不幸ではないのか」「テロリズムに苦しむ国の子どもたちはどうなるのか」といった疑問が寄せられることがあります。
これらは確かに不幸であり、運が悪い出来事です。
しかし、一度起きてしまったことは変更不可能です。より楽しい現在を送るためには、過去の解釈や定義を見直すことが求められます。
一つの事件に対して、関わった人々それぞれが異なる解釈を持っています。
できることなら、過去の出来事を「当時はそう感じたけれど、実はそんなに悪いことではなかった」とか、「その時は非常に悔しい思いをしたけれど、相手の立場に立ってみれば、その行動が最も妥当だったのかもしれない」といった風に見方を変えてみてください。
心の中の過去を紙に映す
過去を見つめ直す勇気
辛い経験を心の奥に閉じ込めず、敢えてその記憶を引き出し、思い出のすべてを紙に記しましょう。細かいディテールまで振り返ることで、その出来事をより深く理解することができます。
感情の乱れを整理する
不快な記憶はしばしば、「この世で最も恐ろしい」「耐え難いほど悲しい」といった強い感情と結びついています。これらの感情を一旦置いて、事象を冷静に振り返ることで、「あれから20年、本当に今も恐れる必要があるのか?終わったことに今更何ができるだろう?」と自問自答することが可能になります。
記憶の詳細をノートに
不愉快だった出来事について、できるだけ詳細にノートに記入しましょう。その出来事が現在の自分にどのような影響を及ぼしているのか、詳細に書き留めてください。
自己反省と分析
その出来事に対して現在どのように感じ、どのように対応しているのか。それが自分の日常生活や人生全体にどのような影響を与えているのか、深く考えてみましょう。
日記から始める
言葉にするのが難しい場合は、日々の出来事とそれに対する感情を軽く書き留める普通の日記をつけることから始めると良いでしょう。日記を書くことで、過去の出来事を書き記すきっかけが生まれるかもしれません。
心身の反応に注意を
過去を振り返る試みが、フラッシュバックや動悸、手の震え、汗、足のすくみなど、強い身体的反応を引き起こす場合は、直ちに専門家の助けを求めてください。
心の平和を取り戻すために
現実との向き合い方
起こった出来事から目を背けず、自分自身で受け入れを見つけることが重要です。直面した事態に対して、個人的な解決を図らなければ前へと進むことはできません。
受け入れとは、過去に起こった不快な出来事を、既に終わった無関係なものとして捉え、現在の自己には影響を及ぼさないと理解することを意味します。
例えば、過去の辛い記憶を夢に見ても、それを中立的な記憶へと変換することで、心の動揺を避けることができます。そうすることで、悩みは解消されます。
夢に見たとしても、それが悪夢に変わることはありません。
過去の出来事を無理に忘れ去ろうとしても、それは不可能です。記憶は時に思い出され、夢に現れるたびに強化されます。
「その件で謝罪を受けなければ納得できない」と感じると、記憶はより固定化され、再び夢に現れるようになります。
心に残る深い傷を消そうとすると、新たな問題が生じることがあります。感情を他のことで補おうとすると、何かに依存するようになるかもしれません。
時には時間が解決してくれることもありますが、幸せを感じる選択をすることで、精神的にも健康を保つことができ、そういった選択は十分に可能です。
どのような出来事に対処するかは、相談者自身で見つけ出す必要があります。
マインドフルネスの活用
現在に集中する技術
マインドフルネスとは、現在の瞬間に生きることを意味します。先に述べたように、問題は現在に存在するため、今この時に焦点を当て、行うべきことや考えるべきことに集中することが大切です。
人間の脳は、同時に2つの事柄を考えることができません。
心が現在の事柄で満たされている時は、他のことについては考えられなくなります。
不快な記憶からの解放
ネガティブな痕跡を除去
身の回りから不快な過去を連想させるアイテムや習慣を排除しましょう。不意に悲しい記憶を呼び覚ますことがあるため、これらを取り除くことが重要です。
例えば、ある方が「辛い過去に関連する全てを処理した」と報告していますが、もう一度確認してみてください。意識していなくとも、心に影を落とす物が周囲に残っていることがあります。
悲しい記憶が蘇る瞬間を特定できない場合は、その時何をしていたか、日常と異なる行動をしていたかをメモすると、原因が見えてくるかもしれません。視覚だけでなく、聴覚や嗅覚を刺激することでも記憶が甦ることがあります。
物質的な引き金は取り除くことができますが、場所に関してはそう簡単ではありません。
被害者意識からの脱却
人間関係に起因する過去の問題に対しては、被害者意識を手放すことで、その出来事を中立的なものへと変化させることが可能です。
被害者意識とは、自分に起きた不幸を外部の人や状況のせいにしてしまう思考パターンです。これにより、「自分は無関係」と自己認識してしまうことがあります。
このような思考の習慣を持つ人は、過去の辛い出来事を容易には忘れられません。被害者として、何らかの形での補償を望み、それが叶わなければ出来事を忘れることができないのです。
特に、被害者意識が強い人は、他者から何かを得るべきだと考えがちです。それが得られないと感じると充足感を得られません。欲しいものには、特別な扱いや認知などが含まれます。
子供時代の影響
想像してみてください、幼少期が毒親のもとで過ごしたとします。これは非常に悲しい状況です。
理解と同情
幼い頃、親のもとで生活していた間、あなたは疑いようもなく被害を受けていたかもしれません。
成長と自立
しかし、現在はもう成人です。親元を離れて独立しています。成人として、過去に囚われずに現在をどう生きるかは、自分で選べるのです。
責任と解放
辛いかもしれませんが、被害者意識を持たず、主体的になることを選んでください。自分の感情や行動に責任を持つことを決心した時、不快な記憶から自由になれます。
過去を手放す技
これまでに、過去の不愉快な記憶を手放すための7つの方法を紹介しました。
しかしながら、ご相談者様の場合、問題は夢にあるため、日中の活動を充実させても、夢が変わらない可能性があります。これは私のような素人には対応しきれない部分です。
日常生活が比較的楽しくなっても、夢に悩まされ続けるようであれば、心理学や夢、脳の機能について研究する専門家に相談してみてください。