2023年10月31日
前回のブログへたくさんの応援コメントを戴きありがとうございました。お返事を全て書き終えて、肺の病と闘う勇気が湧いた所でした。
今回は自分の備忘録も兼ねて記しておきます。まだ頭がカッカしてるので乱文乱筆をお許し下さい。
今日の夕方、病棟主治医が回診に来ました。
が、しかし。
主「一昨日お伝えしたように、今日、呼吸器外科医と放射線科医と3人でマノンさんの画像や症状をカンファレンスしました。
マノンさんは胸腔と気管が交通している可能性があり、抗生剤治療を続けるよりも、外科で開窓術(かいそうじゅつ)をして胸腔内に溜まった膿を出した方がいいという結論に達しました。
それならば、肺の外科手術を受けたJ病院で手術するのがベストと考え、J病院へ電話しました。J病院の担当医師に電話し、先方も『そうですね。それなら急ぎオペ室や病床を手配します。急ぎカンファして、早ければ明日にでも転院できないか手配します』と仰って下さいました。
なので明日、マノンさんはJ病院へ転院します」
えっ。なにそれ!?
すぐに主治医は退室しましたが、それから30分ほど考え、どう考えても「マノンさんはウチの病院で手術してないから、J病院に丸投げしよう」という結論に達したのだろうと考え、どうにも納得がいかない。
だってまだ入院し抗生剤治療を開始して4日だよ。
しばらく考えてすぐにナースコールし、主治医を再度、呼んでもらいました。
マ「治療を開始して、まだ4日ですよ。どうにも納得が行きません。私は、『私は何もわからないので、先生にすべてお任せします』という患者さんではありません。
舌がんも食道がんにしても。どの病院がベストか、どの治療法がベストかと担当医とじっくり話し合い、納得した上で結論を出して来ました。
だからいくらなんでも、明日いきなりJ病院へ転院というのは納得がいきません。自分たちでは手に負えないから匙を投げたという事でしょうか。
急がないと明日死んでしまう、というのなら受け容れますが、せめて1週間は納得&心の整理をする時間が欲しい。先生が話したJ病院のドクターも入院から退院までずっと長い時間、私に説明下さり、私も納得した上で治療を進めて来ました。
だから明日、J病院のドクターとも電話で話がしたい」
と訴えました。
主「それならば明日、私から当院の呼吸器外科医に電話をし、マノンさんへの説明をお願いします。ただ明日、手術が入っていたら明後日になるかもしれません」
そして、なぜJ病院へ転院した方がいいかの理由も説明してくれました。
それはわかった。
確かに、私は肺のエキスパートであるJ病院で高難度の肺切除術を受けたので、手術内容のすべてを知っているJ病院で開窓術を受けた方がベストというのはわかる。
さっきも書いたけど、早いに越した方がいいけど明日転院でないと死んでしまうわけじゃない。
抗生剤の治療だけでは、今後、肺膿瘍が再発する可能性が高いのもわかった。
丸投げではなく、マノンにとってベストを考えた結果というのもわかる。
でも「明日転院」は納得がいかない。
主治医は一応、ムッとしながらも(内心でマノンの事を思って出した結論なのにと顔に書いてあった)「わかりました」と言った。
「J病院に丸投げするつもりはありません。そして再発のリスクを承知でマノンさんが抗生剤治療を当院で受けたいというのならそれは受け容れます。また、J病院のオペ室や病床がすぐに確保できないという結論なら、当院の呼吸器外科医が『自分が開窓術をする事も検討する』と言っています」
わかりました。でもあともう数日でいいから、私に考える猶予を下さい。
J病院のドクターは、1度目の術後に肺の空気漏れが止まらなかった時、他のドクターズが再手術を勧める中、「いきなり再手術ではなく、まずはリスクの低い胸膜癒着術(胸腔内に粘着剤を流して穴を塞ぐ試み)をしましょう。そしてそれがダメだったら、再手術をしましょう」と長い時間を掛けて私に説明してくれた。
だから私は、すべてを納得した上で再手術を受ける決意ができた。
まずは明日、私はJ病院の外来に電話してドクターと話をします。
そして、この病院の呼吸器外科医の説明も受けたい。
転院を決断するのはそれからだ。
追記:ブログを書いた後、緊急で開窓術を受けた患者たちのその後についての調査という医学論文(順天堂大学の看護師による)を読んだが。退院後のQOLの低下は著しく、しかも家族によってガーゼによる消毒が1日2回必要となる(終わりはない)。
また、在宅医療、在宅酸素吸入、訪問診療などで毎月7万円の費用が掛かる(終わりはない)。
術後は著しく体力が落ち、ほぼ寝たきりでトイレに行くこともできなくなる。
今回の私同様、ほぼ全員の患者が突然、開窓術について考ええる猶予も与えられず手術を受け「良くなると思っていたのに。こんなに大変な事になるなら、手術を受けなければ良かった」と多くの患者が嘆いていた。
https://www.juntendo.ac.jp/assets/iryokangokenkyu18_1_11.pdf
死に体になってまで延命したいとは1ミリも思わない。
開窓術後の生活がこれだけ大変な事になるのであれば、やはり第一選択はまずは抗生物質で肺の状態を良くする事。そして再度、肺膿瘍になっても開窓術は受けない。残された時間は、身辺整理(終活)をして、母と美味しい物を食べたり、旅行に行って残りの人生を全うすると決めた。
母には大変申し訳ないが、上記を説明すれば理解してくれると思う。
開窓術は、ほとんど説明がないままで緊急手術となっていた。術後はかなり患者のQOLが下がり「こんな事になるなら死んだ方がマシ」と思わせるそうだ。こんな大変な術後が待っているという事を一切説明せず、いきなり「明日、転院してJ病院で開窓術をします」は絶対にありえない。
日本の医療業界特有の「術後、どんなに患者のQOLが下がっても患者を生かす」という典型。完全に医師の傲慢だ。
開窓術は絶対に受けないと決めた。