「猿の惑星」シリーズの最新作だ。

「猿の惑星」は「猿の惑星:新世紀」の印象が強く、ここから1968年版のオリジナル「猿の惑星」につながるラスト、と言うイメージが強かったのだが、実際には「新世紀」の後に「聖戦記」が公開されていて、オリジナルにつながるラストはこちらの方だった。

ただ、「聖戦記」はほぼラストだけしか覚えておらず、自分が書いた感想の備忘録を読み返してもストーリーはおぼろげだ。

 

リーダーのシーザーが死去した「聖戦記」のラストから約300年後の地球、猿たちは種族ごとに分かれ、あたかもかつての人類のように暮らしていた。

鷲と暮らすチンパンジーのイーグル族も、一族の掟を護って静かに暮していた。

だが一族の大切な儀式のときに、村に人間が紛れ込む。

そしてその人間を追ってきた兵士たちにより、村は殲滅され一族は奴隷として連れ去られてしまった。

リーダーを継ぐ予定だったノアは、紛れ込んだ人間のメイとともに、一族を連れ戻すために旅に出る。

その途中、やはり兵士たちに一族を殺されたオランウータンのラカと合流する。

しかし3人は途中で兵士たちに見つかり、ラカは川に流されてしまう。

ノアとメイは捕まり、兵士たちを統率するプロキシマスの拠点に連れていかれた。

 

プロキシマスは海岸に拠点を構え、かつて人類が建造した巨大な格納庫をこじ開けようとしていた。

しかもプロキシマスは、普通に衣服をまとい会話のできるトレヴェイサンから、歴史教育を受けていた。

トレヴェイサンはメイが会話ができる事を見抜き、ここで大人しく暮らせばいい、そうすれば何不自由なく暮らせると説得した。

しかしメイには目的があった。

それは、プロキシマスがこじ開けようとしている格納庫にある物体を手に入れる事だった。

 

ストーリーは、猿を題材としている以外はどこかで見たような歴史スペクタクルである。

支配者のプロキシマスと、扉を開けるために奴隷となった他の種族、そして奴隷になった仲間を助けに来たノア。

そこに、人間が退化していると言う「猿の惑星」シリーズの設定が組み込まれている。

猿の表情や動きのCGは素晴らしく、本当の猿が演技しているように見える。

猿同士のバトルも重量感がよく再現されて、迫力がある。

 

ただ前作でシーザーが死に、一度オリジナルにつなげる形で終わりにした流れに、今回のストーリーを無理やりねじ込んだ感は、正直ある。

全体が丁寧に作られているため単体の作品としては悪くはないと思うが、やはりシリーズ全体の重要な要素である「退化していく人類」と言う部分では、ちょっと組み込み方が強引かな、と言う気もした。

少々ネタバレに近くなってしまうが、オリジナル版では人類は完全に退化をしていると言うバッドエンディングなのだから、そこにつなげるまでに中途半端に明るい未来を残しても、意味はないように思った。

 

 

69.猿の惑星/キングダム



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