原作漫画を読んだことのない人間が果たして語ることを許されるのか、否か。そんなことを念頭に置いて評価しようと思います。



あらすじ

  1. 漫画家アシスタントの鈴木英雄は、謎の感染症で人々が「ZQN(ゾキュン)」へ変貌する惨劇に巻き込まれる。  
  2. 恋人を失った英雄は、女子高生・比呂美と出会い、生き延びるために逃避行を始める。  
  3. 逃亡の途中で元看護師・藪と合流し、感染者があふれる日本を必死に生き抜いていく。  
  4. 極限状態の中で、気弱だった英雄は仲間を守るために覚悟を決め、猟銃を手に戦う。  
  5. 生存者たちは巨大なZQNとの死闘に挑み、それぞれの「ヒーロー」とは何かを問いかける物語となる。  

ポイントは3つ。
「ヒーロー」と鈴木英雄
ゾンビ映画として。
大泉洋の演技


1.「ヒーロー」と鈴木英雄


タイトルの「アイアムアヒーロー」は勿論邦訳は「私は英雄」という意味です。これは一般的な英雄つまりヒーローと、主人公鈴木英雄が重なるよう意図的に仕組まれています。そこに原作漫画家花沢健吾のセンスを感じますよね。

とくに注目すべきは、最初と最後の英雄が名乗る時の違いです。

最初、英雄は「ヒーローの英雄と書いて英雄である」と名乗りますが、最後ゾンビの蔓延るアウトレットから脱出した際、車の中で名を聞かれ答えた時には、

「ただの英雄です。」と答えています。漫画家として売れるという夢と過去新人賞で佳作を取ったことにすがりついていた英雄が自分のことをヒーローだとは思わずに、ゾンビとの格闘や辛い旅を終えた時、自分はただの英雄だと胸を張って言った、というラストは主人公の成長と辛い旅を超えた後に訪れる僅かな成果だと言えます。


2.ゾンビ映画として。



ゾンビ映画として評価するとどうか、というとかなり躍動感ある見ていて飽きない感じです。決してホラーではないですが、グロデスクな要素(R15)が多々登場するのでそこは注意しなければならないのかもしれません。

パニック展開がかなり頻発して起こるので常に山場で感情が疲れます。観客を飽きさせまいとかなり必死に努力しています。


3.大泉洋の演技



大泉洋流石だなぁ、というか。

適役すぎるだろ、というか。

何というか。情けない役が似合いますね。それとなく自然な空気を演出できる稀有な俳優です。

しかしそれだけではなく、迫真の演技もでき、これは別の映画ですが、「室町無頼」という歴史物の映画があって。そこでも主演を務めていて。情けない役というかどうしようもない男かと思えば一方で貫禄のある男も演じ切れる。

大泉洋の多彩さが目立つ作品でした。