「X-MEN」は1作も観ておらず、「デッドプール」の前作ももう6年前で、内容はうろ覚えだ。

だが監督が、「ウルヴァリン」を知らない人にも楽しめるように作った、とコメントしているので観に行くことにした。

 

デッドプールは一縷の望みを託して、「LOGAN/ローガン」で埋葬されたウルヴァリンを掘り起こしている。

しかしウルヴァリンはやはり死亡しており白骨化していた。

そこに、デッドプールを襲撃する一団が現れる。

デッドプールはその一団を撃退し、まともなウルヴァリンを探していろいろなマルチバースをさまよう事になった。

 

ウェイド(デッドプール、ライアン・レイノルズ)はアベンジャーズに志願をするが、スターク社の警備部長のホーガンに断られてしまう。

失意のウェイドはヒーローからの引退を決意、ピーターとともに中古車販売会社に勤務していた。

ある日ピーターがサプライズでウェイドの誕生パーティを開いてくれているとき、Time Variance Authority(時間変異取締局)の職員が現れた。

彼らに連れられてTVAの事務所に行くと、パラドックスと言う男が、ウェイドのいる世界のキーマンであるウルヴァリンが死んだため、この世界は緩やかに滅びると告げた。

そして滅びるまでには数千年だが、パラドックスはそんなに悠長に待っていられないので、すぐに世界を滅ぼすと言い出した。

慌てたウェイドはデッドプールとなり、様々なマルチバースで代わりとなるウルヴァリンを探した。

やっとまともそうなウルヴァリンを見つけて元の世界に戻るものの、パラドックスは「よりによって最低のウルヴァリンを連れ帰ってきた」とあきれる。

そして二人を虚無(ヴォイド)へと転送した。

 

ヴォイドに飛ばされたデッドプールとウルヴァリンは、そこでヴォイドを支配するカサンドラ・ノヴァと出会う。

カサンドラはX-MENのスーパーヴィランであるプロフェッサーXの双子の妹で、TVAによってヴォイドに飛ばされたミュータントたちを支配していた。

デッドプールとウルヴァリンもカサンドラの手下につかまり、カサンドラから自分の配下に入るか死ぬかの選択を迫られるが、なんとかその場を脱出する。

そしてヴォイドでカサンドラの配下に入っていないミュータントたちを集め、カサンドラを倒してヴォイドからの脱出を企てる。

 

映画を観た後で自分で書いた「デッドプール2」の感想を読み返すと、すっかり忘れていたが、ウルヴァリンこそ出演していないものの、X-MENのキャラが数多く出演していると書いていた。

今さら遅いが、その時点でX-MENを見ておくべきだったのだ。

なぜならこの作品はタイトルこそ「デッドプール&ウルヴァリン」だが、基本的には「X-MEN」シリーズの最新作だからである。

しかし最初にも書いたが、監督のコメント通り「ウルヴァリン」や「X-MEN」を知らなくてもかなり楽しめる。

元々「X-MEN」シリーズは20世紀FOXの制作で、20世紀FOXがディズニーに買収された後に引き継がれたのだが、そのあたりをデッドプールがかなりイジっている。

さらに、冒頭でウェイドがアベンジャーズに志願をしているように、アベンジャーズシリーズに関することもここそこに登場していた。

そもそもカサンドラがいるヴォイドは、ロキが隠れ住んでいた世界らしい。

そしてカサンドラのアジトは巨大化したアントマンのスーツで、ドクター・ストレンジの指輪も登場する。

また、この後の展開を想像させる形でソーも登場した。

クリス・エヴァンスが登場した時にデッドプールが「キャプテン!」と喜ぶが、実はファンタスティック・フォーのヒューマン・トーチを演じていたというオチも面白かった。

 

この作品を観ると、やはり「X-MEN」シリーズも観なければと思うし、ディズニーの配信作品も見ておいた方がいいかな、とも思う。

実際には配信作品はかなりレベルが低い作品ばかりで、全話見るのは苦痛というシリーズがほとんどだと聞く。

ディズニーが配信作品を多発して全体のレベルを急降下させてしまい、かつ劇場公開より配信を重視したため、古くからの本物のファンの多くが離れてしまうという事態を引き起こした。

完全にマーケティングに失敗した格好だが、この作品は劇場にファンを集め、配信も見ようかなと思わせる王道のマーケティングに戻った感がある。

さらに、マルチバースを使えば「何でもあり」で、今回のウルヴァリンのようにご都合主義的に死んだキャラをガンガン生きかえらせる事も可能である。

そうなるとさらに作品が安っぽくなりそうだが、この作品ではマルチバースを収縮する方向に舵を切っており、今後は作品のレベルアップも期待できそうである。

 

 

99.デッドプール&ウルヴァリン



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