2024年5月4日
【ハンサム栗の日常】
どれどれ。ボクの領土は今日も安泰だのう
昨日、お向かいに住むお寿司屋さんの奥様がお店の握り寿司を差し入れてくれて、母と美味しく戴きました。
かれこれ40年来のお付き合いで、昨年受けた私の余命1年宣告も最近の体調不良もご存知。玄関先で会うと「マノンちゃん、元気そうね！」といつも励ましてくれます。
以下、母の物忘れ外来診察のレポ。長いけれど、ご家族の診察を考えている方の参考になると思います。お時間のある時にゆっくりお読み下さい。
一昨日、中堅病院の「物忘れ外来」へ。
私は体調がとても悪かったけれど、認知症検査は家族も同席する方がベターだから決死の覚悟で同行。病院では車椅子を借りました。どっちが病人なんだかわからん。
事前にA4で4枚に母の具体的な物忘れ事例を記しておき、受付の際に「家族の意見書です。診察の前に先生に読んで欲しい」と提出しました。
番号を呼ばれて診察室に。40代位の優しそうな先生が笑顔で開口一番「詳細なレポートで状態が良くわかりました」と。
母に質問開始。
「旦那さんは何年前に亡くなった？ 今は誰と暮らしている？ 出身地はどこ？ 銀行ATMでお金を一人で引き出せる？」など。
「ではニュースについて。最近起きた健康食品の問題。原料は何でしたか？ 製薬会社の名前は？」→両方とも答えられず（正解は紅麹と小林製薬）
「次は政治家。今の総理大臣は誰？」→答えられない。「じゃあヒント。“きし”から始まります」→「岸総理は昔の人でしょう？」とトンチンカンな回答
母が私を見て助け舟を求めるけど、首を横に振る。
「私の専門は脳神経内科です。次は脳神経の検査をしますね」
顔を動かさずにライトの光を上下左右に目で追う。右手を前にまっすぐ伸ばし、真横に回してから鼻の頭に素早く付ける（左も同様）。
続いてゴム製のハンマーで手や足を叩いたりグリグリして末梢神経の反応検査。
「立って両手を横に挙げ、右足を左足の前に出して。目を閉じて立つテストです」→フラフラして立っていられない
そして長谷川式認知症スケール。
「今、何歳ですか？ 今いる場所は？」→正解
「今日は元号で何年何月何日？」→「令和4年4月2日」（正解は令和6年5月2日）
「私が言う３つの数字を逆に言って。358」→「853」。2問正解、1問不正解
「物を3つ言うので覚えて。山茶花、猫、自転車。あとで何だったか聞きます」→正解
「箱に時計、スプーン、歯ブラシ、鍵、鉛筆が入っています。良く見て覚えて。あとで何だったか聞きます」→正解
「100から8を引き続けて」→正解
「時計の丸と数字を描いて短針と長針で10時10分を指して下さい」→正解
「知っている野菜の名前をすべて答えて」→「ほうれん草、キャベツ、山芋、さつまいも、ルッコラ、玉ねぎ、うーん、あとは思い出せない」
などなど。
母は、30点満点で27点でした。予想より点が高かった。
やはり事前に最近の物忘れ行動を詳細に記したレポを渡しておいて良かったです。
担当医「まあまあですね。最近、お友達と会ったりしますか？運動や趣味は？」
母「以前は同級生と良く会っていましたが、今はご近所さんと立ち話か娘と話すだけ。以前はテニスとゴルフをしていたけど、今はテレビで中国・韓国ドラマかサッカー、野球中継を見るだけ」
担当医「そうですか。介護認定されればデイサービスで新たなお友達ができて運動やお喋りして脳に刺激があります。紹介状のかかりつけ医が『しっかり調べて下さい』と書いていますので、今から甲状腺とビタミンB12を調べる採血。次回は脳のMRI検査をします。最近、採血しましたか？」→「最近はしていません」（本当は1週間前に紹介医の所で採血しており、その結果が添付されている）。
マノン「今日はいつもよりしっかりしています。意見書に書きましたが、最近は朝から晩まで同じ事を何度も質問したり言ったりするようになったのですが…」
担当医「医者の前ではハキハキ答えられるという事は、まだそこまで認知症が酷くないという事です」
マノン「なるほど。進行している方は医師の前でも答えられないのですね」
担当医「そういう事です」
マノン「もし認知症なら進行を遅らせる薬を飲ませたいのですが」
担当医「次回のMRI検査ではっきりしますよ」
という事で、無事に一回目の検査終了。
親しみやすく茶目っ気のある担当医で良かった！
MRIと血液検査については結果が出次第、レポします。
