今から75年前の1949年(昭和24年)7月5日、初代国鉄(現、JR)総裁だった下山定則氏。

足立区の綾瀬付近の鉄道レール上で,機関車に引かれたバラバラの轢死体で見つかった。

享年47歳だった。

 

自殺か、他殺か。

 

東京帝国大学(現・東大)の工学部機械学科を卒業して、官庁(現在の国交省)へ入省。

技術職として優秀な方だった。温かいお人柄且つ不正や汚職も嫌う人物。

 

轢死体で発見される前日の7月4日、同氏は、GHQからの要請で復員後に国鉄で働く10万人の労働者のうち、3万7千人の解雇を通告せざるえなかった。

「俺は、労働者を切れない。」と言っていた。大国、戦勝国のアメリカの意向に逆らった。

アメリカは、来年予定しているベトナム戦争の為の戦争物資を運び、戦勝するために国鉄を意のままに動かす必要があった。

7月5日は、同氏が再度GHQへ行き彼らの意向を聞く事、そして自分の意見を述べるつもりだった重要な日だったのだろう。

仕事が終わり大田区の私宅へ戻ると、名古屋大学から帰宅する長男と久しぶりに家族一同が対面する日だった。

だから、この日に自殺は有り得ない。

 

7月4日、運転手付きの車で何時ものように国鉄へ出勤しようとした同氏、

この日は突然、日本橋三越百貨店本店に入った。「5分で戻る。」

目撃証言では、「氏が店内で、4-5人の男性に囲まれていた」との事。

その後、氏は拉致されたのだろう。運転手の車に戻らなかった。

 

綾瀬付近のGHQへ協力する亜細亜工業の工場で、彼らから毒物を注射されて殺害されたらしい。
 

ドラマ

下山事件の真相を追い求めた検事役に、森山未来氏。

パリピ孔明のサングラス男とは別人の演技、流石。

大沢たかお氏は、他殺を主張する推理作家の松本清張氏を演じた。

佐藤隆太氏は、検事に情報を提供して真実を追い求める朝日新聞の記者を演じている。

CMに出ていた会社の不祥事もあったが、早々と降板して良かった。ルーキーズの教師役など得難い名優である。

 

警視庁の捜査1課(殺人事件担当)は、自殺説。

捜査2課(知能犯担当)は、他殺説。

2課の他殺説を知った捜査1課の課長は、2課の刑事たちを所轄署へ転勤させた。

酷い事をする人だ。その後の人生で、きっと罰が当たっているはず。

 

硬質の非常に面白いドラマです。第二部は、22時から放送します。

 

 

下山氏のご遺族

奥様も、お子様たち男性4名も現在誰も生存していません。

遺児では、次男さん以下3名が先に死亡、最後に長男さんが死亡。

優秀なご一家で、長男は国鉄勤務後、関連企業の社長。

他の御兄弟も、三菱電機、東京海上火災(当時の社名)など、そうそうたる大企業へお勤めなさった。

お子さん(お孫さん)はいらっしゃるそうです。マスコミは触れていません。

下山家は、府中市にお墓が有ります。ご家族は、そこで静かに眠っています。

ご立派な方を、協力者と自国の諜報員を使い、無残に殺した酷い某国。

 

未解決事件のドラマの再放送を望みます。NHK+