公開は2016年で、非常に評価の高いストップモーションアニメと言う事で、地上波放送を録画して見た。

しかし個人的には、欧米人が日本と中国をごっちゃにして世界観を考えた、かなり強引な作品の印象を受けた。

日本の中世らしき世界で、一人の女が赤ん坊と一緒に浜辺に流れ着く。

赤ん坊は左目を失っていた。

赤ん坊はクボと名付けられ、岸壁の洞穴で母のサリアツと一緒に暮らしていた。

クボは三味線を弾いて折り紙など自由に動かす不思議な力を持っており、近くの村でたびたび物語を演じ、人気になっていた。

クボの物語はサリアツから聞いているハンゾウと言う侍の物語だが、母は浜辺に流れ着いたときに心を壊してしまい、物語を最後まで語る事はなかった。

 

村の祭りの日、クボは仲の良い老婆のカメヨから、夜の灯篭を灯すイベントに参加するように誘われる。

心を病む母のために日暮れまでに帰宅していたクボだが、その日は灯篭を灯すために夜の祭りに参加した。

灯篭は死者をと話をするための儀式だと教えられたクボは、会った事のない父に話しかけようとする。

すると、謎の二人の女が現れ襲い掛かってきた。

二人は母の妹で、クボの右目を月の帝に捧げろと言う。

月の帝は母の父、クボの祖父で、父は月の帝と闘って命を落としていた。

戦闘中に母が現れ、父の形見の折れない刀、開かない鎧、割れない兜を捜せと言う。

母は最後の魔法を使い、クボが持っていたお守りとともにクボを遠くに飛ばした。

 

雪の中でクボは目覚める。

近くにいたのは、かつて久保が持っていたお守りのサルだった。

母がお守りを本物のサルにしたのだ。

クボとサルは刀、鎧、兜の三種の神器を求めて旅を始める。

 

ストーリーはこの後、父の家来であったと言うクワガタと出会う。

3人は冒険の中で三種の神器を捜し、ラスボスの月の帝と闘うと言う展開だ。

主人公のクボを、しっかり者のサルと天然キャラのクワガタが支えると言う構図だが、はっきり言って目新しさはない。

三味線で折り紙を操ると言うのも斬新なように見えるが、一般のアニメなどで似たような演出があったように思う。

三種の神器の発見、月の帝との対決も、どこかで見たようなエピソードで既視感がハンパなかった。

 

なぜこの作品が評価されているのかと言うと、やはりストップモーションアニメという部分か。

正直、見ていて3Dアニメかと思うほどの滑らかな動きで、とてもストップモーションアニメには見えなかった。ただ「JUNK HEAD」を観てからは、技術だけのストップモーションアニメを観てもあまり感動できなくなってしまった。

「JUNK HEAD」は動きはぎこちないが、逆にその部分をうまく利用して面白さを演出していた。

3D技術が進んでいる昨今、動きの滑らかさだけで評価されるのは難しいかな、と思った。

 

 

42.KUBO/クボ 二本の弦の秘密



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