地上波放送された魔女の宅急便を録画して見る。

「君たちはどう生きるか」が米アカデミー賞を受賞した事で、映画の再プッシュのパブかと思ったが、ジブリパークの魔女の谷エリアオープンのパブの方が、意味合いが強かったようだ。

 

それはさておき、この作品ももう20回近く見ているが、今回初めて気づいた事がある。

一つは、キキの声優高山みなみが、森の画家ウルスラの声も担当していた事である。

ウルスラは落ち込んでいるキキを励まして、立ち直るきっかけを作ってくれる重要なキャラだ。

キキとウルスラは二人だけの会話シーンがほとんどだが、今まで違和感を感じず一人の声である事にまったく気づかなかった。

 

もう一つは、キキがトンボと海辺にいた時、トンボが女友達に声を掛けられるとキキの機嫌が急に悪くなるシーンだ。

これは、単純にキキがトンボに焼きもちをやいたのだと思っていたが、それだけではなく、キキがニシンのパイを届けた老婦人の孫が、車の助手席に乗っていたからのようだ。

この女友達たちは、エンドロールでトンボが人力飛行機を運転している時に車で追いかけている姿が映るが、そこに老婦人の孫が乗っていたかは確認ができなかった。

 

作品自体は今回が地上波放送17回目で、これまでは視聴率が10%を切った事が一度もない。

劇場公開は1989年だから35年前の作品になるのだが、まったく古臭く感じない。

中間色の濃淡と明暗を巧く使っているため、背景はスタティックだが画面に奥行きを感じる。

アニメなのに実写のような空気感が醸し出されている。

列車の動きの重量感などはリアルで、一方空飛ぶキキの浮遊感はデフォルメされており、この両方がマッチして違和感をまったく感じない。

これこそが宮崎駿の実力と言えるだろう。

 

この後、宮崎駿作品を含めたジブリ作品は、濃淡も明暗もはっきりメリハリがついた作風になっていく。

デジタルで彩色が始まったためだと思うが、個人的には宮崎駿作品は初期の作品の方が深みがあって好きである。

 

 

48.魔女の宅急便(再)



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