成長曲線を使う理由
身長や体重の成長の度合いは、乳児の頃が一番大きくて
次に大きいのは思春期と呼ばれる時期の
男子で10歳から17歳ごろ、女子で8歳から15歳ごろです。
成長は個人によって差があるものなので
成長曲線は、各々の子どもさんが適正に成長しているかどうかを
判断するために描くものです。
特に身長については
背が高くなると、本人だけでなくご家族もうれしいものですよね。
ですが、身長が急に伸びたからといって
「大きくなったね」と喜んでばかりもいられない場合もあります。
一時的に急に背が高くなるのは、
その後すぐに成長が止まってしまう成長異常を
示している場合が少なくありません。
身長が伸びたからといっても
その伸び方が身長成長曲線の
基準線に沿っていることが大事なのであり
1回の測定値だけで判断すると
病気を見落とす可能性があるのです。
成長曲線を描くことには、2つの意味があります。
①成長異常の早期発見、早期治療につなげる。
②過去からその時点までの成長が適正であることの確認ができる。
未来については予測はできませんが
記録をしていれば、過去から現時点までは
そのお子さんの成長が適正であるという判断ができます。
肥満度とBMIとの違い
肥満の指標であるBMIの正常値は国によって違います。
日本では18歳以上では18.5以上25未満が正常範囲と決まっています。
これは、6歳から14歳ごろまでの思春期の子どもにはあてはまらないのです。
3歳から18歳未満までは肥満度によって
体格(肥満ややせ)を判定することになっており
学校健康診断もこの基準に沿って行われています。
この肥満度ですが
例えば肥満度が+25%(肥満度では軽度の肥満)であるといっても
+50%から+25%になったお子さん
0%から+25%になったお子さん
+25%の状態がこの数年続いているお子さんとでは
肥満度+25%の意味は大きく違うのです。
ですから肥満度についても
過去からの変化を見ていくことが大切で
その都度、肥満度曲線を使って評価することになるのです。
成長曲線は、これまでに測定した身長、体重の値を
成長曲線基準図上に描いていくことによって
お子さんの成長を確認します。
その値の推移が7本ある基準線にきれいに沿っていれば
そのお子さんの成長は適正であるといえます。
学校健診ではこの成長曲線や肥満度曲線を活用しています。
ご自宅でも成長曲線や肥満度曲線はネットなどで確認することが出来ますが
お子さんの成長で心配なことがあれば
通われている学校の養護教諭や学校医
小児科医などにご相談なさってくださいね。