6歳ごろまではほぼ平均身長・体重に沿って成長されていた
女子のお子さんがいらっしゃいました。
その後、6歳を過ぎてから身長の伸びが悪くなり
体重がどんどん増えてしまっていました。
このように著明な低身長と高度の肥満のために
小児科に紹介されました。
診察や検査
治療
このお子さんは
甲状腺ホルモンのお薬を内服しました。
骨年齢が遅れていたので治療によって
30cm以上も伸びました。
ほぼ平均身長にまで追いつき
肥満度も急激に低下しました。
後天性甲状腺機能低下症について
後天性甲状腺機能低下症は
慢性甲状腺炎によるものが多いです。
大人の方の病気というイメージですが
大人だけでなくお子さんも
このような病気になってしまうことがあります。
甲状腺機能低下症の症状
お子さんの場合には
成長率の低下が明らかな症状として認められます。
その他の症状は
便秘、寒がり、体重増加、低体温、無気力など
病気の診断につながりにくい症状が多いので
それらの症状から診断するのは難しいです。
ご紹介したお子さんは
幸いほぼ標準身長まで成長できましたが
診断が遅れると治療をしても
低身長に終わることがあります。
肥満を伴った成長率の低下は
病気が隠れていることが多いので、要注意です。
肥満は成長曲線だけでは分かりにくいので
肥満度曲線を描くことによって
その変化がよくわかります。
こちらは、ずいぶん前の女子の成長曲線です。
学校健診では成長曲線と肥満度曲線を活用しています。
ご自宅でも成長曲線や肥満度曲線はネットなどで確認することが出来ますが
お子さんの成長で心配なことがあれば
通われている学校の養護教諭や学校医
小児科医などにご相談されると良いと思います。