2012年3月24日

舌に針を刺して4日目に突入。もはや1日3度の流動食には飽々だ。夕食をチューブから摂取中だけど、吐き気を催したので軽く運動する…。看護師さんに「気分が悪い」というと「無理して全量注入しなくていいですよ。ただ、脱水症状にならないように、お水を追加注入してください」と言われた。

流動食は、カロリーを高めるために油分が多く、胃もたれする人が多いとの事だった。しかし、ナッツみたいな匂いも何とかならないかと思う。ネットで検索すると、別メーカーでバナナやイチゴ味とかもあるみたいなんだけど…。

病人だから文句言わずに我慢しろ? だとしたら、いかにも日本的な発想だ。栄養を取らなければいけない病人だからこそ、美味しく完食できる工夫が必要なのに。

後々、大部屋に行って思うのだが、看護師さんや医師、研究開発者も同じシチュエーションで何日もこの味を体験したり、舌に麻酔や針を刺してみて患者の気持ちになって欲しいものだ。

昔、新聞かなにかで読んだ医師の言葉を思い出す。「尿道カテーテルを男性患者に差し込む時、痛がるけど大した事ないと思っていた。でも、自分が病気になり、実際に尿道カテーテルを差し込まれた時、あまりの痛さに閉口し、ようやく患者の痛みがわかった」というもの。

そんな流動食も明日の朝ごはんで最後。昼に抜針して、昼ごはんからおかゆ食になる。

針を抜く時も痛いんだろうな…。想像すると怖い。糸で針を舌に固定しているから、まず糸をハサミでカット。それからピンセットで針を抜くらしい。舌が動くだけで痛いのに、まず先生が舌を掴んで前に引っ張り出す。どれだけ痛いんだろうか。できれば全身麻酔して欲しい(笑)

とはいえ、明日の昼に鼻から胃に通っているチューブが抜けるかと思うとせいせいする。吸引で唾液や喉の痰を処理するのにも疲れたし、舌苔がカピカピに乾燥して舌表面を覆って不愉快だ。歯磨きは不可で、アズノールという青いうがい薬でうがいをするだけだが、舌が動くと激痛だ。

舌に長さ縦4センチの針が刺さっているのも不思議だ。舌なんて1センチ位の厚さしかないのにと思っていたけど、丸の牛タンを思えば、確かに舌は奥に行くほど厚みがあるのだった。うっかりクシャミをすると針の先端が顎の骨に「がつっ!」と当たり、顎も舌も実に痛い。

看護師さんに「麻酔なしで針を抜くんですか?」と聞いたら「たぶんね。A先生の事だから躊躇なく抜いちゃうんじゃないかな」だって…。

まあ、こういう事は一瞬で終わらせた方が楽だとは思うが。

食後の痛み止めを飲み、睡眠薬を飲んで21時に就寝した。