3月公開の前章に続く後章である。

 

前章で、小学5年生の時に門出がビルから飛び降りる別のマルチバースから、門出と桜蘭は桜蘭の意思で現在の世界線に移動してきたことがわかった。

だが移動後の世界線では門出が起こした事件がなかった事となっていたため、侵略者たちが母船に乗って地球に飛来することになってしまった。

 

そして母船は、ある乗員の操作によりエネルギー源が限界を迎え、数日のうちに落下することがわかった。

東京では侵略者たちを友好的に迎えるか、あるいは攻撃して撃退するか、意見が真っ二つに分かれ、暴動が起きる寸前だった。

その間政府は、新国立競技場の地下に作った方舟で、一部の人類を大気圏外に避難させようと画策していた。

 

桜蘭たちは出会った大葉の体を借りた侵略者と行動し、母船がもうすぐ墜落することを知る。

そして大葉の侵略者は、墜落を阻止のためにエネルギー源の制御をしようと、母船を目指した。

しかし、一部の終末論を信じているグループは母船を墜落させるために、大葉の行動を阻止しようとする。

 

正直後編は、展開が早すぎてついて行くのが難しかった。

原作を読んでいればわかるのだろうが、母船の墜落で人類が滅亡する事について、いろいろなプレイヤーがいろいろな考えの元で行動しているため、それを整理するのに精いっぱいになってしまった。

 

侵略者たちはかつて地球に住んでいた一族の末裔だが、なぜ現在の彼らの施政者が、母船を地球に飛ばしたのかが最後までよくわからなかった。

母船の搭乗者たちは施政者に騙されて地球に来ているのだが、母船のエネルギー源を限界にして墜落させる理由もよくわからなかった。

日本政府が、その事をいつ察知して方舟を作っていたのかもよくわからないし、少々ネタバレになるが、クライマックスの「光」も何が原因なのかわからなかった。

 

ただ、作品のテーマはわかった。

どんな事態になっても桜蘭は親友の門出を裏切らない、そのために世界線が変わって地球が破滅の危機になっても、桜蘭は後悔をしない、がテーマだ。

 

大葉が母船を目指すまで、地上では侵略に対してどう行動するかの議論が激しく行われるのだが、一方から見れば間違いでも、反対側に立つ者から見れば正論になる、この見せ方は、浅野にいおらしいと思う。

お互い相手の話に耳を傾けず、自分の主張だけを繰り返して話が嚙み合わないまま論争を繰り返すと言う、現在の日本社会を揶揄しているようでもある。

ただ、この部分が非常に良い出来なので、ラストが門出と桜蘭の友情、だけで終わってしまうのは、少々もったいないかな、とも思った。

 

原作のラストはもう少し深堀りしているらしいので、機会があればそちらも読んでみたいと思う。

 

 

74.デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章

 



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