NHKがまた面白そうな番組をスタートさせた。

「完全なる問題作」だ。

レギュラー放送ではないようだが、NHKの場合レギュラー放送ではない番組の方が面白いケースが多い。

第一回のテーマは「The Catcher in the Rye」、つまり「ライ麦畑でつかまえて」だ。

 

「ライ麦畑でつかまえて」は学生時代に読んだ。

なんで読もうと思ったのかは覚えていないが、調べてみると私が大学生になったあたりに新版が発売されているので、書店で平積みになっていたのかもしれない。

書名くらいは知っていたので手に取ったのだと思うが、読んだことを強く後悔した記憶がある。

ストーリー展開が散漫で、頭がおかしくなりそうになったためだ。

なんでこんな本が話題になっていたのか、当時はよくわからなかった。

しかし今回放送された「完全なる問題作」で、その意味が理解できた。

 

「The Catcher in the Rye」がアメリカで発行されたのは1951年、ちょうどマッカーシズムが吹き荒れていたころだ。

強硬的な政府に拒否反応を示す若者やリベラル派が多くなった頃で、「The Catcher in the Rye」は彼らの心をつかんだのだった。

特にリベラル派に強く支持されたため、「The Catcher in the Rye」は2009年までアメリカで禁書扱いになっていたそうだ。

 

作者のサリンジャーは父がドイツ系のユダヤ人だったが、母はユダヤ人ではなかったため、ユダヤのコミュニティからも受け入れられずにいた。

当然、ユダヤ以外のコミュニティにも身の置き場はない。

さらに第二次世界大戦で従軍し、ユダヤ人の収容所をいくつも解放した。

そこで見た凄惨な現場が、彼の精神に大きな影響を与えたとの事だ。

 

「The Catcher in the Rye」が発行されたときに、アメリカ社会ではサリンジャーに共感した若者が多かったのだろう。

その後も世界中で出版され、当時のアメリカ社会と似たような環境の国では、やはり支持されたのかもしれない。

ただ個人的には、文学作品として評価をされるべき作品ではないように思う。

ちょうど同じ時期に、政治学の課題でレーニンの「国家と革命」を読んだのだが、こちらもテーマがテーマだけに、内容を理解するのが難しかった。

この2作品以降、翻訳された本を読むことはしていない。



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