アリスインプロジェクト「アリスインデッドリースクール楽園NAGOYA」感想その① | ささぴーさんの長い文章 ☆ぐぐたすからお引越し☆

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Google+で公開していた舞台観劇、SKE48公演の感想ブログのアメブロ移籍版です。
めちゃくちゃ長い文章で感想書いてますが、お時間のある時にお読みください。

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アリスインプロジェクト 2019年名古屋公演

「アリスインデッドリースクール楽園NAGOYA」 観劇感想その①


2019年
6月5日(水)19:00公演 光組+若林倫香ゲスト(初日)
6月6日(木)19:00公演 風組+若林倫香ゲスト(初日)
6月7日(金)14:00公演 風組+若林倫香ゲスト
        19:00公演 光組+若林倫香ゲスト
6月9日(日)13:00公演 風組+高橋萌ゲスト
        18:00公演 光組+高橋萌ゲスト

6公演観劇(全10公演)
 

 

<注意>

・ほぼネタバレで書いてます。

・その①~⑥まで24000文字近くの内容になってます。

 お時間のある時に読んで下さい。

・「アリスインデッドリースクール」過去作品のことも若干触れてます。


 

 

 



毎年お馴染みのアリスインプロジェクト名古屋公演。


今年は「アリスインデッドリースクール」の上演10周年。
企画イヤーということで、名古屋でも過去作の上演。
今回は昨年8月に東京で上演された
「アリスインデッドリースクール楽園」が再演になりました。

東京では名古屋アリスイン常連のがーなさんが「橙沼霧子」として出演し、
2週間のロングラン出演ののち、「外伝」の位置づけである「最果ての星」にも
「ビデオカメラの女」という役で出演し、4週間も屋上の人に。
「最果ての星」には若林倫香さんが日替わりゲストで出演されてました。


個人的な話になりますが、
アリスインの舞台で、以前上演した作品を別キャストで、
脚本を把握したうえで舞台を観るのは全く初めてになります。


「アリスインデッドリースクール」は
過去に何度も脚本を変えながら上演をされていて、
お話の根幹はほぼ変えてない作品となってます。
ただ、今回の「楽園」については先に東京で上演されたものと脚本が同一。
私も頭の中に把握して観劇する形になります。


なので、あらすじとかは全部カットします。
以前に感想で書いた東京の作品のブログを見てください。(笑)
☆アリスインプロジェクト「アリスインデッドリースクール 楽園」感想(2018/8/18投稿)
https://ameblo.jp/ame-sasapy/entry-12419835899.html


名古屋でのアリスインデッドリースクールの上演は2回目。

以前は2015年にオレンヂスタのニノキノコスターさん演出の
「アリスインデッドリースクールオルタナティブNAGOYA」が最初の上演。
私もこの作品の観劇が、40年の人生で初めての小演劇舞台の観劇で。
大学に入学したばかりの若林倫香さん目当てに観に行きました。

若林倫香さん絡みのお話は後で書きますが、
(鬼のように思い出があり過ぎて長くなる。。。。。)
この「オルタナティブ」が今のデッドリーの基礎作品になってて、
「楽園」はある程度この基礎を沿った形の作品になってるかなと。

恐らく4年前の作品を観た方にも納得しやすい内容でしょうか。
細かい所で変更は入ってますが、大筋は一緒。
私も東京で観た時には名古屋の事を思い出したりしてました。



今回の名古屋の「楽園」と東京と違う点ですが、
当然、キャストさんは全然違う。
これも当然ですが、演出の方も、演出される人も違う。

で、今までの名古屋アリスインは
2名の劇団の演出家さんの持ち回りだったんですが、
(KIMYOの宮谷さんとオレンヂスタのニノキノコスターさん)
今回は、演劇カンパニー「空宙空地」の関戸哲也さんが担当。

名古屋ではめちゃくちゃ名の知れた演劇ユニットさんとのことですが、
私、かなり不勉強で、まったく初めて知る演出家さんで。。。。
どんな演出されるのかも楽しみにしていました。

あと、今回のキャスティングが全く意外性があって。

W主役の墨尾優(ユウ)役が青木里菜さん。百村信子(ノブ)役が綾瀬麗奈さん。
生徒会長の青池和磨(会長)役が和久田朱里さん。
科学部部長の氷鏡庵(ヒカミ)役ががーなさん。

アリスイン常連組のキャストさんの4名の配役が意外で。
たぶん和久田さんが不良の紅島弓矢(ベニシマ)役になるだろう。
東京で橙沼霧子(キリコ)役をやってたがーなさんはそのままだろうと。
そう思っていたのでホントに棚から牡丹餅的な意外性でびっくり。
2か月前の配役発表でSNSのタイムラインが衝撃だったのは記憶にあります。

で、個人的な衝撃は若林倫香さんが竹内珠子(珠子先輩)役で出演したこと。
これも、話長くなっちゃうのでまた後で・・・・・・。


それから、ステージの舞台装置自体も意外でしたね。
今までのデッドリースクールは舞台の下手(観客から見て左)側に
演者さんが出入りする屋上のドアがある出入口があるんですけど、
おそらくたぶん初めて上手(右)側に出入口があって。

だいたいは澱んだ灰色の屋上の舞台になるんですけど、
ドアもピンクですし、見た目ポップ感もあったりとか。
エアコンのダクトや室外機があったり、
貯水槽が出入口の建屋の上にあったり。
これって、意図があったんだろうかなと思ったり。

もしかして、これは「どこでもドア」?というのもTwitterに書いてあったり。


あとは今まで舞台の下手側とかで演じられていた、
生徒会長が自殺する焼却炉のシーンが出入口建屋の上。
今までは火に飛び込むというような演出だったのが、
下へ自分の身を投げ込んでしまうという衝撃度が増して。
これにはめちゃくちゃ驚かされました。

で、舞台装置はあとは屋上の柵とそれくらい。
狭い劇場をより多くステージ部分を取っていて、広く見える屋上。
視覚的効果をライティングに任せて、
後の部分は出来るだけ会話劇で進行するというシンプルさ。

劇中の挿入歌「ポーズボタン」のダンス歌唱の後、
焼却炉のシーンから以降のシリアスなシーンが
前回の名古屋デッドリー、私が観た東京のデッドリー含めて、
身震いするくらいのシリアス度が非常に増して。
怖さ、不安、悲しみ。
内面から抉れるような演出が特に凄みを感じました。
そこは東京との演出上の違いがありました。

前半も含めて言うと、
黄市恵美(メグ)役の小萌きるさんが「お家へ帰りたい」と
気が動転して発狂する所作、
堂本千十合(堂本ちゃん)役の倉岡芽生さんが絶望を感じて、悲しむ様子、
そして、ユウが独りになって絶望の奥底に落とし込まれる様子。
この動作を演じていた青木里菜さんがもう凄すぎて。
客席から細かく動作が確認出来てしまう
身体の震え方がめちゃくちゃ印象的でした。

脚本の流れとかは全部把握して観ているんですけど、
恐怖や孤独感の所作は、初日の段階から凄いなと感じてて。
青木さんのような何度も舞台経験のある演者さんは納得ですが、
小萌さんや倉岡さんのように経験の少ない方も
演技として落とし込めているのは、演者さんの実力もあるけど、
演出家さんの落とし込みも凄いんだろうなと感じてしまいました。


あと東京と違うのはキャラの特徴。

個人的に感じている部分で、妄想になっているかもしれませんが、
東京で上演した時には脚本にキャストさんを寄せている部分があって。

ユウちゃんは爬虫類の小動物みたいに愛らしく元気があって、
ハチャメチャな天然さとハッチャケぶりがあるというのが、
コミック版のデッドリースクール辺りからそういう印象で、
「パラドックス」の橋本瑠果さんや「ノクターン」の若林倫香さんが
その部分を確立したような感じが出来てきて。

東京での「楽園」も遠藤瑠香さんが思い切り全力で演じて、
もう前半部分の面白さを全部かっさらった感じだったので、
ああ、もう脚本自体をそこに寄せてたのかな?と思ってまして。

その脚本からの青木里菜さんのユウちゃんは若干別のキャラ。
自由奔放で天然な部分の軸の部分は同じにはなりますが、
青木さんのふんわりふわふわな感じが反映されたキャラですね。
なんか、攻撃的なボケのユウが、不思議ちゃんになったような感じ。

ノブちゃんはツッコミ役ですが、人格者で、ユウを手懐ける感じで
ユウちゃんの対極と言う感じが強い役だったんですが、
綾瀬麗奈さんのノブちゃんはボケの雰囲気も持ったようなツッコミ。
拡大解釈したらダブルボケになりそうな感じ。
時折、ふたりで一緒におどけていている部分があって面白くて。

ユウちゃんを見守る部分は、なんかお姉さんな感じがして、
綾瀬麗奈さんの抱擁感や優しさの部分が滲み出てるなと。
ユウちゃんを全部受け止めているんですよね。
見守る眼差しが優し過ぎて、安心感がありすぎる。

今回のノ☆ビューンの2人は名古屋で独自の色を付けた感じ。
最初観た時にはびっくりでした。
何度も見ると確立化されたキャラとしてハマりましたね。


あと、会長のお付としての村崎静香(シズカ)が
東京での最上みゆうさんが超個性のある演者さん。
めちゃくちゃうるさ過ぎて、イメージ的に濃厚背油ガッツリ系な
会長のストーカーぶりを見せてましたが、
今回のりんさんはちょっとマイルドにしたような感じ。
でも、徐々にそのうるささを日々加速したようなのを感じました。
「会長大好き」がマシマシになってましたね。(笑)


堂本ちゃんは知的な部分が東京では結構多かったんですが、
今回の倉岡さんの堂本ちゃんはめっちゃ可愛い。
辻井水貴(ミズキ)役の金城詩織さんに
執拗に想いを寄せる感じがもう愛らしくて愛らしくて。
東京のシズカの感じが堂本ちゃんになった感じはありますね。
こちらは家系のスープあっさり、あぶら少な目という感じかな。


他にもキャラ特徴の差異はありますが、
キャストさん個別で感想を書きますので、ここではこれまでにして・・・・・・。


同じ脚本の東京初演の作品ですけど、
完全に名古屋の色として独自性を打ち出していて。
単純に東京からの焼き直しというモノじゃなくて良かったです。
比較しても個性が際立っている「もうひとつのデッドリー」で。
たぶん、東京を観劇した人にも納得の出来になってただろうなと。

名古屋ってある意味隠れた「全力感」があって。
これまでの演出陣もアツさや華麗さや全力感があって。
キャストさんも多くは名古屋のアイドルさんやアイドル出身の方。
名古屋のアイドルは全般的に「全力感」があるグループが多く、
舞台の取り組み方も全身全霊でぶつかってくる。

前のめりな強さが今回の舞台でも感じられて、
今回の関戸さんの演技の細やかさが加わって、
また新しい名古屋の色を打ち出せたような気がしています。
やっぱ、名古屋アリスイン変わらず面白いなと思った感じです。
東京と比較する自体野暮だったのかも。

「この作品」として真摯に観劇して、
ストレートに感じ取るのが正解かもしれないなと言うのは、
初日の後半部分から、2公演目の全般見て感じ取れました。

初日から観てたんですが、光組初日は緊張感が全面的に伝わって、
特に前半のポーズボタンの前までは不協和音みたいなのがあって。
バラバラ感が強かった印象でした。
でも、後半のユウの演技の凄みとかシリアスさが増して、
ググっと引き込まれるような感じがして。

でも、次の日の風組初日は、不協和音が全く無くなって。
そこからの作品自体のスムーズさやテンポが良くなってきて、
だんだん加速して良くなった感じがありましたね。


今回のキャストさんも初出演の方も多くて。
結構この子今後芝居やって欲しいなと思う方もちらほら。

アリスインの名古屋公演は常連組と初舞台組のバランスが良くて。
今回だと常連組は綾瀬さん、青木さん、がーなさん、和久田さん、藤井美奈子さん。
ゲストの高橋萌さんは2014年のアリスイン初演から出ているし、
若林倫香さんは3度も主演として出演している。
あ、りんさんもいつの間にか常連組になってきてますね。

アリスイン名古屋は「学校」みたいな雰囲気があって。
常連組が後輩メンバーを引っ張って作品として底上げして行って。
その伝統が良い感じで繋がって6年間で出来上がってきている。

この中からお芝居に興味を持って、
本格的に舞台俳優さんとして活動している方もいらっしゃって。
がーなさんや若林倫香さんはそのケース。
綾瀬さん、青木さん、和久田さんもアイドル活動をしながら
色々な舞台に出演されている。
青木さんの所属している事務所さんも、
本格的に俳優養成をしようと本腰入れているようですしね。

これからアリスイン名古屋の公演が続いていきそうな
そんな予感のするキャストさんもいらっしゃったので、
ご本人の意思次第ですが、来年以降もお芝居してほしいなと感じてます。

ということで、その辺りなど、
キャストさん個別の感想はこの後「その②」で。



さあ、今年もどこまで感想が続くかな?????
平松さん、今年も長くなりそうです。(笑)