歪みモノは奥が深い(Distotion+編) | アム中のブログ

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おっさんの趣味全般のお話です。

以下、極端にディープなお話。
Zoomのエフェクタの時に、私の好きなディストーションとして2機種あげましたが、それぞれの回路を解析した時のお話。
まずはMXRのDistotion+から。

検索すると回路図が見つかると思いますが、初期に開発されただけ有って、いたってシンプルな構成。
なのに他と違ったテイストを持っているのは、ひとえに歪みの元であるダイオードのおかげ。
ディストーションは、ダイオードを使って波形の頭をチョン切って歪ませます。
通常はシリコンのダイオードが使われるのですが、Distotion+ではゲルマニュームダイオードが使われています。
そのため波形の頭がスパっと切れず、丸くなり、ちょっとオーバードライブっぽいニュアンスになります。
同じダイオードは入手できなかったので、入手可能なモノに置き換えてコピー機を作りましたが、やっぱり若干違う音になってしまいました。
ゲルマダイオードは、品種によって音が結構変わるようです。
ダイオードの前にある抵抗の値を小さくするとオリジナルに近づきますので、コピーされる方はボリュームに置き換えて試すのが吉です。
ちなみにこの抵抗を無くして直結すると、全然別物のファズっぽい音になります。

外部電源端子が無いオールドと現行品を比べると、現行品は音が固い。
前述の抵抗を変えても、差は縮まるが同じになりません。
実はオペアンプICのせいなんです。
使用されている741と言うICは、各社が同等品を出していて、オールドと現行品ではメーカーが違います。
そこで、各社の同等品を何種類か差し替えてみたら「キタ!」ってのが有りました。
どうやら規格(保証値)は同じでも、周波数特性が昔より良くなっているメーカーが多いみたいです。
昔ながらに高音が出にくいICだと、オールドの味が蘇ります。
あえてどこのメーカーかは言いません(ニヤリ

次回はRATのお話をしようと思います。