2020年6月26日

 

その7からの続きです。

 

マノン「そういえば、ブログ経由で相談を受けてN先生に紹介し、頸部食道がんケモラジ(放射線と抗がん剤治療)後のバイパス手術をして戴いた○○県のSさん。現在もオプジーボを継続し、食事もバイパス経由で口からちゃんと食事ができていると連絡がありました。先生、その節は難しい手術をして下さりありがとうございました」

 

N医師「いやいや。彼は若いからね(50代後半)。若くて嚥下力があるから食べ物をしっかり飲み込めるんだよ。これがお年寄りだったらそう上手くは行かない。彼は若いから上手く嚥下できるんだよ」

 

マノン「なるほど、若いから可能なんですね」

 

食道がん治療後の後遺症による閉塞などで経口での食事ができなくなった患者さんへ行うバイパス手術は知名度が低いので、いつかブログに書こうと思いつつ今日に至ってしまっている。上京シリーズが終わったら書こうっと。口から食事ができる事は生きる上で欠かせない喜びだから知らないと損。

 

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マノン「それから。先日、雑誌でB病院の学長戦2期目を巡り元△△学長と食道外科元○○教授とのダークないきさつを読みました。結果として負けた○○教授派が粛清されたと。N先生がこの病院に来る事になったのも元学長のせいなの?」

 

N医師「あー、食道外科の元○○教授の話ね。でもそれは今回の僕の異動とは関係ないよ。ま、いろいろあるんですよ」

 

という事は〇〇病院からダヴィンチ使いとして鳴り物入りで凱旋した歳下の大腸外科医から肩叩きに遇ったんだろうな。N医師自ら「仲悪い」と言ってたし。それ以上は聞かなかったけれど。

 

大病院の医師は日々の臨床と研究、勉強会、論文執筆で忙しいと思っていたけど、現実は白い巨塔よろしく男同士の権力争いでズブズブなのねぇ。

 

白衣の前ボタンを外し椅子に腰を前にずらして座り、両手をポケットに突っ込んでお腹の辺りで左右の白衣をパタパタするいつもと変わらないN医師の癖。

 

モニタを見る横顔をまじまじ見ていたら、半年ぶりに見るN医師は白い巨塔であるB病院にいた頃よりノビノビしてるように見えて、これはこれで良かったのかなとも思う。

 

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マノン「あと、私の腸ろう。術後丸3年を機に抜こうと思うのですが」

 

N医師「マノンさん、まだ腸ろうしてたんだっけ!?」

 

まあ、そんなもんだ。

 

マノン「だって具合が悪く食事できない時は腸ろう経由で栄養補給できるから。再度入れるには胃ろうと違い全身麻酔の手術なので術後3年まで抜くのを躊躇していました。ただ最近は刺入部の穴が大きくなって浸出液だけでなく、飲み物まで穴からぴやぁっと出てくる始末で穴の周囲がかぶれて大変なんですよ」

 

N医師「水分、出てくるよね。確かに腸ろうは全身麻酔でまた入れるの大変だから。で、自分で抜くの!?」

 

マノン「えっ。だって以前にN先生がチューブは自分で抜いていい、穴は数日で塞がると仰ったじゃないですか」

 

N医師「そうだけどさ…。ま、チューブを抜いた穴にガーゼを当てとけば3日ほどで自然に穴は塞がるけどね」

 

と、「マノンは相変わらずだなぁ」という心配そうな顔。

 

半ば強引にN医師の了解を得て、ついに7月末に丸3年を迎える日に自分で腸ろうを抜く事にしました。こうして少しずつ食道がんから離れていく事になります。

 

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と言いつつ、今回の上京後半、急に具合が悪くなり食事もできずヘロヘロで帰宅。数日は気分が悪く経口で食事ができないから自宅で経腸栄養のお世話になり元気になりました。

 

そんな訳でやはり腸ろうはまだキープすべきかと決意が揺らぐ。このように命に関わらない事については医師は患者任せだから自分で決めないと。うーん、迷うのう。

 

次回につづくっ