プレスリーの妻であるプリシラを描いた作品だ。

2022年に公開された「エルヴィス」では、プレスリーが時代に翻弄された様子が描かれていたので、この映画ではプリシラの視線でそれらが描かれているのかと思ったが、プレスリー自身についてはほとんど描かれず、プリシラの生涯と言う内容だった。

 

1959年、ジュニアハイスクル―ルに通う14歳のプリシラは、軍人の父が赴任する西ドイツに来ていた。

西ドイツに馴染むことができずにいたプリシラに、同じ米軍の若い軍人が声を掛ける。

彼は、やはり従軍で西ドイツに来ていたプレスリーと音楽仲間で、妻と一緒に彼の家のパーティに行くのだが、一緒に来ないかと誘ってくれた。

プリシラの両親は当初反対をするが、プリシラは誘ってくれた軍人夫婦と一緒にプレスリーのパーティに行く。

そこでプレスリーとプリシラは、お互いに一目ぼれする。

やがてプレスリーは従軍を終えアメリカに帰国することになる。

プリシラは自分もアメリカに帰ると言い出すが、両親はもちろんプレスリーにも説得され、西ドイツに残る事となった。

2年がたちプリシラはハイスクル―に通っていた。

するとある日、プレスリーから連絡が来る。

アメリカに来て自分の家族と一緒に暮らさないかと言う。

心躍るプリシラだが、父親は当然反対をする。

しかしプレスリーが、必ずアメリカでハイスクールを卒業させると約束したため、プリシラは父と一緒にプレスリーの家を訪れる。

そこで父も納得し、プリシラはアメリカで暮すことになる。

 

だが、アメリカでプレスリーと暮らすという事は簡単な事ではなく、特にまだハイスクールに通うプリシラにはいろいろと制限が掛けられた。

友達を家に呼ぶことはできず、犬と遊ぶのもメディアに撮影されないように、門から離れた場所でなければならない。

プレスリーがツアーで留守にしても、プリシラはついて行くことはできない。

さらに、プレスリーは映画の相手役の女優とも噂になる。

プリシラはしだいにいら立つようになり、プレスリーとのケンカも多くなっていった。

 

作品の中で、プリシラはかなり俗人に描かれている。

西ドイツにいたころはミドルティーンなので仕方がないかもしれないが、プレスリーと暮らすようになり学校の成績がふるわないと、プレスリーの名前を使ってカンニングをしたりする。

また成人になってからも、自分の感情を抑えようとはしない。

そのあたりは事実に忠実なのかもしれないが、観ていてちょっと興醒めしてしまった。

プレスリーもプリシラを大切にしている事は伝わってくるが、「エルヴィス」で描かれていた彼の苦悩には触れられておらず、かなり軽薄な人間に描かれている。

 

先に「エルヴィス」を観ていた事で期待をし過ぎてしまった部分もあるが、あまりにも「薄い」内容で、正直観終わった後かなりガッカリした。

 

 

63.プリシラ



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