リドリー・スコットが1991年に制作した作品で、未見だったが今回4Kリマスター版が公開されたので観に行くことにした。

 

アーカンソー州のレストランで働くルイーズ(スーザン・サランドン)は、親友のテルマ(ジーナ・デイヴィス)と週末に旅行に行く計画を立てていた。

レストランのオーナーが別荘を手放すため、それまでは従業員が自由に使っていいことになっていたためだ。

テルマは若くして結婚した専業主婦だが、夫からモラルハラスメントを受けていたものの、恋愛経験もほとんどないため夫に言われるがままに暮らしていた。

ルイーズはそんなテルマを連れ出そうとしたのだ。

テルマは夫が怖くて、旅行に行くことを言い出せないまま二人は出発する。

 

夜遅く、途中のダイニングバーでテルマは自宅に電話をするが、夫はまだ帰宅していない。

好き放題をする夫にテルマは呆れ、ついつい羽目を外してダイニングバーで声を掛けられた男とダンスを踊り続ける。

ルイーズは会計をして出発しようとするが、テルマは見当たらない。

ルイーズが二人を探すために店の外に出ると、テルマは駐車場でレイプされかけていた。

ルイーズは思わず、テルマの荷物にあった拳銃で男を撃ち殺してしまう。

二人はその場から逃げ出すが、テルマは自分がレイプされそうだったと事情を話して自首しようと言う。

しかしルイーズは、あんたは一晩中店で男とチークを踊っていた、レイプされそうになったなんて話を誰も信用しないと、テルマの提案を却下した。

 

ルイーズはそのまま、メキシコに逃亡しようと考えていた。

ボーイフレンドのジミーに、後で返すから自分の預金と同金額を送金してほしいと連絡をする。

ジミーは詳しい事情を聞かず、送金を約束してくれた。

しかしその間、テルマが若い男(ブラッド・ピット)に引っかかっていた。

男はJ.D.と名乗り、自分は学生でオクラホマシティまで乗せてほしいと言う。

だがルイーズは当然拒否、テルマもJ.D.を気の毒そうに見ていたが、ルイーズの判断に従った。

 

その後ルイーズが、ジミーからの送金を受け取ろうとすると、ジミーがその場に現れた。

ジミーが指輪を出してプロポーズをするものの、ルイーズは今は別れなければならないと断る。

二人は一晩を一緒に過ごすが、その後ジミーは何も言わずに納得し、指輪だけは受け取ってほしい、ここで君と会ったことは誰にも言わないと言って去って行った。

 

その間テルマは、追いかけていたJ.D.と一晩を過ごしていた。

夫以外と寝たことがないテルマは、優しくしてくれるJ.D.に夢中になってしまう。

そしてテルマが隙見せた間に、J.D.はルイーズがジミーから受け取った虎の子のカネを持ち逃げしてしまう。

 

世間知らずのテルマの行動が原因で、二人はどんどん最悪の方向に追い詰められていく。

しかしルイーズは、決してテルマを見捨てようとしない。

テルマは自分がすべての原因であることがわかっているので、どうしていいかわからないのだが、ある瞬間から吹っ切れる。

そこから二人は、縦横無尽に駆け抜ける。

このあたりの描き方が秀逸で、さすがリドリー・スコットと言った感じだ。

 

リドリー・スコットは「エイリアン」や「ブレードランナー」、「ブラックレイン」、そして最近の「ナポレオン」など重厚な作品のイメージが強いが、こういう作品も撮っているのは意外だった。

 

 

33.テルマ&ルイーズ



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