監督はフランソワ・オゾン。

以前観た「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」はかなり硬派な作品だったが、この作品は真逆とも言えるコメディ作品だった。

 

舞台は1930年代のパリ。

マドレーヌは女優を目指して弁護士になりたてのポーリーヌと一緒に暮らしていたが、経済的には困窮し、何カ月も家賃を溜めて常に大家から催促をされていた。

ある時大物プロデューサーのモンフェランから呼び出され、喜び勇んで彼の家を訪れたが、提案されたのは愛人契約だった。

マドレーヌは抱き着いてきたモンフェランを振り払って帰宅し、何もかもうまく行かないことを悲観して拳銃を持ち出し自殺まで考えるが、その直後、警官が訪れてモンフェランが殺されたと告げられる。

直前にモンフェランと会っていたマドレーヌは取り調べを受けるが、その間に拳銃を警察に押収されてしまう。

拳銃はたまたま過去に銃弾が一発撃たれていたため、マドレーヌはそのままモンフェラン殺しの犯人に仕立て上げられてしまう。

 

最初は自分はやっていないと否定をするが、やがてポーリーヌと相談し、この事件をチャンスにして有名になろうと画策する。

裁判ではうまくポーリーヌが立ち回り、モンフェランに襲われたための正当防衛だと主張し、それが認められ無罪となった。

この裁判をきっかえに、悪徳プロデューサーに立ち向かったヒロイン、ポーリーヌは有能弁護士として仕事が殺到する。

 

そんなある日、二人の前に一人の女優が現れる。

かつての無声映画時代の人気女優、オデットだ。

今はすっかり落ちぶれていたオデットだが、モンフェラン殺しの真犯人は自分だ、だからあなたたち二人が有名になれたのも自分のおかげだ、分け前を寄こせ、と主張した。

 

ストーリーはこの後、マドレーヌの婚約者のダメダメ御曹司とその父親のタイヤ会社社長を巻き込んだドタバタ劇へと展開する。

このドタバタ劇がかなり面白い。

元々の脚本がいいのか、あるいは翻訳が上手いのかわからないが、日本人にもかなり笑えるセリフのやり取りだ。

さすがに大爆笑の連続という訳ではないが、シニカルなセリフも多く、想像していた以上に笑わされてしまった。

セリフだけではなく仕草も含めて、チャップリンの作品のような、古き良き王道のコメディである。

 

久しぶりに観た「笑える大人の映画」と言う作品だった。

 

 

115.私がやりました



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