闘魚   ベタの飼育

 



ベタとは

ベタという魚を知っていますか?

よくホームセンターやアクアリウムショッブで安いものだと300~500円ほどで販売されているカラフルな熱帯魚です。


色や模様ヒレの長さ形、またベタ自体の大きさによって種類がわかれ、コンテストが開催されたり非常に人気のある熱帯魚です。


私がそんなベタに出会ったのはちょうど一年ほど前、仕事でとあるショップのアクアリウムコーナーを担当するようになってからでした。


当時全く魚に興味のなかった私はなんだか変な名前の魚だなぁ、なんて思いながら世話をしていました。


ですが毎日世話をするうちに近寄るとよってくるまるで懐いているかのような可愛さや、綺麗なヒレの形や色に惹かれて今ではアクアリウムのイベントに出向いたり、実際に飼育するまでベタという魚に惚れてしまいました。


そんなとても魅力の溢れた熱帯魚、ベタの飼育方法を今日は皆さんに紹介します。


ベタの生態

ベタはもともとタイに生息している淡水魚です。

ホームセンターなどに売られているベタは改良ベタと言われるもので野生下で過ごすベタとは姿かたちが少し違います。


一般的に飼育されているベタは改良ベタ、野生のものはワイルドベタと言われていて最近は改良ベタとワイルドベタを掛け合わせたハイブリッドと呼ばれるものまで出てきています。


今回はその中の改良ベタについてお話していきます。


トラディショナルベタとよばれるよくホームセンターなどで300~500円程度で売られているベタが最も一般的なベタで、トラベタと呼ばれたり、ヒレの形からベールテールとも呼ばれます。


トラディショナルベタ(ベールテール)↓


このトラディショナルベタ以外の改良ベタをショーベタと呼びます。

ショーベタはヒレの形や色、模様などによって細かく品種がわかれいまでは世界中で多くの種類のベタが愛されています。


ベタは熱帯魚のため水温は26度から28度が適温とされています。

大きさは大人の個体で約5cmから7cmほどですが、ジャイアントベタとよばれる大きい品種になると10cmほどになるものもいます。

オスはヒレが大きくメスはオスよりヒレが控えめです。

また、オスは闘魚という名前だけあってフレアリングという威嚇や求愛のためのエラやヒレを大きく広げる行動を別の個体や鏡に映った自分などに行います。


メスは基本的にオスほどフレアリングは行いませんが、興奮した時などまれにメスもフレアリングを行うことがあります。


フレアリング中のベタ↓


オスのベタを飼育していると水面に泡がこんもりしている時があります。

これは泡巣(あわす)とよばれるものでこの泡巣にメスベタが産卵した卵をつけて育てていきます。

オスだけで飼育している場合も環境が整えば立派な泡巣を作ることがあるので繁殖をめざしている人はペアリングしてみると良いでしょう。

ベタの泡巣↓


ベタ飼育に必要なもの

ベタを今すぐお迎えしたい!

そんなあなたにこれだけあればとりあえず迎えられる、必要最低限のものをお教えします。


それは①水槽②温度計③ヒーター④餌⑤カルキ抜き

これだけです。


あとは必要に応じて濾過装置を入れるか、レイアウトはどうするかその辺の有無になります。


まず大切なのはベタを入れる水槽。

ベタには特殊なラビリンス器官というものがあり、エラからだけではなく空気中からも酸素を体内に取り込むことが出来ます。


そのため大きな水槽でエアレーションなどのブクブクは必ず必要ではありません。


小さな容器や金魚鉢などでも飼育は可能です。

しかし、ベタは生き物のため排泄物等で水は目に見えなくても汚れていきます。

水の中に溶け込んだ排泄物などから出る成分はベタの体に悪影響を及ぼすため小さい容器の場合は毎日水を変えてあげる必要があります。 


そのためスペースに余裕があるならベタ1匹あたり5Lから10L程水がはいる水槽で飼育してあげると良いと思います。

ベタは闘魚とも呼ばれる気性の荒い魚のため基本的に他の魚(ベタ同士も含む)との混泳はできません。

メスベタと入れる場合も繁殖させる場合のみになります。


そのため5L程の水槽で濾過装置なしなら3日に1回全換水、濾過装置(物理濾過)ありなら1週間に一回全換水もしくは5日に1回半分ほど水を変えるくらいでも充分飼育して行けると思います。


水換えの頻度や水槽の大きさは人によって様々な意見があるため上記はあくまで私の経験上の意見になります。


温度計は必須です。

ベタを始めとした熱帯魚飼育でありがちなのがヒーターの事故。

ヒーターが壊れて水温が下がっていたり、反対に上がっていたり。

そんな事故があると中の魚にも少なからず影響があります。

それを避けるためにも温度計で日々の温度管理は必要です。


ヒーターは水槽の中に入れるタイプのものと、パネルヒーターで水槽の下などに引くタイプがあります。

どっちのタイプにせよ、何度まで対応しているか、何Lまで対応しているかは要確認が必要です。


餌は出来ればそのショップで与えていたものだと今迄きちんと食べれているのでそのままがいいと思います。

ただ別のものに変える場合はベタは口がかなり小さいため粒の小さいものにしましょう。



小粒タイプうちの子はよく食べる。

 

上のフードよりもさらに粒が小さめ

体が小さい子や吐きだしぐせのある子におすすめ

 



おやつ程度にうちで飼育しているベタは乾燥赤虫やイトミミズもよく食べます。

何をあげるにせよ、ベタは便秘しやすいのであげすぎには注意です。


カルキ抜きはお魚を飼育する上では必須です。

カルキの成分はお魚によくないので必ずカルキ抜きした水で飼育しましょう。



 病気になった際の薬浴にも使える万能カルキ抜き。

水に溶かさないといけないがコスパもよくおすすめ。

 





レイアウト、装飾品

ベタを飼育する上での装飾品ですが、ベタそのもののヒレの美しさを楽しんだり、水換えの頻度からか底砂を引かないベアタンクで飼育する人が多いです。


現に私もベアタンクで飼育しております。

 

装飾品を入れたりレイアウトをする上での注意点は大きなヒレが傷つかないように引っ掛けて裂けたりしないようなレイアウトにすることです。

 

流木などを入れる方もいますが、流木を入れる際は尖りの少ないものを選んであげるといいでしょう。


水草も入れたらベタがそこで休んだりするため固すぎない水草を入れてあげるといいかもしれませんね。


マツモやアヌビスナナはうちの子も好きでよく使っています。

ベタを飼育する方で使ってる方が多いのがおやすみリーフやマジックリーフです。

おやすみリーフは水作さんから出ている吸盤で水槽に貼り付けるタイプの人工水草です。


つけてあげるとベタが葉っぱの上や間で休んだりしてとっても可愛いですよ〜!

 

 


マジックリーフは水の中に入れると葉の中のタンニンが水に溶けだして水が茶色く色付きます。

この成分が水を弱酸性に傾け、ベタにとっていい環境を作り出すので使ってる方も多いです。


マジックリーフの上で寝てくれるベタもいます。


 


おやすみリーフ↓

シンプルなレイアウト↓


さぁ、ベタをお迎えしよう!

道具を揃えて水を入れた水槽をセットしたらベタをお迎えする準備はオーケーです。


水合わせを行いベタを水槽に入れましょう!

水合わせの手順はまず購入してきたベタを袋のまま水槽にうかべてベタの入っている袋の中の水と水槽の中の水の温度を合わせます。 


15分ほどそのままにしたらベタを袋の中の水ごと別の容器に移すか、浮かべたまま袋の口を開けて袋の中の水もしくは移した容器の中の水を3分の1もしくは4分の1ほど抜いて代わりに水槽の水を抜いた分だけ入れましょう。


入れたら10分から15分置いてまた同じ作業を繰り返します。数回この作業を繰り返して袋や容器の水が水槽の水と同じ水質になったらベタを水槽に入れてあげましょう!


同じ水に見えても地域によってPhなど水質が違います。

急に新しい水にベタを入れるとPhショックなど急激な水質の変化に体が慣れず弱ってしまったり最悪の場合なくなってしまうことがあります。

ベタに負担をかけないためにもきちんと水温、水質を合わせてから水槽に入れてあげてください。


水合わせの様子↓


無事に水合わせが完了したらその日はそっとしておいてあげましょう。

餌もお迎えした日に与えると移動など負担がかかっているため消化不良をおこしやすくなります。
次の日からあげるようにしてください。

次の日ご飯をあげて元気なことを確認したら素敵なベタライフの始まりです!

ベタライフスタート

ご飯は人によって違いますが、うちでは4~6粒を朝晩と1日2回与えています。

食後は少し時間を置いてから鏡を見せてフレアリングを行っています。


オスベタを飼育する上でフレアリングは大切です。

やりすぎは禁物ですが1日計10分ほどフレアリングをさせてあげると運動にもなり腸が刺激されて糞が出て便秘の予防になったり、適度な刺激でストレス解消になったり、また、ヒレの癒着を防ぐことが出来ます。


フレアリングをしないとヒレの大きいオスのベタはヒレがくっついて癒着してしまいます。


美しいひれを保つためにも体調を崩していない健康なベタはフレアリングは毎日してあげるとよいでしょう。



可愛くて美しいベタ。

そんなベタにあなたも癒されてみませんか?

それでは、また会いましょう。