前作もゴジラの立ち位置が中途半端な作品だったが、今回もやはり中途半端で、さらにかなり強引な展開の作品だった。

 

前作から3年後、コングは前作で見つかった地下空洞で暮している。

人間並みの知恵を持ち、空洞内の巨大爬虫生物を罠におびき寄せて狩っていた。

人類は地下空洞に基地を作り、そんなコングを観察していた。

一方ゴジラは、地上で自分に敵対する巨大生物と戦って駆除していた。

コングとゴジラが地下と地上に分かれて均衡を保っていることが、結果的に人類の平和を護る事になっていると、学者のアドリュースは報告をした。

 

そんな時、コングの観察班が電波信号を観測する。

成長して学校に通っていた最後のイーウィス族ジアも、それと同じ波長の信号を感じていた。

ジアの母となっていたアンドリュースはその事を所属する機関モナークに報告するが、誰も取り合ってくれない。

そこでアンドリュースは、前作でエイペックス社がメカゴジラを開発している事を突き止めた、SNSを配信するバーニーに声を掛ける。

バーニーはアンドリュースが見せる信号の波長は同じものだと判断し、二人はコングの観察をする空洞内の基地に向かう事にする。

そこにコングの主治医である獣医のトラッパーとジアも加わった。

 

ここまででもストーリー展開はかなり強引だ。

モナークがアンドリュースの話を聞かないとは言う設定ではあるものの、正式な施設であるコングの観察基地に向かうメンバーが主要キャストだけと言うのは、いくらなんでも無理がある。

戦隊モノの1話を見ているかのような安っぽさだ。

さらに、イーウィス族と祖先を一緒にする地下空洞の一族がいきなり登場する。

彼らが空洞内の生態系でどのような位置付けにいて、どのように暮らしているのかなどは何も説明がないので、突然登場してきた違和感がハンパない。

 

ゴジラの位置付けも、相変わらず中途半端だ。

結果的にとは言え人類を護る存在なのに、ゴジラが原子力発電所からエネルギーを吸収しようとすると、戦闘機で攻撃を始めてしまう。

もしそれでゴジラを倒してしまったら、その後は誰が巨大生物から人類を護るのか、疑問を感じてしまう。

 

ただ、ゴジラとコングのバトルは短いながら、迫力があった。

コングは共通の敵を倒すために地上に上がるのだが、コングを見つけた瞬間ゴジラはコングに突進してブレンバスターをかましてしまう。

前作でも、邂逅直後にコングがゴジラに強烈な右ストレートを食らわせたが、今回もこの2頭のバトルは見ごたえがあった。

しかしその後のバトルは見た目は派手だが、迫力と言う部分では物足りなかった。

 

そもそも、「シン・ゴジラ」と「ゴジラ-1.0」を観た後では、どんなゴジラを観ても満足できないだろうという事は予測できていた。

「シン・ゴジラ」を観た後に前作を観た時にも「ダメだこりゃ」と感じたが、今回も同じく予想通りに「ダメだこりゃ」だった。

この後続編が公開されても、おそらくもう観に行く事はないだろう。

 

 

67.ゴジラxコング 新たなる帝国



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