アリスインプロジェクト「アリスインデッドリースクール楽園NAGOYA」感想その④ | ささぴーさんの長い文章 ☆ぐぐたすからお引越し☆

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Google+で公開していた舞台観劇、SKE48公演の感想ブログのアメブロ移籍版です。
めちゃくちゃ長い文章で感想書いてますが、お時間のある時にお読みください。

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アリスインプロジェクト 2019年名古屋公演

「アリスインデッドリースクール楽園NAGOYA」 観劇感想 その④
 

 

シングルキャストさん、残り6人です。

 

 

 

 

◎橙沼霧子役 尾崎悠歌さん(Re:Clash)

映画研究部の副部長。2年生。
口ぐせが語尾に「っすよ!」と付ける口調。
髪飾りとか色々つけまくってて個性的なキャラクター。
ドキュメンタリー映画志向で、
常にカメラを携えている「ビデオカメラの女」

ただ、私個人的には、去年の8月~9月に
がーなさんが演じた東京でのキリコが印象強すぎて。
「楽園」「最果ての星」と続いた作品で
あのキリコのイメージが鬼のようにこびりついてて、
そのイメージの「払拭」が私の中の課題でした。

初日を観た時にその前任者キリコのイメージがあって、
ゆーかさんのイメージするキリコとせめぎ合ってました。(笑)
初日が私の中で不協和音だったのも、それがあったはず。

ただ、徐々に慣れていって
2、3公演目くらいでキリコの色に染まってきました。

個人的には楽天家っぽいキリコの部分より、
切ない部分のキリコの色を尾崎さんは良く出してたなと。
兄貴のエピソードを言う時の表情はすごく良くて。
あとイナリ先輩のことを想うキリコの表情も。

あと、ユウと絡んで演技するときはめっちゃ楽しそう。
さすが、普段グループとして活動する、
青木里菜さんと尾崎悠歌さんだけあって、
空気感の凝縮感や安定感と言うのは雰囲気で感じ取れました。
なーんか、楽しそうなんですよね。
空を飛ぶシーンの、ぶーーんのタンデムっぷりは良かった。

たぶん、アリスイン名古屋の舞台は初めてですが、
去年の2月にうりんこ劇場で上演された「七人の部長」で演じてて、
口から先に出る様な女子の演技をされてましたね。
そちらを数公演観劇させてもらったことがあります。

タイプが違う演技も観れて良かったなと思う所もありますし、
デッドリーの中でノビューンのどちらかも観たいなと思ったり、
いい感じで伸びしろを感じたりしました。


◎紅島弓矢役 ほしあいめみさん

元ソフトボール部、3年生、見た目「ヤンキー」「不良」。

特に「楽園」からは、それまでの「身の強さ」の部分よりも
「包容力」のあるベニシマが大きくなって。
優しさや全体への思いやりはさらに強くなったような。
カッコいい先輩像を作り上げたような気がします。

ほしあいさんのベニシマは
個人的には最初は「楽園」より前の
ビジュアルがカッコいいベニシマという印象でしたが、
徐々に包容力の強い「楽園」のベニシマなった気がしました。
一言一言のセリフが魂を宿っているかのように、
またそこに優しさが付いてきてセリフに安心感が。

キリコと同じように前作の「楽園」と「最果ての星」で、
栗生みなさんの演じるベニシマがキャラが立っていて。
同じく私の体に栗生ベニシマ先輩が染み込んでました。

そのベニシマ先輩の払拭は残念ながらできませんでした。
でも、ほしあいさんの演じるベニシマは
姉後肌というか、しっかり見守っているように見えて。
また違った別のベニシマとしてキャラを愛せるようになりましたね。

日々自宅に帰る度に、
今日の熱盛!のように、今日のベニシマ!みたいに
いいシーンを思い出すたびにベニシマ先輩が思い出せて。
名古屋のベニシマとして好きになったような気がします。

東京のベニシマ先輩も絶対的確立されてるんですが、
もう一人のベニシマとして認識できた。

特に大好きなのは、高森の爆破のシーン。
あの叫びは日々成長して行ってるシーンでしたね。
ミズキが泣き叫び、高森がアツく語っている。
その中で高森に対して叫ぶベニシマは日々重厚に。
そのシーンの印象が強くなってきたので、
別の日に他のシーンを見返したところで、
ベニシマさんの包容力を更に感じてきたのかなと思ってます。

終演して、栗生ベニシマと、ほしあいベニシマは
私の中でツートップと相成りました。


◎青池和磨役 和久田朱里さん(Star☆T)

愛心学園の生徒会長。
真面目、生真面目、学校風紀に厳しい。
でも、甘い所もありスキもありそうな気がする。
(だから、ミズキみたいな制服のヤツもいるのね・・・)

ユウの幼馴染のお姉ちゃん。
昔はアイドルになりたかった過去がある。
たまに羽目を外したい時もある。外したら最強。(笑)

和久田さんはたぶんベニシマの役をやるだろうなと私は思ってて。
ご本人も役をやるならベニシマだと思ってたらしく。
意外や意外の生徒会長役。

髪型も長めのボブっぽく、黒髪にして。
いかにも生徒会長の姿なんですが、
個人的には普段の表情がしかめっ面になっているのが
いい感じにキャラクターを作る形になっていて、
シリアスと、そこから緩んだキャラの方向に進むのが
めっちゃ可笑しさを産み出していたなと感じましたね。

特に、笑顔が苦手な会長が無駄に笑うシーン。
もう、笑ったときにおかしさしか感じられなくて。
というか、元々の普通の会長の表情も硬すぎて。
そこから、上演中の後半ではアドリブシーンに昇華したり。
せんだみつおの「ナハナハ」な笑い方はツボでした。
(ただ、世代間ギャップが客席で若干発生しましたが。。。。。)

これまでのアリスインの舞台でも
和久田さん発信のアドリブなシーンが多かったので、
ポイントは少ないながらもそういう場面が見れて良かった。
さすが、エンターテイナーって感じでしたね。

でも、シリアスな部分はきっちりとしていて。
焼却炉で自らの命を落とす前にシズカを諭す場面。
ラストあたりでユウと「これは夢」と話すシーン。
しっかりとシメるところはさすがだな。と思って。

アリスインの舞台ではやんちゃな役が多かったのですが、
2年前の真まふではリーダー的な役割をしていて、
途中で寿命を迎える役柄。
そこで後輩にメッセージを送る演技をしていて。

先輩としてのメッセージの強さ。
何か、真まふの時の演技を思い出しましたね。

特典会で3年目にしてついにご挨拶出来ました。(笑)
あと、特典会での「来て!」アピールが久しぶりに見れて。
「みんな、私のことが嫌いなんだぁ!」という名言も作って。
ホント、盛り上げ役。さすがです。www


◎氷鏡庵役 がーなさん

科学部の3年生。(部長ではない)

非現実的な出来事を解明しようと、
自分の知識をフル回転させて挑もうとする。
ただし、前のめり過ぎてマニアックな考え方になりがち。
目の前の事より壮大な部分で物事を考えてしまう。

孤独な存在と思いきや、科学部の仲間が居て、
2年の天城、曽我、3年の桐山、1年の古橋と名前が出る。
それぞれ専門知識があってチームとしては優秀。
混乱の中で、ヒカミの指示なのか、
自主的な判断なのか、火炎瓶や、爆弾と武器を作り出す。

今回のがーなさんのヒカミですが、
東京の「楽園」で工藤亜耶さんが演じたキャラの生き写し。
ヒカミって色んなタイプの役者さんが演じてきて、
例えばモデル系な山田恵里伽さんも演じてた役。
がーなさんはどんな方向性に寄せるか気になってましたが、
工藤さんの方向性と聞いて納得できましたね。

しかも、猫背っぽく、ストーリーテラーっぽく、
舞台の上にいるのが様になっていてましたけど、
だいたいはステージの後方で座ってたり。
深く考えている状態が多かった。

で、何か思い出したときに話すのは突然に。
がーなさんのキャラとは違う重い感じの話し方。
キャラっぽいのは笑って話す時くらいで概ね低めの声。

東京の時のキリコを忘れ去られるようなキャラの徹しっぷり。
キャラに沿って個性を出すがーなさんの演技特徴が出ましたね。
がーさんってコスプレのような感じでひたすら成り切る。
舞台の期間は稽古も含めてそのキャラになり切ろうとする。
役への入り方は物凄く努力されてるのは変わりませんね。

時には絶望を感じさせ、時には混乱に陥れ、
最後はユウへの希望の道しるべとなる。
いい役柄に出会いましたね。お見事でした。(^ω^)

今回は食料を仕入れた時の「ミルクティー」がネタになって、
ベニシマが違う飲み物を渡してしまうというアドリブがありました。
東京でもミルクティーは渡されるけども、
ちょっとそれサイズ小さいやろ!!というのはありました。

ブラックコーヒー、アップルティー、きな粉ミルク・・・・・
で、やっとミルクティー・・・・と思ったら「粉末」だったようで。www
名古屋デッドリー鬼畜ですね。

「悪意なき残酷さ・・・やっぱベニシマさん凄いっすわ」
・・・・・ってヒカミ先輩の中のもう一人の役柄が
叫んでいるに違いないです。ねっ、カメラ女さん!!(笑)



◎墨尾優役 青木里菜さん(Re:Clash)

漫才コンビ「ノ☆ビューン」のボケ担当、2年生。
ノブに誘われて1年の文化祭で即興漫才をし、
コンビとして活動し、2年での文化祭出演向けて練習中。
天然、自由、でも寂しがり屋、でもフリーダム。

今までのデッドリーのノブはかなりぶっとんだキャラになってて、
小動物のような動き(「パラドックス」の橋本瑠果さん)
白目など、変顔の百貨店(「ノクターン」、映画の「アジタート」の若林倫香さん)
それまでのユウの総決算(「楽園」の遠藤瑠香さん)
・・・とかなりハードルが高くなっていましたが、

ふたを開けてみると、青木さんが持っている
「ふんわりふわふわ、ふにゃふにゃにゃ」な感じのユウを作ってて、
青木さんなりの独自性のあるキャラを作りましたね。
もう終始「にっこにこ」で、ビーズ詰めたぬいぐるみにしたいくらい。

記憶のある中で「チェンジグホテル」のアホ部長(⇔組長)や、
「真まふ」のアンナちゃんとかは役を自分に寄せてる感じがして、
今回のユウもその感じはありますね。
ホント、自身への役の引き寄せ方は青木さんの得意技になってますね。

でも、ここ最近は演技の幅が拡がって、
しっかりと物事や情景を捕らえる力が付いてきて。
キャラクタに、演技の力が付いてきた。

更に今回は身体で悲壮感を表現する技が身に付いたのか。
オープニング前の「人が人を食べてる」のシーンの動作、
独り屋上に取り残されて絶望に暮れ悲観する動作など。

表情じゃなくて、背中を向けた状態で身体を震えて。
初日で全体的にぎこちなかった部分が多かった流れで、
絶望的になるシーンからしっかりと演技が成り立って行った。
座長でもある青木さんの自信のある演技力で上昇したんだろうなと。

ちなみに、一番最後のシーン、
「今日はどこへ行こうかな」というセリフの顔、
曇ってそうな顔になっているのは何か意味あり気だなと。
イメージ的には笑顔かなと思いましたが。
あれはなぜあの表情だったんだろう。


ゆっくりながらにはなるんですけど、
演技が巧くなっていく様が1年1年見えてきて。
去年の「レッキチ」からの2年連続の主演。
責任感も感じてきて、リーダーとしての頑張りも見えてます。
めちゃくちゃ感心しまくってます。

名古屋での舞台出演やアイドルとしての活動が多いので、
なかなか名古屋以外での舞台出演が少ないのですが、
もし叶うならば東京で実力を見せる機会があればいいですね。
アイドルとしての青木さんもそうですが、
俳優としての青木さんの色も更に見えてきたので、
なんかそういう機会も期待しちゃいたいですね。
2.5次元舞台とかキャラ性のある舞台を観てみたい。

SKE48の須田亜香里さんをアイドルとして憧れの存在、と
Twitterでいつの日か呟いてらっしゃったので、
SKE48のファンの私としては、
めちゃくちゃ青木里菜さんには親近感があるんですよね。(^ω^)


◎百村信子役 綾瀬麗奈さん(dela)

ユウを誘って、漫才コンビ「ノ☆ビューン」を結成した
ツッコミ担当の2年生。
しっかり者、人格者、ノブの行動を見抜くのに長けてる。

過去のデッドリーの作品でも、
ノブちゃんはおっとりして、大人しい演者さんが担当されていて、
どちらかというとユウのキャラが凄いから火消し役のような
支える様な演技が多かったように感じましたが、

今回の綾瀬さんのノブはお姉さん感が強くて、
更にユウと一緒に突っ込むときは変顔、キャラを作って、
なんか「ダブルボケ」のような状況も演じられてました。

青木さんのユウがふわふわ感があるので、
その自由さを見つつ、しっかりと歯止めを利かそうとする。

今回の「ノ☆ビューン」は個性と個性がぶつかっていて、
コンビで一体感のあるキャラクタを作っていますね。
たぶん、今まで観たデッドリーの中では一番のコンビ感。

綾瀬さんってキャラを飲み込む演技が巧いんですよね。
その役の事を理解して、更に旨味も出す感じ。
その旨味は今回は「優しさ」「お姉さん感」かなと。
今までのノブにはなかった「包容力」を打ち出せてた。

なので、エンディングあたりでのユウとの別れのシーンは
「ピンでやっていくんだよ」とメッセージ性が強くて。
もう感極まってしまいましたね。

というか、その前の1年前の再現のシーンが
めちゃくちゃ面白さが詰まっていて、
途中からはアドリブもそこにぶち込んだりしているので、
みんなとのユウとの別れから、緊張の緩和が生まれて、
そこで笑いを差し込まれて、更に別れのシーンが際立つ。

たぶん、この切り替えが出来るのは
ある程度、経験のある役者さんじゃないとできないと思う。
演出家さんの力もあるとは思うんですけど、
青木さん、綾瀬さんの経験も生かされているなと感じました。

あと、秀逸だったのが、ノ☆ビューンで残された屋上のシーン。
ゾンビに噛まれて進行が早くなり、
人間ではなくなっていくという姿でのシーン。
ホンモノのゾンビと言うか、視覚的に衝撃が強くて。
綾瀬さんの演技が凄いなとホントに感じたシーンですね。

若林倫香さんが出演してた映画「アジタート」での
船岡咲さん演じるノブがゾンビになってしまうシーンを
綾瀬さんが参考にして今回取り入れたとの事です。

船岡さんのは特殊メイクを施してのゾンビの表現。
それを髪を前に垂らして、片目を力強く見開き、
身体を強張るようにカタカタさせて、脚や指があらぬ方向になって。
舞台の上で映像に近い表現をしているのが物凄い。

言葉もカタコトになって発してるんですが、
最後に「もういいよ、ありがとうございました」と言う所で、
今までの人間だったノブちゃんの表情が出てきて。
ニコっとしながらドアに消えていく様は心を打って、
更にそこからユウが泣き崩れて、
青木さんの背中を震わす演技に移行していく。

文句なしで過去最高のゾンビのノブのシーンでした。
綾瀬さんの演力の凄さもあるんですが、
それを受けての青木さんの演技の返しも凄い。

で、綾瀬さんはあのゾンビのシーンは
結構なレベルで筋肉痛になっていたということで、
舞台の2日目で身体が結構大変と仰ってましたね。
とはいえ、5日目あたりまでクォリティが削がれていない。

私の中では「カメレオン俳優」というよりかは
「名古屋のキャラ姉ちゃん」と勝手に呼んで、思ってますが、
更にキャラになり切る姿は流石だなと感じてしまいました。
もう、綾瀬さん、観てる側視点で尊敬するし大好きです。


キャラを自分に引き寄せる、青木里菜さん。
キャラを自らに取り込む、綾瀬麗奈さん。

この2人が生んだ最強の「ノ☆ビューン」とお伝えしておきます。
 

 

 


その⑤に続きます。

次はゲストキャストの、高橋萌さん、若林倫香さんです。