2024年6月23日
【ハンサム栗の日常】
マノンに枝豆をもらったよ
お昼はブロともさんに教えて戴いた美味しい炊飯器チキンライス。半熟オムレツを乗せてオムライスに。チキンライスを冷凍しておけばいつでも好きな時に楽しめます♪
毎度、長らくお待たせしました。
もうすっかり記憶の彼方だと思いますが「病棟の婆さま・爺さま 1 」の続きです。
「もう忘れたよー」という方、まずは上記リンクをお読み下さいませ。ゴメンなさい。
デイルームで私の横に座り「あなた面白そうな人だからお話がしたくて」と話し掛けて来た同室の婆さま。
いつも白髪交じりの長い髪の毛をきっちり撫で付け、後ろで結わえている。身だしなみはちゃんとしており「小料理屋でもやっていたのかな?」という感じ。
「主治医は子豚先生ですよね。私も肺疾患で入院しました。奥様はどうしたのですか?」と聞くと「ちょっとね…」としか言わない。
今回放射線治療した脳腫瘍や視力低下、重度の不眠症などについて一切話さない。看護師や医師との会話が筒抜けだから全部知っているけれど。
「気管支喘息とかそんなのですか?」「お住まいは近く?」と聞いても「えぇ、まぁ…」と曖昧な返事をするだけ。
「あ、この人は自分の事は言わずに人の話が聞きたいだけなのだな」と直感。私はギブアンドテイクの人なので、こういう人は嫌いです。
母と電話で5分ほど話した後だったので「ごめんなさい。私は痩せていて、お尻が痛くなってきたからお先に失礼しますね」とすぐに席を立ちました(実際、痛いし)。
「え、もう行っちゃうの?」と不満そうにポツリ。
普段はお喋り好きな私なのですが。
婆さまは重度の不眠症。入院中、2種類の睡眠薬に加えさらに1種類追加されました。看護師が来る度に「睡眠薬はちゃんと3種類ある? 飲むのは食後だっけ? 寝る前に出してくれるんだっけ?」と何度も質問するので「しつこい人だな」と思いました。
案の定、婆さまが横に座っているだけで黒くどんよりしたマイナスの気が漂って来ました。そんな人と関わりたくない私はさっさと退散するのでした。
今回、私が入院した糖尿病・内科病棟はとても静か。24時間騒々しい外科病棟とは違いナースコールや点滴のアラートはほとんど聞こえません。
そして高齢者の病室には「スマホはデイルームで! テレビはイヤホンで!」とデカデカと書かれた紙が貼られ、同室の面会客も私の母だけ。
3度のバイタルチェックと食事の配膳、館内放送以外は常にシーンと静まり返っています。
私は、1日3度の吸入や理学療法士、言語聴覚士など人の出入りも多く看護師や主治医とあれこれお喋りするから賑やか。
私の向かいのベッドは、糖尿病の食事療法&運動療法を受けるために入院したWさん。昨年冬も入院していたらしい。
私は部屋を移動してすぐ、Wさんに「こんにちは。私は肺疾患で救急搬送されました。毎日、リハトレや医師が何人も来てうるさいので、ごめんなさいね」とご挨拶。
「気にしないで大丈夫よ!」と満面の笑顔。元気ハツラツで明るい茶色のショートカット。来年60歳になり孫が二人もいるとはとても思えない若々しい人でした。
この病棟は館内放送で食事療法と運動療法をしている人向けに「ラジオ体操」や「勉強会」のアナウンスが入るので、その度にWさんはデイルームへ行きます。
勉強会から戻ったWさんがカーテンを開けっ放しにしている婆さまに挨拶し、しばらく世間話。「景色が見たかったらいつでも遠慮なく窓際に来て下さいね」と言いました。
私はカーテン越しに「言わなきゃいいのに…」。
常にカーテンをがっちり閉めている私と異なり、Wさんは日中は少しだけ開けています。
早速、婆さまが窓際に来ました。カーテンを閉めていても黒いバレエシューズを履いているからすぐにわかります。
婆さまがWさんに「眺めがいいね」と話し掛けると「冬になるとクリスマスのイルミネーションがきれいなんですよ」と気さくに答えします。
それに味をしめた婆さま。最初は窓際で外の景色を眺めるだけでしたが、しょっちゅう窓際に来てはWさんに話し掛けるようになりました。
つづくっ