第二次大戦以前の朝鮮半島の歴史はまったく知らないのだが、この作品は李王朝第16代王である仁祖とその王子ソヒョン世子が毒殺された史実を基にしている作品だ。

 

盲目の医師ギョンスは、ある日宮廷に関係する患者の病名を見事に言い当てたため、宮廷御用達の鍼灸師になれるチャンスを得た。

ギョンスは、病気の幼い弟のためにその命を受ける事にするが、1か月間住み込みで研修を受けなければならなかった。

 

ちょうど国王仁祖の長男ソヒョン世子夫妻が、人質となっていた清国から宮廷に帰国するタイミングと重なっていた。

ギョンスは王の侍従医であるヒョンイクにも気に入られ、ソヒョン世子夫妻からも信頼を得ていた。

しかし宮廷では陰謀が渦巻いていた。

仁祖は8年前、ソヒョン世子が人質となった丙子の乱で清に負けた屈辱を忘れていなかったが、当のソヒョン世子は8年間の清での生活で、西欧の文化も取り入れた清の社会に感化を受け、李も変革するべきだと主張した。

親子の仲は断裂し、仁祖の怒りは頂点に達した。

そして侍従医のヒョンイクに、ソヒョン世子の毒殺を命じる。

ヒョンイクは命令通り毒殺を実行するが、偶然ギョンスがその現場を「目撃」してしまった。

 

映画館の作品情報を見た段階では、盲目のギョンスが感じた音や匂いなどからソヒョン世子殺しの犯人に迫るミステリー作品かと思った。

しかしそうではなく、目撃者としての痕跡を残してしまったギョンスが、目撃者を捜索する仁祖から逃れると言う内容だった。

構成としては、キーとなる登場人物が前半でほぼ出そろっており、はっきり言って目撃者の捜索が始まるあたりから結末がわかってしまう。

そのため、仁祖と手下たちが目撃者を追い詰めるのがこの作品の見どころになるのだが、正直その部分がやや甘いかなと感じた。

もう少しギョンスの「盲目」と言う部分や、ソヒョン世子の妻カンビンと息子を巧く使うことができのではないかとも思った。

 

 

34.梟-フクロウ-



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